「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ
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投稿日:2011年12月2日 5:55 pm
「アグリ・イノベーション」という農業関係のイベントがきょう12月2日まで千葉の幕張メッセで開催されました。農業生産者など製品、サービスの供給者向けのイベントということなので、行ってきました。普段とは違って今回目立つのは原発事故による放射能汚染が心配される中で、放射能測定器など放射能関連の展示でした。
空中線量の測定器の他に作物の放射線量の測定装置も15万円台という格安のものが紹介され、さらにこの装置を使って土壌から放射される線量を測り農場ごとの安全宣言を出すための具体的な手順なども紹介されていました。それでも、土壌の放射線量とそこで採れる作物に吸収される量との関係など、消費者にきちんと説明し納得してもらうのは大変そうです。
もう一つこのイベントで私が注目したのは、IT技術を活用した農産物の栽培管理を改善するなどの取り組みです。温度や土壌中の水分量、栄養状態など作物の生育条件を測定し、測定データをパソコンで処理して実際の農作業に活用するシステムや、このようなシステムを安く構築し、ハウス栽培で実用化している例が紹介されました。農業の競争力強化ということがいわれていますが、そのためには少なくとも農作業のIT化、システム化に向けて1歩でも2歩でも踏み出すことが必要でしょう。柏たなか農園でも50Wのソーラーパネルを使った独立電源の利用システムを設置しました。これからデータの収集、活用のためのシステム構築をめざします。
体験農園では各区画ごとに3つ植えたカリフラワーのうち普通のカリフラワー2つはもう収穫期を過ぎ、ウワバが食いつき、ヨトウムシも入り込んでいます。少し遅れて最後の1つ、「スパイラル」という品種が姿を現しました。この品種は大きさが8~10cm程度、色が薄緑色の円錐形になっています。小さな角のような突起が頂点かららせん状に巻くように並んで幾何学模様を形作り、とても神秘的に見えます。
味は甘味がありおいしいそうです。スパイラルもすでに収穫期で、採り遅れるとウワバやヨトウムシに食われるのが心配です。
投稿日:2011年11月26日 10:47 pm
ここ1週間で畑の姿が一変しました。緑に黄色が混ざったようなサツマイモの畑は一晩で葉が黒く変色してしまいました。霜が降りたので敏感に反応したのです。イモの畝は一部、掘り残しになっています。早く掘りださないと土の中でダメになてしまいそうです。
夏から秋にかけてたくさんの実をつけたナス科の作物も今シーズンはほぼ終了です。土の学校では2週間前の講習会でナス、ピーマン、万願寺トウガラシを処分することにしていたのですが、かなりの会員が抜かずに残していました。実がついており、すぐ抜くのはもったいない気がしました。しかし、霜が降りてからは、残しておいてももはや成果は期待できません。
一方、同じナス科でもジャガイモは葉が青々としたまま、いつ収穫期になるのか気をもませていました。そのジャガイモもここにきてようやく葉が黄色くなり始めています。掘ってみると結構大きなイモができています。
畑の景色も変わりました。市道わきの麦畑は午前中、林の陰になり霜がなかなか溶けません。畑から望む夕暮れ時の筑波山はとても幻想的です。畑からは見えませんが、柏市内のビューポイントからは朝夕、富士山がよく見えるようになりました。
投稿日:2011年11月18日 6:46 pm
モチ麦、ポピーの種まきに向けて準備を急いでいます。9月初めまで一面つるに覆われていたスイカ畑でしたが、収穫した後は雑草が日に日に繁茂するのを見て見ぬふりをして放置していました。雑草の丈が伸びれば伸びるだけ後の草刈りが大変になります。その上、丈の長い雑草を刈り取った後は枯れ草となって、トラクターで畑を耕運しようとするとロータリーに絡まって作業の邪魔をします。分かっていながら、追いつめられるまで動き出すことができずずるずると時間が過ぎてしまいました。
10月下旬から雑草の刈り取りを始め、刈った雑草は堆肥にするつもりで畑の端に積み上げました。こうして雑草の処理が11月初めまでかかってしまい、気がつくと麦の種まきの時期が過ぎようとしています。雑草は短いうちに処理しないと大変ということを再確認しました。
体験農園の隣りで8月末から咲いていたコスモスはすっかり色あせ、くすんだ色の茎と葉だけが壁のように立っています。全長100mにもなるお花畑に赤、紫、ピンクなどの大輪のコスモスが咲き誇り、秋の畑に鮮やかな色を添えてくれていたのですが、その姿はもう見えません。そろそろ来春、花を咲かせるポピーやヤグルマソウなどに場所を譲るタイミングです。
