「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2012年11月24日 9:55 pm


 柏たなか農園の主力作物であるもち麦、来年春の収穫に向けて種播きを急いでいます。少しでも早く種を播いて早く収穫したいと思うからです。どんなに頑張っても収穫は5月下旬以降なのですが、今月早々に今年のもち麦が売り切れてしまい愛用してくださったお客さんに半年以上も待たせることになってしまったことから「1日でも早く収穫したてのもち麦を届けたい」と焦ってしまうのです。収穫の秋、農園のイモ掘りや「土の学校」の収穫祭の他に、つくばエクスプレス沿線の駅前の青空市などのイベントにも次々と参加したため、もち麦の作業に時間を割くことができず、相当追い込まれました。

 ちょうど1ヵ月前の10月下旬、利根川の対岸、茨城県守谷市の畜産団地から柏市の農園まで牛フン堆肥をダンプ車で運んできました。1日6往復では足りなくて11月の初めにもう一度運搬作業をしました。堆肥の量は2回分合わせて30トン近くになりました。運んできた堆肥を軽トラに積み替えて麦畑に運び、スコップで畑に撒きます。軽トラに積み替えるためにショベルカーを借りなければならないのですが、今年はいつも借りている先の都合がつかなかったため、急きょ畑の近くの土建屋さんに頼み込み土木作業用のショベルカーを貸してもらいました。以前借りた農作業用のショベルカーに比べ桁違いに大きく、それはそれで扱いが大変でした。
 さらに10月下旬から雨の日が多く、1回あたりの降雨量も多かったので畑がぬかってしまい堆肥を撒布したくても畑に入れない日が続きました。何とか堆肥を散布できたところから麦の種播きを始め、あと一息というところまで来ました。
 今年のもち麦は先々週で売り切れてしまい、せっかく買いに来てくれた皆さまのがっかりされる顔を見るたびに申し訳ない気持ちになりました。収穫した農産物が売れなくて困るのはいつものことですが、売れすぎて困るというのは初めの経験です。
 「すみません、来年までお待ちください」というと「来年のいつ頃?」と聞かれて「5月末に刈り取って6月に販売を開始します」と答えると「半年以上も待つの?」と絶句されてしまいます。1年に1回しか収穫できないので、来年春まで待ってもらうしかありません。「来年のもち麦の予約をしてくださるといろいろ特典がついてきます」といって「麦畑オーナー」(トップページの「お知らせ欄」に詳細のせています)への契約を勧めるしかありません。品切れになるのがこれほどつらいとは知りませんでした。

投稿日:2012年11月11日 7:55 pm

秋も深まり柏地方のあちこちで収穫祭などが盛り上がっています。柏たなか農園は先週、千葉大学柏キャンパスのお祭りに、この週末は直売所「かしわで」の収穫祭に出店しました。千葉大では学生さんらがリアカーの上にものを載せて、お手伝いの子供らといっしょに売り歩く企画があったので、畑に植わっているサツマイモとラッカセイを土ごとそっくりリアカーに載せてもらい来場者に「イモ掘り」、「ラッカセイ掘り」のようなことをしてもらいました。かしわででは「ヤギくんと遊ぼう」コーナーを設けてもらい、子供らに餌の雑草や野菜くずを食べさせて遊んでもらいました。いずれも柏たなか農園の畑に来れば体験できることですが、そういう機会のない人たちには、こちらから出かけて行って疑似体験をしてもらおうという狙いです

 

千葉大のお祭りで学生さんらが考えたのは「ものを売る」というより「リアカーの上に載っているものを使って遊ぶ」ということでした。リアカーにはたっぷり土を入れ、そこにサツマイモとラッカセイを株ごと植え付けておきます。土の中にはあらかじめ色を塗ったラッカセイを埋め込んでおき、掘り出したラッカセイの色によって焼きイモなどの景品が当たるという宝探しゲームです。子供といっしょに来た親たちも普段土と触れる機会が少ないらしく、イモ掘り、ラッカセイ掘りの疑似体験を楽しんでいました。

