「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2013年7月15日 11:23 pm


 東京の雑司ヶ谷というところで毎月開かれているという青空市に、柏地方の野菜農家といっしょに出店してみました。出し物はいつもの「もち麦の試食販売」。結構な人出があり750g入りの袋詰めのもち麦の売れ行きは順調でした。都会の青空市に農家が直接売りに来るという物珍しさもあったのでしょうか?大きすぎるので店頭のお飾り用にと思い、ついでに持って行ったスイカも思いがけず販売でき、かなりの手ごたえを感じました。他の野菜農家もエダマメ、トマト、キュウリなどがよく売れていました。

 青空市の会場は雑司ヶ谷にある鬼子母神の参道で、この神様への参拝客などをメインターゲットにしています。ちょうど鬼子母神の境内で「手作り市」というイベントが開催されており、100を超す出店者が集まり大変なにぎわいでした。多分こちらのイベントの集客効果もあったのでしょう。昼を挟んで午後4時過ぎまでの開催時間内に、人の流れが続きました。
 鬼子母神の参道での野菜販売は行きかう人たちにはおおむね好意的に受け止めてもらえたようで、柏地方の野菜をアピールする良い機会になった気がします。これまで柏たなか農園の近くにあるつくばエクスプレスの柏たなか、柏の葉キャンパス、流山おおたかの森の各駅前で開催される青空市に何度か出店してきましたが、大消費地で開催されるイベントに参加するのは今回が初めて。柏たなか農園がめざす「都市の住民との結びつき」をさらに広げる機会になるかもしれません。

 普段柏地方のお店を見慣れている私にとっては、鬼子母神の参道や周りのお店は作りは派手でないのにとても個性的に見えました。昼食に入ったコーヒー店は、実は街の案内所のようなところで「コーヒー飲ませてくれるお店ありますか?」と聞いたところ「隣りにもあります」と言われて訪ねた店でした。言われるまでそこはただのしもた屋にしか見えませんでしたが、よく見ると店の前に小さい字でメニューが書かれた黒板が立ててありました。店の中は普通の家をリフォームしただけといった作りで、ゆっくりと落ち着いた時間を楽しめそうな空間になっています。
 この街には一見、目立たないながらも個性的なお店が他にもありそうです。柏地方にはなかなか見られないお店があるのはなぜなのか?一つ考えられるのは、車を乗り回す街ではないということ。私が入ったコーヒー店もそうですが、ゆっくり散歩しながら、途中でひと休みといった気分です。都会というとあわただしく、せせこましいといったイメージで見ていましたが、建物は密集していても意外に静かな空間があるのだと、認識を新たにしました。
カテゴリー: 出荷情報 お楽しみ

投稿日:2013年6月23日 9:56 pm


 今日は土の学校でスイカ植付け講座を開催しました。あらかじめ元肥を入れた畝に20mずつビニールマルチを張り、2mおきに植え穴を開け、ポットで育てたスイカを植え付けていきます。トラクターで耕すなどの下準備はしたのですが、それでも長ーい畝にビニールを張る作業は大変です。苗を植付け、最後に麦刈り跡の麦ワラを畝のわきにびっしりと敷き詰めて本日の実習を終了しました。梅雨時のはっきりしない空模様の下、雨に降られなかったのが何よりでした。

 これまで柏たなか農園のスイカは麦刈りの後に苗を植え付けていました。ところが、今年は5月半ばに第1期の植付けをしました。スイカの需要期は暑い盛りです。7月の後半には販売できるようにしたいところです。となると麦刈りの後では遅すぎるのです。というわけで5月に植え付けたのですが、そのかわり第1期のスイカは麦ワラなしでした。麦刈りの後に急きょ麦ワラを敷きましたが、すでにかなり成長してしまったのでどれほど効果があるかは分かりません。第1期のスイカはすでに実も肥大し始め、大きいもので運動靴くらいの大きさになりました。早くも実の表面にくちばしでつついた跡、爪でひっかいた傷跡がついています。カラスや動物たちが狙っているのです。防護策としてあわてて袋状のネットをかけました。

 いま、実を着け始めたスイカは7月後半に収穫期になります。あちこちで夏祭りが開かれるタイミングに何とか間に合わせようとしています。今回、麦刈り跡に植えたスイカはさらに1ヵ月後の8月後半から9月にかけて収穫します。これまでは10月初めくらいまでは暑い日が続いたのでスイカも何とか売れました。暑い日が続けばスイカも甘くなります。今年の暑さはいつまで続くでしょうか?スイカ生産者としては暑さは歓迎です。お天気頼みのようなことばかり書いていますが、スイカの当たり外れはお天気次第のところがあります。

投稿日:2013年5月20日 10:24 pm


 土の学校の自由参加科目として昨日、サツマイモの植え付け講座を開催しました。サツマイモは広い面積を必要とするので、1区画約30㎡の体験農園では取り上げにくい作物です。そこで、別に用意したサツマイモ畑で実習することにしました。

 まず畑に畝を立て、ビニールマルチで畝を覆い、マルチにスリットを入れて苗を植え付けます。これを畝立てから始めたのでは、1本40mの畝ですからこれだけで1日終わってしまいそうです。そこで予め耕運機を使って畝立てをしておき、畝をビニールマルチで覆う作業から始めました。

