「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2018年5月9日 12:16 pm



 柏たなか農園の主力作物であるもち麦(品種はダイシモチ)の収穫が近づいてきました。穂から先の方に伸びるノゲまで紫色に色づき、畑は幻想的な景観を見せています。





 一番先行しているのが隣りの千葉県野田市船形地区と木間ヶ瀬地区で栽培を委託している畑で、すでに畑の大半が明るい紫色に変わっています。これからもう少し紫色が濃くなり先端が首を曲げたようになると収穫適期です。あと1週間から10日で収穫できそうです。





 柏市内では利根川河川敷で5haあまりの広い畑を使って委託栽培してもらっています。こちらは昨年11月に2度来た台風による川の増水で種播きが遅れたため生育も遅れました。このため現時点では畑はまだうす緑色で一番上がうっすらと紫色になってきたかという段階。それでもスタートの遅れからするとかなり追いついてきたようで、今月末には収穫できそうです。



 一番心配なのが当柏たなか農園の畑で、一部は穂が色づく前に倒伏が始まってしまいました。このまま行くと倒れた麦を起こしながら収穫しなければならなくなり、作業はかなり難航しそうです。

 ここにきて心配なのが梅雨入りが早まりそうなこと。雨が続くとその間に麦が倒れてしまい、最悪の場合収穫できない可能性もあります。出来ることなら6月初めまで天気がもってほしいと祈るような気持ちです。

 昨年は黒穂病が蔓延したため委託先の分も含めて全体の3分の2をつぶさなければならないというつらい思いをしましたが、今年は種の購入段階で対策(種に農薬を粉衣)したので大きな被害にはなりませんでした。それでも4月中ごろから黒穂菌に侵された穂がポツポツと出てきたので何回も畑を廻って黒穂抜きをしました。

 毎年のことですが、何も心配せずにこの時期を過ごすことができるようになるなど夢のまた夢でしかありません。 

投稿日:2018年3月25日 11:17 pm



体験農園「土の学校」の種播きが始まりました。24日、25日に開催した第2回講習会でダイコン、ニンジン、カブ、コマツナなどの種を播きました。種を播くのは簡単です。畝の上に播く場所を作り、種が重ならないように播くだけです。ですが、その準備が大変です。

種播きの準備は310日、11日の第1回講習会から始まりました。最初の実習は畝立てですが、この時は直前に雨降りが続き畑がぬかるんだため実習ができず1週間遅れで1718日に実施しました。




土の学校の実習畑は1区画約30㎡の中に7本の畝を立てます。畝というのは作物を栽培する畝で、畝と畝の間の通路部分が畝間です。畝立てというのは畝間の土を畝に移す作業ということができます。1区画約30㎡の中で畝間と畝の面積は同じくらいなので、畝間の土を移して畝を立てるというのは区画の半分の土を残り半分に移動するのと同じです。土の学校の農作業で一番体力を使うのがこの畝立て作業です。

畝立てをやっとクリアして24日、25日の第2回講習会ではいよいよ種播きです。種を播く畝に肥料を入れてから種を播く場所を作ります。直径10㎝位の穴に播く点播き、畝の上に浅い溝を作り溝の底に種播きするすじ播きなど野菜の種類に応じて播き方も使い分けます。



今回播いた野菜の種はニンジン、ダイコン、カブ、ミズナ、コマツナ、廿日ダイコンの6種類(ダイコンの種は2種類)。ニンジン以外はすべてアブラナ科です。ということはチョウ目(チョウやガの仲間)に卵を産みつけられ孵化した幼虫に葉を食いまくられるのが心配です。対策として親のガやチョウが入ってこれないように種播きした場所全体を不織布で覆います。アブラナ科はすぐ発芽するのでいつまでも不織布をかけておくわけにはいきません。1週間くらい経ったら外します。無防備というわけには行かないので不織布を外した段階で農薬を撒布します。順調にいけば4月末からのゴールデンウイーク前にコマツナ、廿日ダイコンくらいは収穫できそうです。




