「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2013年7月25日 10:51 pm


夏の畑はとにかく草取りに追われます。生産的な作業ではないし、炎天下の草取りを積極的にやろうという気にはなれません。そうかといって雑草を放置すればあっという間に畑は雑草で覆い尽くされ、作物は雑草の勢いに負けてしまうでしょう。やむを得ず夏の間ずーっと、汗だくになって雑草退治に取り組んでいます。

 草取りの手段は、柏たなか農園の場合4つあります。一つはカマで草を11本刈り取って行く、いわば手作業。作物の間に生えた雑草を抜き取る時など狭い場所はこれを使うしかありません。次にガソリンエンジン付きの刈払い機を使って力任せに雑草をなぎ倒す、いわば物理的な手段。畝間の雑草が畑の作物を脅かしそうになった時など一気に刈り取ってしまいます。結構振動も大きく、1時間も作業をしていると手がしびれてきます。もう一つがトラクターで踏みつぶす。大がかりな物理的手段ですが、かなり深く耕運してもほとんどの雑草は生き返ってしまいます。

最後が除草剤散布です。ガソリンエンジン付きの噴霧器を使って雑草で覆われた畑の上から除草剤を撒きます。散布から数日で草は枯れ始め23週間で畑の色は黄色に変わります。化学的な手法で面積当たりの作業の負荷は一番少ないでしょう。ただし、全ての植物を無差別的に枯らしてしまうので、作物にかかると大変です。

 すべて除草剤散布ですませられれば一番楽なのですが、実際には作物の間に雑草が入り込んでくるので、作物のすぐわきに生えている雑草はカマで手刈りです。作物から少し離れたところは刈払い機で刈り取り、さらに薬剤が作物にかかる恐れがないほど離れた場所に除草剤を散布するという使い分けをしなければなりません。

 このところ猛暑が一休みしているので、その間せっせと草取りに励んでいます。やっとサツマイモの畑の草取りが終わったところです。サツマイモは5月末に植付け、このところ急速につるを伸ばしています。つるが伸びてきて雑草と絡まるようになると、刈払い機や除草剤による除草ができなくなります。といって広いサツマイモ畑の雑草をカマ1本で刈り取るのは無理です。ギリギリの段階で何とか刈払い機と除草剤による除草を間に合わせました。この先はサツマイモのつるがさらに伸びるので、刈払い機や除草剤散布ができなくなります。収穫まで約3ヵ月間、これから生えてくる雑草がサツマイモを脅かすようであればカマによる手刈りで対抗するしかありません。


 サツマイモよりもっと広いスイカ畑ではスイカを植え付けた畝はビニールマルチで覆い、畝間はもち麦を収穫した後の麦ワラを敷きつめてその下から雑草が出てくるのを抑えようとしています。麦刈りの後、
6月中ごろに植え付けたスイカはようやくつるを伸ばし、実も着き始めました。このタイミングで雑草もわずかな隙も見つけてワラの下、ビニールマルチのわずかな穴から這い出し、黄色のワラの上はいつの間にか雑草の緑で覆われようとしています。スイカのつるが伸び出した段階ではもはや畑全体を除草するのは無理なので、とりあえず背の高い雑草だけ手で抜き取りました。6月中ごろ植付けのスイカは8月後半から9月にかけて収穫です。それまで雑草に負けないようにスイカに頑張ってもらうしかありません。

投稿日:2013年7月15日 11:23 pm


 東京の雑司ヶ谷というところで毎月開かれているという青空市に、柏地方の野菜農家といっしょに出店してみました。出し物はいつもの「もち麦の試食販売」。結構な人出があり750g入りの袋詰めのもち麦の売れ行きは順調でした。都会の青空市に農家が直接売りに来るという物珍しさもあったのでしょうか?大きすぎるので店頭のお飾り用にと思い、ついでに持って行ったスイカも思いがけず販売でき、かなりの手ごたえを感じました。他の野菜農家もエダマメ、トマト、キュウリなどがよく売れていました。

 青空市の会場は雑司ヶ谷にある鬼子母神の参道で、この神様への参拝客などをメインターゲットにしています。ちょうど鬼子母神の境内で「手作り市」というイベントが開催されており、100を超す出店者が集まり大変なにぎわいでした。多分こちらのイベントの集客効果もあったのでしょう。昼を挟んで午後4時過ぎまでの開催時間内に、人の流れが続きました。
 鬼子母神の参道での野菜販売は行きかう人たちにはおおむね好意的に受け止めてもらえたようで、柏地方の野菜をアピールする良い機会になった気がします。これまで柏たなか農園の近くにあるつくばエクスプレスの柏たなか、柏の葉キャンパス、流山おおたかの森の各駅前で開催される青空市に何度か出店してきましたが、大消費地で開催されるイベントに参加するのは今回が初めて。柏たなか農園がめざす「都市の住民との結びつき」をさらに広げる機会になるかもしれません。

 普段柏地方のお店を見慣れている私にとっては、鬼子母神の参道や周りのお店は作りは派手でないのにとても個性的に見えました。昼食に入ったコーヒー店は、実は街の案内所のようなところで「コーヒー飲ませてくれるお店ありますか?」と聞いたところ「隣りにもあります」と言われて訪ねた店でした。言われるまでそこはただのしもた屋にしか見えませんでしたが、よく見ると店の前に小さい字でメニューが書かれた黒板が立ててありました。店の中は普通の家をリフォームしただけといった作りで、ゆっくりと落ち着いた時間を楽しめそうな空間になっています。
 この街には一見、目立たないながらも個性的なお店が他にもありそうです。柏地方にはなかなか見られないお店があるのはなぜなのか?一つ考えられるのは、車を乗り回す街ではないということ。私が入ったコーヒー店もそうですが、ゆっくり散歩しながら、途中でひと休みといった気分です。都会というとあわただしく、せせこましいといったイメージで見ていましたが、建物は密集していても意外に静かな空間があるのだと、認識を新たにしました。
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