 40mの畝のマルチ掛けをを一気にやるのは大変なので10mずつに分け、何人かで分担しながら作業を進めました。クワを使ってマルチの裾の部分に土をのせ、土の重みでマルチが風にとばされないようにします。そのためにはマルチの裾にしっかりと土をのせなければならず、クワの使い方に慣れていないと大変です。参加者の中には力任せにクワを振っていた人もいて、翌日から筋肉痛に悩まされないかと心配でした。最後にマルチの上の植え溝にサツマイモの苗を斜めに挿すように植え付けて終了です。
 今年はサツマイモを40mの畝10本分、植え付ける計画で、昨日の講習会ではこのうちの1本の畝に苗を植え付けました。「他の畝もお願いしたいのですが、希望者いますか?」と聞きましたが「やります」と答えてくれた人はいませんでした。6月にはスイカとカボチャの植え付けをします。もっと広い畑なので作業はさらに大変そうです。何人がついてきてくれるか楽しみです。

カテゴリー: 土の学校 お楽しみ

投稿日:2013年4月29日 6:34 pm

2013年度土の学校の春の集いを昨日、開催しました。今年は「柏サラダ」なるものにトライしてみようというわけで、柏市のホームページを検索して気に入った3種類のレシピを取り上げました。カブとネギのシャキシャキサラダ、ホウレンソウのピリ辛、ホウレンソウとカブを使ったご当地トマト鍋。いつものバーベキューと焼きそばも食べました。柏たなか農園の自然環境の中で食べる料理の味は格別でした。

 シャキシャキサラダはカブとネギを細かく切って氷水に入れてしゃきっとさせるのがポイントだそうです。油揚げはバーベキューの鉄板でこんがり焼いて、ポン酢とゆずコショウを合わせ、カブの葉をトッピング。ホウレンソウのピリ辛はシメジといっしょにゆでたホウレンソウにワサビしょう油をあえただけ。いずれもとっても簡単なのにとてもいい味。トマト鍋は水を入れ過ぎてしまい、できばえはいま一つでした。いつか再挑戦したいです。

 土の学校では野菜の栽培のし方を勉強しますが、収穫した野菜の調理という後工程も大事です。春の集いで「柏サラダ」を取り上げてみて、簡単な調理でもとてもおいしい野菜料理ができることを確認することができました。

 「柏サラダ」というのは、全国のトップクラスの生産量を誇る柏のカブ、ネギ、ホウレンソウを使ったサラダのこと。この3つの野菜を使ったサラダを公募したところ全国から47の提案があり、その中から市民賞が選ばれました。

 柏サラダのレシピを印刷したカードがつくばエクスプレス(TX)柏の葉キャンパス駅前のUDCKなどに置いてあり、誰でも入手できるようになっています。柏サラダを一つのきっかけに、全国的にも有力な野菜産地である柏の野菜をもっとアピールしたいです。

 

投稿日:2013年4月13日 11:16 pm


オスのヤギが2頭、柏たなか農園に来てから今日で丸1年になりました。生まれたのは2011年12月なので1歳を過ぎた盛んな時期です。名前は黄色の首輪をしているのが「キイロくん」、青い首輪(首輪が切れてしまったので今は赤いのを着けています)は「アオくん」とつけました。でもヤギたちはいまだに覚えようとしません。人がつけた名前などヤギたちは関心がないのでしょう。彼らの関心事はもっぱら食い物の草。おいしい草を目の前にして2頭のヤギが文字通り「角突き合わせて」ケンカをします。

ヤギを飼い始めたそもそもの目的は畑の雑草をきれいに食べてもらうことでした。実際には好きな草を選び取って、嫌いな草は見向きもしません。このためなかなか芝生のようにきれいにはなりません。必ずしも当初目的にはそぐわなかったかもしれませんが、時々近所の子供らが農園に遊びに来てくれたり、農園の近くでイベントがある時など連れて行くとすっかり人気者になってくれたりと、別の意味で貢献してくれています。

そんなこんなでこの1年はヤギの世話に明け暮れたといってもよいでしょう。生き物ですから1日たりとも世話をしないということはできません。毎日の農作業はヤギを小屋から出すところから始まります。小屋から出したヤギが最初にすることは1晩ためた小便を出すこと。ヤギの小便は結構長く、3分くらいは普通です。小屋から出したヤギを草の多そうな場所に連れて行き、草を食わせます。ヤギを外に出している間にヤギ小屋のお掃除です。晴れた日は外に出しっぱなしでも良いのですが、雨模様の時は雨が止むのを待って外に出すようにしています。降ったりやんだりの日は空模様が変わるたびにヤギを小屋から出したり入れたりと振り回されます。
1月の大雪の日も、先週の大風の吹いた日も、ヤギの世話は続けなければなりません。ヤギの世話をするようになってからほとんど休めなくなりました。どうしてもという時にはボランティアで来てくれている岡本さんに頼んだりしていますが、ひんぱんにというわけにはいきません。柏たなか農園を始めた時は好きな時間に畑に来て好きなように農作業をして、適当に休むことができると思っていました。それが一転、ヤギが来てからというもの、ほとんど休めなくなりました。「休めない生活」はいつまで続くのでしょう?
今日、たまたまラジオから流れてくるおしゃべりに耳を傾けていました。沖縄では山羊の睾丸の料理があり、番組の出演者の一人がそれを食べた経験を語っていました。柏たなか農園のヤギは満1歳を過ぎ、盛んな時期なので料理して食べたらおいしいかもしれないなどと一瞬思ってしまいました。ヤギを食べてしまえば「休めない生活」にピリオドを打てるわけです。自分で飼っている動物は口にする気になれないという人もいますが、もしもそういう事態になったら私はどうするでしょう?
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