「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2016年5月26日 5:54 pm

柏たなか農園の主力作物・もち麦の刈り取りがこの2日間で終わってしまいました。例年5月末か6月初めでしたが今年は生育が良く、月末まで待っていたらほとんど倒伏してしまいそうなので刈り取りを早めなければならなくなったのです。






麦の収穫に使う機械(コンバインというのですが)は昨年まで使っていた水色の機械が壊れてしまい、修理に出していたのですが型式が古く補修に必要な部品が入手できないため修理不能となってしまいました。ダメだとわかったのが4月後半で急きょ中古のコンバインを探しました。ネットオークションで外側赤い色のコンバインを見つけて配送してもらったのが22日。機械の機能など詳しく調べる余裕もなく25日の麦刈り本番に突入してしまいました。

中古の機械ですからまともに動かないこともあります。もし本番で動かなくなったらどうしようかと不安でした。収穫できなければもち麦は倒れてしまい、少し時間が経つと全滅してしまいます。25日の本番で動かした結果、とにかく刈り取りだけはできました。ですが、収穫した麦の粒を収納してあるタンクから外部に吐き出すところに大きな欠陥がありました。吐き出し口の底の部分がしっかり止められていないため麦粒を吐き出す際に一部が底から漏れてしまうのです。もれ出てしまう麦粒の量も半端でありません。たらいのような大きな容器を受け皿にして少しでも回収しようとしたのですが、かなりの損失になってしまいました。26日も引き続き赤い色のコンバインを動かし、とにかく柏たなか農園で栽培しているもち麦を全量収穫しました。農園の畑は一昨日までもち麦の穂の紫色に染まっていましたが、今は刈り取り跡の黄色い麦ワラが敷き詰められています。




この後、近くの未来農場に委託して栽培してもらっているもち麦も刈り取りをしてもらいます。こちらも例年より大幅に前倒しで作業をお願いしています。

収穫の後、麦粒を乾燥しゴミを取り除くなどして袋詰めしてようやく製品の形になります。後工程の準備はこれからです。これからしばらくもち麦関連の作業に追われます。

投稿日:2016年5月15日 7:10 pm





農園の麦畑は4月下旬から紫色に色づき始め5月に入ると見る見る間に畑全体が紫色に変わってきました。今年のもち麦は成長速度が例年より早い気がします。柏たなか農園のすぐ近くで委託でもち麦を生産してもらっている「未来農場」のもち麦畑も、もち麦の紫色にきれいに染まっています。収穫はいつもは5月末から6月初め、梅雨の来る直前にしていたのですが、このまま行くと少し繰り上がりそうです。




収穫のタイミングを計るにはいくつかの指標があります。もち麦の畑全体が紫色に変わり、さらに穂先が少し首をかしげるように曲がってくること、そして水分量が30%を大きく下回り25%近くまで低下することです。このタイミングを過ぎると倒伏といってもち麦が地面に倒れ込んでしまい、倒れた穂を起こしながらの刈り取り作業は品質の低下を招きます。さらに梅雨に入ると収穫用の機械を動かすことも難しくなります。





現在、穂の色はすっかり紫色に変わりましたが、首をかしげるまでは行っていません。サンプルとして穂を切り取って調べても30%を切るのはまだ一部にとどまり、全体としては30%を大きく下回るまでには行ってません。これから毎日、天気予報と畑の麦の穂を見比べながら収穫のタイミングを図ります。




カテゴリー: 生育情報 柏たなか もち麦

投稿日:2016年4月19日 11:52 am



 わずか3週間足らずで柏たなか農園の主力作物・もち麦の在庫がなくなってしまいました。3月末、テレビの全国放送でこってり、もち麦ごはんを紹介していただいたからです。柏市内でもち麦を置いてもらっているすべてのお店で通常の4-5倍も売れてしまいました。他県のもち麦生産農家に聞いてもどこも在庫が払底しているといいます。テレビの影響の大きさには本当に驚かされました。




