「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2014年10月31日 8:59 pm


 柏たなか農園「土の学校」の実習畑の秋冬野菜がなかなか育ってくれません。8月に植え付けたジャガイモはまだピンポン玉くらいにしか育っていません。9月に播いたシュンギクも、10月に入ってから播いたコマツナやカブも成長が遅いです。ハクサイやキャベツは結球が遅れています。理由は簡単、8月下旬に気温が下がったまま9月、10月となかなか回復しなかったからです。

あわてて液肥を購入、ときどき葉の表面に散布して回復を待っています。本来なら畑に撒いた肥料の成分を根から吸収して成長するのですが、それでは間に合わないので、カンフル剤的に葉の表面から肥料成分を吸収させようという作戦です。

 このところ日中は暖かさが戻ったようです。しばらく暖かさが続いてくれると液肥散布の効果もあり、秋冬野菜も成長の遅れを取り戻してくれるのではないかと期待しています。

去年までは残暑が厳しく、9月のお彼岸過ぎても真夏のような暑さが残りました。今年も残暑が厳しいだろうという想定で秋冬野菜の種播き、植付けを12週間遅らせました。秋の1日遅れは春の3日遅れとも1週間遅れとも言います。たとえ残暑が厳しかったとしても「秋の1日遅れ」がもたらす結果について思い描くべきでした。プロの農家としては天候のせいとは言いたくないのですが、読みを誤ったことは事実です。

 「地球温暖化」というと春夏秋冬、従来より気温が上がるような印象を受けますが、実際は気候の変動が激しくなるということのようです。従来の経験だけで天気を予想して作物を栽培すると失敗が多くなるということかもしれません。対策として考えられるのはその時々の気候の変動に合わせて栽培方法を細かく調整して行くか、それとも気候の変動に影響されにくい作物や品種を選ぶかですが、どちらも簡単ではありません。

 こうなると栽培環境をコントロールできる「植物工場」が異様に魅力的に見えてきます。農業関連のイベントが各地で開かれていますが、その中でも植物工場関連が元気なように見えます。もっとも元気なのは植物工場の製造業者の方で、利用する農家の側は多額の初期投資が必要なので、しっかりした販路を確保できなければ収支を償うのは大変そうです。地球温暖化時代に向かって栽培技術面でのうまい対応策ははたしてあるのだろうか?当分、試行錯誤が続きそうです。

カテゴリー: 生育情報 土の学校