今年の土の学校は初めて参加した人の数が多く、本当にいろはのいから教えなければならず、結構大変です。畝立てにクワを使うといってもほとんどの人がクワを持ったことなどありません。種播きも種が重ならないように丁寧に播こうとすると大変です。お手本を見せて済ますわけにもいかず、手とり足とりの指導なります。しかも子育て世代が多く子供さんと一緒の作業では仕事のはかが行きません。




ですが、土の学校はそれで良いのです。会員の皆さんが土の学校に求めているのは、効率性とかスピードとか、そういう都市的な価値観とは異なる田舎ならではの豊かさを求めているはずだからです。ここでの農作業の目的は青空の下、広~い畑の中で気持ちのよい汗をかくことです。そして自分が作った野菜を自分で収穫する喜びです。田舎ならではの豊かさを求めて2018年度の土の学校が始まりました。

投稿日:2018年3月16日 10:56 am



3月に入り順調に伸びるもち麦、5月の収穫に向けて新たに乾燥施設を導入します。柏たなか農園始まって以来の巨額の投資です。昨年末から建屋の補修、電力線の引き込みなどの準備を進め、今週初めから機械の導入を始めました。
乾燥機本体は高さ6m近く、文字通り見上げるほどの大きさですが、近頃はお米を作ってきた農家が次々とやめて行くのでこれらの農家から出る中古の乾燥機を安く入手することは難しくありません。問題は高さ6m近い機械設備を収容する建屋です。更地をコンクリートで固めてその上に鉄骨の建屋を建てるとなるとそれだけで1000万円近くかかってしまいます。どうしようかと悩んでいたところ、農園の近くでやめた農家が乾燥機を入れるつもりで建てた小屋が放置されており、土地ごと借りられることになりました。昨年秋のことでした。小屋はゴミ捨て場になっており、内装も外回りも大分傷んでいましたが年明けからゴミの山を処分し、何とか使えるところまできました。




今月に入り、昨年から申請していた電気が一部使えるようになり、小屋の修復も仕上げることができました。今週初めにまず、乾燥した麦を一時保管するための巨大なじょうごのような形をしたストッカーという設備を小屋の一番奥に設置しました。



それから乾燥機本体の搬入です。入口のシャッターを開けても高さは3m足らずです。ここに6m近い高さの機械をどうやって搬入するのかと見ていましたところ、乾燥機の底から上部まで麦を吹き上げるエントツ部分を切り離し、乾燥機本体も上下に切り離してシャッターをくぐらせ小屋の中で組み立てました。続いてエントツ部分も斜めにしてシャッターをくぐらせ本体にねじ止めします。後は制御用の装置を取り付け、回転部にベルトをはめ込むなどして乾燥機の設置作業も何とかクリアしました。



この後、3月末までに乾燥済みの麦についているゴミを取り除くための籾摺り、石抜き装置、さらに麦粒の大きさをそろえる選別機を導入して今回の設備計画は完了します。



多額の資金を投じ、たくさんの労力を費やしてまで自前の乾燥設備を持つことにした理由は何でしょうか?それはもち麦の品質向上です。
柏たなか農園のもち麦生産は米農家の設備を使わせてもらうことで成り立ってきました。米農家の設備を使えば自前の設備投資をしなくてすみ、経営的にはとても助かります。ところが、委託での生産量が増え、取り扱うもち麦の総量が大きくなるにつれ米農家依存の問題点も露呈してきました。
米農家の乾燥機を使わせてもらうには乾燥機のお掃除をしなければなりません。しかし、米農家も1年中作業日程が立て込んでおり、もち麦の収穫時期に合わせて乾燥機を掃除するための作業時間を割くことは難しく、大概収穫遅れになり、もち麦の品質低下につながります。さらに丁寧にお掃除してももみ殻付きのお米がもち麦に混入するのを防ぎきることができません。これらの品質低下要因を取り除くために乾燥機の導入という決断をしなければならなかったのです。