かしわでの収穫祭では会場と駐車場の間の土のある場所に柏たなか農園の2頭のヤギ(名前はキイロくんとアオくん、両方オス)を連れてゆき、子供らと遊んでもらいました。子供らには角の生えたヤギが珍しく、はじめはこわごわと、次第に慣れてヤギの身体をなでたりしながら、餌の雑草や野菜くずを与えていました。子供だけでなくお父さんお母さんもヤギに食べてもらえる雑草を探すなど結構楽しんでいました。

 


 柏たなか農園では都市住民に畑に来てもらい農業に接する機会を作ろうとイモ掘りなどを開催してきました。それでも畑に来てもらえる人はほんの一握りです。もっと多くの人たちに畑との接点を作ってもらうにはこちらから出かけてゆくことも必要だと考えました。「わざわざ畑まで出かけるのはちょっと」という人たちにも今回は「農」を身近に感じてもらえる契機になったのではないかと期待しています。

投稿日:2012年10月14日 9:18 pm

2頭のヤギくん(両方オス)が柏たなか農園に来て半年経ちました。今ではすっかり農園の人気者。14日は一般市民を集めて「おやこdeイモ掘り」という企画をしたのですが、参加者らもイモ掘りの合間にイモ畑の近くにつないでいたヤギくんに近づき遊んでいました。ヤギくんもこの頃は慣れたもので、近づいてすりすりしたり、ズボンをかじる真似をしたりとお近づきのご挨拶。ときどき小さな子を泣かしてしまう場面も。イモのつるはヤギくんの大好物なので、イモを掘り出した後、ヤギくんらをイモ畑に入れてつるを食べさせてあげました。



農園の近くで開催されるイベントにもヤギくんが呼ばれることがあり、時々軽自動車に乗せて“出張”してもらいます。今月末は柏たなか駅前で開催される朝市に、11月10日、11日は柏市最大の直売所「かしわで」の収穫祭に出かけることになっています。このブログを読まれたお近くの方はぜひ、柏たなか農園のヤギくんを見にお出かけください。
もとはといえば畑の雑草対策の一環として、ヤギに雑草を食いつくしてもらうつもりでした。ところが、2頭のヤギでは春から夏にかけて伸びまくる雑草の勢いを抑えるのは到底無理。それと柏たなか農園のヤギくん、意外に好ききらいがあって、雑草の中でも好きなものには食いつくものの、嫌いな草は無視してしまいます。それと、同じ草ばかりだと飽きるらしく、気まぐれな食べ方をします。その結果、どうしても雑草をきれいに食べつくすところまでは行きません。結局、大部分は刈払い機や除草剤を使わなければなりませんでした。



ヤギくんのおかげでほとんど休みを取ることができなくなりました。必ず毎朝ヤギを小屋から出し、夕方になると小屋に戻すようにしてきたからです。一晩くらい小屋の外に置いても大丈夫という人もいますが、ヤギはとってもおくびょうなので心配で放置できません。8月に一晩だけ、高校時代の同級生らと泊りがけで出かけたことがあり、その時だけは畑を手伝ってくれている人たちにヤギの世話をお願いしました。朝はなるべく早く小屋から出したいので畑に早く行かなければならず、いつも日の出前には起きなければなりません。いっそ、私もヤギくんの小屋に泊めてもらえば朝の時間、もう少し寝ていられるのになどと考えています。
カテゴリー: お楽しみ 柏たなか

投稿日:2012年9月7日 10:03 pm

柏たなか農園で栽培したスイカが初めて「千葉エコ農産物」の認証を受け、「千葉エコマーク」を貼ったスイカを今日、出荷しました。



「千葉エコ農産物」というのは従来の栽培方法と比べて農薬と化学肥料の使用量がそれぞれ半分以下で栽培されたことを千葉県が認証した農産物という意味です。では「従来の栽培方法」とは何かというのが問題になるわけですが、千葉県の場合、もともと農薬、化学肥料の使用量を抑えてきたので、さらに半分に減らすというのは結構大変です。ここで化学肥料の使用量の基準になるのは窒素分の施肥量です。スイカは実の部分を食べる作物なので肥料成分でいうとリン酸重点型の肥料を施します。ということは「従来の栽培方法」がそもそも窒素成分の少ない肥料を施していたわけで、それをさらに半分以下に減らすのは大変なのです。ところが、化学肥料でなければよいといので、肥料メーカーの方も窒素成分の大半を油かすなど有機質の原料を使った新製品を増やす傾向にあります。今回の認証に向けてはこれらの有機質の原料を使ったメーカー製品をメインにして施肥を行いました。



