「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2013年6月23日 9:56 pm


 今日は土の学校でスイカ植付け講座を開催しました。あらかじめ元肥を入れた畝に20mずつビニールマルチを張り、2mおきに植え穴を開け、ポットで育てたスイカを植え付けていきます。トラクターで耕すなどの下準備はしたのですが、それでも長ーい畝にビニールを張る作業は大変です。苗を植付け、最後に麦刈り跡の麦ワラを畝のわきにびっしりと敷き詰めて本日の実習を終了しました。梅雨時のはっきりしない空模様の下、雨に降られなかったのが何よりでした。

 これまで柏たなか農園のスイカは麦刈りの後に苗を植え付けていました。ところが、今年は5月半ばに第1期の植付けをしました。スイカの需要期は暑い盛りです。7月の後半には販売できるようにしたいところです。となると麦刈りの後では遅すぎるのです。というわけで5月に植え付けたのですが、そのかわり第1期のスイカは麦ワラなしでした。麦刈りの後に急きょ麦ワラを敷きましたが、すでにかなり成長してしまったのでどれほど効果があるかは分かりません。第1期のスイカはすでに実も肥大し始め、大きいもので運動靴くらいの大きさになりました。早くも実の表面にくちばしでつついた跡、爪でひっかいた傷跡がついています。カラスや動物たちが狙っているのです。防護策としてあわてて袋状のネットをかけました。

 いま、実を着け始めたスイカは7月後半に収穫期になります。あちこちで夏祭りが開かれるタイミングに何とか間に合わせようとしています。今回、麦刈り跡に植えたスイカはさらに1ヵ月後の8月後半から9月にかけて収穫します。これまでは10月初めくらいまでは暑い日が続いたのでスイカも何とか売れました。暑い日が続けばスイカも甘くなります。今年の暑さはいつまで続くでしょうか?スイカ生産者としては暑さは歓迎です。お天気頼みのようなことばかり書いていますが、スイカの当たり外れはお天気次第のところがあります。

投稿日:2013年6月3日 5:15 pm


 昨日6月2日に麦刈り体験ともち麦ごはん試食の会を開催しました。都会の人たちに稲刈りを体験してもらうイベントはよくありますが、麦刈りは珍しいでしょう。親子連れなど多数集まっていただき、刈り残しになっていた麦畑をきれいに刈り取ってもらいました。


 麦刈りは普通コンバインという機械を使って刈り取りから脱穀まで一気にやってしまうのですが、それではつまらないのでこの日は鋸カマを使って人手で刈り取りをしてもらいました。刈り取り用に残しておいた畑は雑草が多いところだったので雑草取りといっしょになり、結構大変でした。刈り取った麦を束ねてコンバインで脱穀しました。この後、乾燥させ、ワラなどのゴミを取り除いて袋詰めしますが、イベントでは全部はできないので脱穀までにしました。


 作業の後は2013年産新もち麦の試食です。もち麦と白米を1対4の割合で混ぜて炊いたもち麦ごはんをゴマ塩おにぎりにして食べてもらいました。味噌汁の具は柏たなか農園で採れたダイコンとカブを使いました。とてもシンプルな食事でしたが、好評でした。
 この日収穫したもち麦をその場でお米と混ぜて炊くわけにはいきません。そこで1週間以上前に刈り取って乾燥させておいたものを前日になってゴミを取り、当日の朝、モチ麦ごはんを炊いておにぎりにしました。かなりきわどいタイミングで試食用の新もち麦を間に合わせることができました。

 新もち麦を試食してもらいながら「もち麦のどこが“健康食品”なのか?」についてお話をさせてもらいました。参考にしたのは、4月8日にテレビのNHK総合でもち麦を紹介した番組「ゆうどきネットワーク」、麦製品メーカーのはくばくのホームページなどです。

 もち麦は大麦の一種で、食物の中では食物繊維=βグルカンの含有量が特別に大きいことが特徴です。βグルカンは食事を身体に取り込む際の栄養吸収を調節することにより、一度に大量の糖分を血液中に送りこむことを防ぎます。その結果余分な糖分を脂肪にしてため込まずにすみます。しかも、含まれるでんぷんがもち性なので、もち麦ごはんにするとプチプチ、モチモチした食感でとても食べやすいことから、毎日の食生活に取り入れやすいです。日本の場合、主食はごはんが一般的なので、お米にもち麦を混ぜたもち麦ごはんを普段から食べていれば自然にメタボ対策ができてしまいます。また、心臓疾患のほかに排便促進、正常な腸機能の維持などの効果があることも欧米はじめ世界で認められるようになっており、今や「βグルカン効果は世界の常識」となりつつあるようです。

 参加者の皆さん、とても関心を持ってくれ、お米ともち麦を混ぜる時の比率、モチ麦の保存方法、お米や他の麦との違いなど次々と質問が出ました。これからはもち麦の「おいしさ」だけでなく、「健康増進効果」についても消費者の皆さんに分かりやすく説明すべきだと感じました。