「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ
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投稿日:2012年5月2日 2:52 pm
昨年11月に種まきしたモチ麦、急に伸びてきました。1ヵ月前にはまだ缶コーヒーと背比べをしていたのが、すでに背丈は又の下あたり。この1週間で穂も出そろいました。5月末には収穫できるはずです。昨年は収穫用の機械が途中で壊れ急きょ買い替えたのですが大幅遅れで収量は激減しました。反省すべき点がいろいろあり、今回は種まきから改善を加えています。
昨年は東京電力の原発事故による放射能汚染がモチ麦の販売にも大打撃でした。今年はどうなるのか心配ではありますが、きちんと計測したデータを積み上げ、このままいけばモチ麦1kgあたりどの程度の放射線量になるかを予測し、実際の収穫物の測定結果と突き合わせて確認できるようにするなど、安全性を判断してもらえる取り組みを進めています。結果は今月末の刈り取りによって判明します。
柏たなか農園にヤギくんが2頭やってきて早くも半月がすぎました。来てから3日目に柏市の南方約20kmの位置にある家畜のサポートセンターのような施設に連れてゆき去勢手術をしてきました。手術も含め、スタート時は大変でしたが、近所の子供たちの人気者になるなど、今では農園全体を明るく楽しくしてくれています。とはいえ、毎日の世話が欠かせないので、私自身の自由時間はほとんどなくなってしまいました。
紹介本にはヤギはどんな草でも食べると書いてありましたが、実際には優先順位があるらしく、ぜんぜん食べてくれない雑草もあり、太い茎の部分を残してしゃぶり尽くす草もあります。畑の春の雑草で一番嫌われているのが「菜の花」ですが、今まで観察した限りでは菜の花はヤギくんらの大好物。時々柏たなか農園の周りの耕作放棄地などに生えている菜の花を見つけてヤギくんらに食べさせてやっています。
いま柏たなか農園の最大の作物はモチ麦です。このモチ麦をヤギに食われたら大変なのでしんぱいしながらでしたが、先端の穂の部分を少しかじる程度で全体の収量を脅かすようなことにはならないようです。
投稿日:2012年4月13日 9:05 pm
子ヤギ2頭、今日つくば市から連れてきました。子ヤギは2頭とも雄で生後4ヵ月の食べざかり。ちょうど農園の雑草が作物より一足早く繁茂しはじめたところで、さっそく畑の雑草処理を始めてもらいました。雄なので扱いが大変そうだと想像していましたが、おとなしくしていました。見た目はとても優しそうで、人に危害を加えるようなことはなさそうです。おくびょうなのか、見知らぬ人が近付くと逃げてしまいます。早く柏たなか農園に慣れさせて、せっせと雑草処理に励んでもらおうと思っています。
2頭のヤギを小屋に入れると外に出たがるので、日中は外に出し杭にひもでつなぎ、自由に畑の雑草を食べさせていました。時々座ったりしながらおとなしく草を食べていたのですが、夕方小屋に入れたらとたんに2頭のオスが角突き合わせて“取っ組み合い”を始めました。人が見ている時だけ“猫を被っている”のかもしれません。
これから毎朝、ヤギを小屋から出し、夕方小屋に戻すのが日課になります。雨の日は雨の日でヤギを外に出せない代わりに小屋の中に干し草を用意しておき、食わせなければなりません。当分休みは取れそうもありません。
この日のために1ヵ月以上も前からヤギ小屋を建て、ようやく今週初めに完成しました。小屋の中はすのこを敷き、小便は床の下に流し、床下では波板で小便を受け水路に流すように設計しました。強風にあおられる南西側はベニヤ板で覆い、北東側だけ観音開きにして、縦の格子の明かりとりを付けました。小屋の外壁には4面すべてに明るく楽しい絵を描きました。周りが純農村の風景一色なので、市道を行く人たちにはカラフルなヤギ小屋がとても印象に見えると思います。ご協力くださった上田さんご夫妻、上田さんのお兄さんご夫妻、柏駅前の飲食店「SHIN」の皆さん、ありがとうございました。
投稿日:2012年4月2日 8:09 pm
4月に入りようやく首都圏各地から桜開花情報が出てきました。柏たなか農園の近辺でも枝先が色づき開花寸前です。このブログで何回か紹介した医王寺の桜の木が昨年、切り倒されてしまったのですが、それはそれでさびしいのですが、大きな木がなくなると周りの草花が急に目につくようになりました。柏たなか農園のすぐ裏の農家では離れの前に立つ大きな梅の木が写真のように咲いています。やはりのどかな日本の原風景といった趣です。しかし、こののどかな風景は一昨年までのものと同じではありません。