今回認証を受けたのはスイカとカボチャでした。そのうちスイカは気温が高い時期でないと売れないので、急いで「千葉エコマーク」を貼り付けて出荷しました。「暑さ寒さも彼岸まで」といいますから、もうまもなく売れ行きのピークを過ぎてしまうでしょう。ところが畑にはまだたくさんのスイカが出荷待ち状態のままです。これらに千葉エコマークを貼り付けて売りまくらなければなりません。マークがあるのとないのとでは売れ行きにどのような影響が出てくるのか分かりません。ただの話題作りにしかならないかもしれません。それでも千葉県の認証を受けたことで、柏たなか農園の農産物を購入してもらう際の安心感は格段に違うと思います。カボチャはスイカほど急がなかったのですが、月内には出荷するつもりです。カボチャはむしろ涼しくなってからたくさん使われると思われるので、これからが楽しみです。
カテゴリー: 生育情報 出荷情報

投稿日:2012年8月16日 2:33 pm


柏たなか農園の主力作物のモチ麦、今年は売れ行き順調です。去年まではつくば農園に一番近いつくばエクスプレス・柏たなか駅とその隣の柏の葉キャンパス駅などの駅前で開かれる青空市が主要な販路でした。今年は6月中旬に柏市最大の直売所「かしわで」で試食販売をしたところ好評だったので、かしわでの穀類コーナーに置いてもらうことになり、去年の倍くらいのペースで売れるようになりました。

モチ麦はもち性のでんぷんを含む裸麦でお米といっしょに炊くとおこわのような食感になります。白米だけのご飯と比べて栄養のバランスが良いなどの理由でお米に雑穀を混ぜて食べる人が増えているようですが、食べやすさという点では白米にかなわない気がします。それに対してもち麦を白米に混ぜたモチ麦ごはんはもち性のでんぷんが入っていること、裸麦の薄皮に適度な歯ごたえがあり、白米とは違うおいしさを味わうことができます。このため、まず試食してもらうことだと考え青空市などに出店してきました。その延長でかしわででモチ麦ごはんをゴマ塩むすびにして試食販売をやってみた結果、大変好評だったというわけです。

6月のこのブログでも取り上げましたが、モチ麦は収穫のタイミングを測るのが難しいと感じています。今年は梅雨がどのくらい長引くのかなど天気の見通しがつかめないと思い、6月初めに一気に収穫してしまいました。その結果、収量は若干落ちたかもしれませんが、品質的には良かったと思っています。

それと心配なのが放射能でした。収穫してすぐに専門の分析センターで測定してもらった結果は1kg当たり約5ベクレル(国の基準は同100ベクレル)とかなり低いことが確認できました。畑の土に混じっている放射性物質がどの程度作物に吸収されるかを示す「移行計数」が作物ごとに公表されていますが、モチ麦は特殊ということもあり、公表された一覧の中にはデータが載っていません。麦類と同程度と推測されますが、実際に測ってみないことには確信はもてませんでした。今回測定結果を得たことで消費者からの質問にきちんと答えることができるようになりました。

本当は畑を細かく区分し、区画ごとに土壌中の放射性物質量とそこで採れた作物に含まれる放射性物質量を11に対応させることができるように準備しておけばよかったのですが、収穫する時はそこまで頭が回らず、収穫のタイミングばかり考えていました。スイカ、カボチャ、サツマイモなど他の作物については区画ごとに土壌の検査結果と対応出来るようにするつもりです。

カテゴリー: 出荷情報 放射能問題
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