投稿日:2017年12月16日 11:30 pm



 もち麦が発芽、柏たなか農園の畑はうす緑色の長いじゅうたんを何枚も並べたような景色になりました。寒い冬に向かってとりあえず芽を出してくれて一安心です。
 昨年までは発芽した後の畑は全面うす緑一色でしたが今年は一定の間隔を空けて種まきしたので、種を播かなかった場所は土のままで全体としてはうす緑と茶色の縞しまになったのです。なぜこんなことをしたかというと、このブログで何度も書いてきたように2017年産のもち麦が黒穂病に侵され壊滅的な被害を受けたことから学んだ栽培方法改善の一環です。



 今年は4月~5月の約1ヵ月間、ほぼ毎日朝から晩まで麦畑に入り、数百万本ものもち麦から病気に侵された黒穂を見つけては抜き取りまくりました。この際、もち麦の植わっていない畝間があるとその畝間に足を踏み入れ、畝の中に林立するもち麦の群落から病気の穂を見つけやすくなり作業効率があがります。さらに抜き取る際に少し揺らすだけで飛び散る黒穂病の胞子の拡散を多少なりとも抑えることができます。この経験からもち麦のタネ播きはばらまきするのではなく、筋状に播いておき収穫前に畝間に足を踏み入れやすくしておくことが大事だということが分かりました。
 黒穂病だけではありません。いつの間にかもち麦畑に侵入してくる菜の花などの有害な雑草や他の麦類を抜き取るにも畝間があるとなしでは作業効率に大きな差がつきます。収穫後のもち麦の品質に大きな影響があるので毎年、収穫前の有害雑草抜き取りは欠かせません。縞しま模様の麦畑にしておくことにはこういう意味があります。



 農園の真ん中に立つビニールハウスの入口には寒い風が吹く中、「柏たなかのもち麦」と書かれた旗がパタパタと音を立てています。柏たなか農園のある千葉県柏市北部は昔、田中藩という藩がありその後田中村を経て柏市に統合されました。この田中地区の農村風景の一部を構成する柏たなか農園のもち麦、来年が復活の年になりますようにと祈るような気持ちです。 

カテゴリー: 生育情報 柏たなか もち麦

投稿日:2017年11月22日 6:37 pm


 もち麦のタネ播き、1ヵ月遅れでようやく終了しました。当初の予定では10月下旬に播くつもりでしたが1010日ごろからの長雨で畑がぬかり堆肥を撒くこともできませんでした。11月に入ると台風が相次ぎタネ播き準備がまた中断しました。こうしてずるずると作業がずれ込んでしまったのです。




 堆肥を入れ終わったのが116日でした。その後も台風などの悪天候の合間を見ての作業でなかなか進みません。本格的にもち麦のタネ播きができるようになったのは先週からです。全体の半分を占める利根川の堤防に近い畑が終わったのが19日、最後に残った県道側の畑も今日播き終わりました。



 ここまでは柏たなか農園が直接耕作している畑ですが、他に近くの農家に委託して作ってもらっているもち麦があります。これらもやはり長雨と台風の後遺症を引きずっています。特に最大の委託先である未来農場では利根川の河川敷の畑でタネ播きしてもらうことになっているのですが、今もなお畑に水たまりが残っておりトラクターなどを畑に入れられる状況にはなっていません。この分だとタネまきは12月に入ってしまいそうです。隣りの千葉県野田市の農家にももち麦の栽培を委託していますが、こちらもタネ播きは先週末でした。全体に大幅遅れのスタートになりました。

 2017年産のもち麦は黒穂病の大発生で全体の半分以上をつぶす事態となりました。これに懲りて今回はタネ播き用の種子はすべて消毒済のものを購入しました。タネの段階で対策を打っているので2018年産では病気の発生はないはずですが… 2017年産は大幅減収のため、すでに在庫が底を尽きかけています。2018年産こそはまともな収穫にしたいのですが、遅いスタートがどう響くのか心配です。

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