去年の今頃は東日本大震災の後始末やらで、桜の花をゆっくり眺める余裕がなかったような気がします。その後に来た東京電力の原発事故による放射能汚染が地域の風景を見る目を一変させてしまったのです。放射能汚染は首都圏各地を襲い、特に茨城県南と千葉県北西部がセシウムの飛散量が多い場所として注目されることになりました。地域の農業も大きな打撃を受けました。
半減期の長い放射性物質「セシウム」が農業にどのような影響をもたらすのか、はっきりしない中で、国の対策もいまだに整ってはいません。しかし、手をこまねいているわけにはいかないので、柏たなか農園でも関連情報を集め、出来る限りの対策を施してきました。基本は畑と農作物の放射線量を出来るだけ詳しく計測することです。その結果、放射線量が高い場所の土は取り除くことにしました。また、放射線量が高くない場所では、堆肥を入れる、よく耕すなどにより畑の土壌から農作物にセシウムが移行しにくくする、またセシウムが移行しやすい作物の栽培を避けるといった対策をとってきました。
畑での実習を通じて野菜作りを学ぶ「土の学校」については、会員の皆さんに線量計を貸し出し、各自で畑の放射線量を測ってもらうことにしました。また土壌に含まれる放射線量と収穫物の放射線量も簡易的ではありますが、測定し規制基準をクリアしているか確認することにしています。
農産物は食物として身体の中に取り込まれるので、放射性物質が含まれていればいわゆる「内部被ばく」の原因になります。とはいえ人の体には被ばくに対して防御機能が備わっており、これまで報告されている首都圏での放射線量では「被ばく→ガン発症」の確率は極めて低いともいわれています。ただ、発症のメカニズムや発症の確率などが解明されているわけではありません。自らの手でデータを集め、できるかぎり正確な情報をもとに、放射能問題に向き合っていこうと考えています。
投稿日:2012年3月23日 8:45 pm
先週から畑の一角に小屋を建てています。以前このブログで取り上げたヤギを飼うための小屋です。作業はいつも柏たなか農園の設備作りに協力してくれている上田さんご夫妻とそのお兄さんらに全面的にお願いしました。大きさは間口3m×奥行き2m弱の物置程度なので、ホームセンターで資材を購入すればすぐできると思っていたのですが、意外に大変です。小屋の中が糞尿まみれにならないように床にすのこを並べたり、かなりの強風にも耐えられるように土台から頑丈に作るなどいろいろな要件を満たそうとすると簡単にはできません。3月中に完成するかどうか微妙になってきました。出来上がったらヤギを迎えに行ってきます。
明日から2012年度「土の学校」がスタートします。講習会場に使うビニールハウスの中に置いてある農業資材や備品などの片づけ、実習用の畑への堆肥の投入、区画の整備などやって何とか開講準備も一段落。畑には実習用の区画の四隅に立てたスチールの杭と、両端に立てた少し高い支柱が見えるだけですが、明日から畝を立て、野菜の種をまき、苗を植え付けて1ヵ月そこそこで20種類くらいの野菜が姿を現すでしょう。
去年までは3月前半には講習会を始めていたのですが、今年は体験農園としてはかなり遅いスタートにしました。毎年、3月は強風と砂ぼこり、時折強い雨に見舞われるなど散々な目にあってきたので、出来るだけ悪天候を避けたいと考え、わざと遅くしてみたのです。ところが何と今年は春一番といえるような強い風もなくスタートから読み違えました。とはいえ、3月に入っても例年より寒い日が多く、せっかく早く種まきしても発芽が遅れるなどの影響が出そうです。開講日を少し遅らせたのは正解だったかもしれません。
投稿日:2012年3月7日 11:21 pm
2012年度「土の学校」は3月25・26日にスタートします。開講に向けて準備も本格化してきました。6日は柏駅の近くの飲食店「SHIN」の若い皆さんに野菜の種まき、発酵肥料の切り返しなどを手伝ってもらいました。
発酵肥料は中心の温度が40度を切るくらいに下がってきたので、後は温度を下げながら水分を減らしてゆきます。とはいえ、どこまでやれば発酵肥料が完成となるのか、判断がつかず毎年適当なところで切り上げています。
種まきはキャベツとブロッコリー、それにスイカもポットに播きました。教室用のビニールハウスの中に置きましたが、まだ気温の低い日もあるでしょうから、なかなか発芽してくれないかもしれません。それでもとにかく種を播かないことには始まりません。というわけでしばらく種まきが続きます。
ところで、写真の皆さんの服装見てくださいましたか?全員つなぎ服! 格好良かったです。農作業衣というと汚れても良い服装ということで、暗くて見栄えのしない服をイメージする人もいるかもしれませんが、最近の特に若い世代は見た目も格好の良い服を身につけているような気がします。案外こんなところが日本の農業を元気にする一つの要素になるのかもしれません。