花が終わりかけているコスモスを根元から刈り倒して畑の外に搬出します。その後、少し肥料を撒いてからポピーなどの種をまきます。
体験農園の畑は楽しみにしていたラッカセイがもう少しで収穫というところで食い荒らされてしまいました。“犯人”はどうやらカラスのようです。夏はトウモロコシがもうすぐ収穫というところでやられましたが、秋はラッカセイが犠牲になりました。なんとも悔しく、残念です。カラス、何とかしなければなりません。来年の重要課題です。
投稿日:2011年10月31日 10:36 pm
先週末は収穫祭を開催しました。去年の収穫祭は台風で延期でしたが今年は晴天。メインの料理は去年と同じイモ煮、それに焼き芋、バーベキュー、サラダなどおなじみのメニューです。実行委員を引き受けて下さった白石さん、小島さん、冨澤さん、落合さん、古川さん、篠田さん、農工大グループの皆さん、そして当日協力して下さった皆さん、ありがとうございました。
今回は食事の前に落合さんが「有機栽培、自然栽培」についてレクチャーをしました。柏たなか農園の一部で2年前から取り組んできた体験をもとに、ソーラー発電やIT技術も活用して環境に優しい野菜作りを目指すという壮大な構想を披露してくれました。
ソーラー発電の利用システムの紹介もしました。秋葉原でソーラーパネルと電気の出し入れを制御するコントローラー、直流から交流に電気を転換するインバータをセットにして二万数千円で売っていたので購入し、この日組み立ての実演をしてみせたのです。柏たなか農園には電力線を引きこんでいないので、独立した電源がほしいと思い導入したのですが、今春の地震で実際に起きたように、一般の家庭でも電力の供給が長期間断たれた時にどうするか考えておかなければならないでしょう。今回は発電量が50Wという小電力でしたが、これでパソコンの起動、携帯電話の充電、ラジオなどには十分な電力です。東京電力が供給ストップしてもとりあえず情報系だけは確保できるわけで、災害への備えとしては優先度が高いと思われます。携帯電話といっしょに充電器を持ち歩いていれば、柏たなか農園の畑に来た時に携帯電話の充電も可能です。
畑はすっかり秋の色を深めています。秋冬野菜が次々と収穫期を迎える一方で、8月末に咲き始めたコスモスは最盛期を過ぎ、開く花よりしぼむ花の方が多くなりました。明日からは11月=霜月です。
投稿日:2011年10月27日 11:34 am
土の学校の収穫祭、明後日に迫ってきました。メインの料理はイモ煮です。ブロックを積み上げてかまどを作り、火をおこしてその上でイモ煮の鍋を煮立てます。主役のイモ=サトイモですが、今年もできが良くないので隣りの程田さんのサトイモを使わせていただくことにしました。(写真は去年の収穫祭の時のもの)
焼き芋もやります。もみ殻クン炭を作るためにもみ殻をいぶします。その時、もみ殻の中にサツマイモを入れておくとクン炭と同時に焼き芋ができてきます。独特のホクホク感で去年も評判でした。そのほか、畑の野菜を使ったサラダやバーベキューも予定しています。出来ることならすべて自給したいのですが、畑の野菜が収穫できるまで育ってくれているでしょうか?足りない分は地元の直売所「かしわで」などで調達してきます。
体験農園の野菜を見てみると、カブは大きいもので直径7-8cmを超えています。順次収穫できるでしょう。ミニキャベツはほぼ収穫段階です。今回「みさき」という頭のとんがった品種のキャベツを作ってみましたが、こちらも収穫段階に来ており、中には成長し過ぎて結球したキャベツに縦に割れが入っているものもあります。今回、キャベツの3分の1くらいは1株に複数の小さなキャベツが結球してしまっています。生育初期に高温などで最初の芽がやられた、2番手以下の芽が育ってしまったようです。
ブロッコリーは今回、真ん中の大きい実(「花蕾」という)を収穫するノーマルなタイプではなく、茎ごと収穫する茎ブロッコリー「スティックセニョール」と、周辺に出来る多数の花蕾を収穫する「グリーンコーラル」の2つの品種を栽培しています。真ん中の花蕾が大きくならないうちに切り取り、栄養が周辺の花蕾に行くように仕向けるのですが、収穫までもう少し時間がかかりそうです。
ダイコンは葉が大きくなり畝をすっかり覆い尽くしていますが根の部分は直径3-4cmともう少し太らせたいところです。ハクサイは結球し始めていますが収穫までまだ半月から1ヵ月くらいはかかりそうです。ダイコン、ハクサイのいずれも畝の端に肥料を足して土寄せしておくと成長が促進されます。
いずれもアブラナ科の作物で、チョウやガの仲間が次々と襲ってきます。植付け直後に農薬を散布したのですが、一部に農薬の撒き方が足りなかったのか、相当食われている作物もあります。特にキャベツ、ハクサイといった結球するタイプの野菜はピンセットでつまみ出すこともできず、もはや打つ手はありません。作物ごとに適切なタイミングで必要な分量の農薬を使うことも大切なことです。