テレビ番組ではもち麦ごはんを食べていると肥満を防ぎ肌荒れ、花粉症などを軽減できることを面白おかしく紹介してくれたらしいです。(私はふだんテレビはほとんど見ないので、今回の番組も見た人から内容を聞いただけですが…) メタボ対策にとても効果があることは関係者の間ではよく知られており、柏市や周辺の青空市に出店した時などにPRしてきたことで、柏たなか農園でもチラシを配布したりしてきました。こうした地道な活動で知名度は少しずつ上がり固定ファンもついてきたと感じていたのですが、テレビの反応を見るとまだまだ浸透していなかったと改めて感じております。というわけで2015年産のもち麦の在庫はなくなりました。




2016年産はすでに穂が出そろいこれから麦粒の中に養分をため込む段階です。まだ麦の穂があおあおとしています。5月に入ると麦の穂が紫色に色づき一面のもち麦畑は幻想的な景色へと変わって行きます。すっかり色づいたところで5月末に収穫します。収穫したもち麦は乾燥させ、ゴミを取り除いて袋詰め、出荷は6月後半からになります。それまでしばらくお待ちください。



カテゴリー: 生育情報 出荷情報 もち麦

投稿日:2016年3月23日 11:12 pm



 柏たなか農園の主力作物もち麦は3月初めに缶コーヒー1本ほどの背丈が月末には4本分にもなります。毎日見ていても成長が分かるほどの急成長です。この時期のもち麦はとても貪欲で、根からも葉からも茎からも穂からさえも、栄養になりそうなものは何でも摂りこんでしまいます。5年前の3月、まさに伸び盛りのもち麦に悲劇が襲いました。原発事故による放射能の飛散です。2011年3月21日、東京電力福島原発で大量に発生していた放射性物質が雨雲に乗って東京方面に向かって南下し首都圏に大量の放射能を含む雨を降らせたのです。千葉県柏地方は特に影響の大きかった地域で、柏たなか農園のもち麦も大量の放射能を摂りこんでしまいました。



 もち麦の刈り取り時期は5月末、6月からは新麦販売を始めます。2011年も6月から販売していたのですが、しばらくたって検査結果が出ました。その結果もち麦からも基準値に近い放射能が検出され出荷自粛、つまりもち麦の在庫をすべて廃棄しなければならなくなりました。影響はもち麦にとどまりません。放射能の雨による被害は他の農産物にも及び、大量の野菜が廃棄されました。
 その後、放射能の数値は下がり、農産物に含まれる放射能の検査結果が「検出せず」に変わって行きました。農産物の廃棄は大きな損失でしたが、それより大きな問題は3月の雨による農産物の汚染という一時的な被害だけでなく、その後長く「風評被害」が続き、地域社会にまで打撃を与えたことでした。
 2011年3月の雨から月日が経ち柏産の農産物から人の体に悪い影響を及ぼすレベルの放射能はほとんど検出されなくなったにもかかわらず、柏の農産物が敬遠される傾向は続きました。農家にとってもちろん大打撃ですが、それだけでなく家庭菜園で採れた野菜を近所の親しい人に分けることも控えるということさえ起きていました。放射能汚染は人と人のつながりにも暗い影を落としていったのです。住み慣れた地域を捨てて転居していった人もいました。
 このままでは食べられる農産物も食べられなくなり、住める場所にも住めなくなってしまいます。その先にあるのは地域の崩壊です。ではどうしたら良いのか?ある人は「もの言えば唇寒し。農産物の検査データなど公表しなければよかった」といいました。別の人は「風評被害を番組や記事で流すマスコミを訴えて謝罪させるべきだ」と息まいていました。柏地方に住む人々にとって腹立たしく、残念な状況でした。どうすれば打開できるのか、この時こそ柏地方の人々の知性が試されていたのだと思います。



 2011年夏ごろから一つの市民活動が始まりました。「安全・安心の柏産柏消」円卓会議という集まりです。農産物の放射能検査の結果が「安全」とされても消費者にとっての「安心」にはつながらないという状況の中で、農家と消費者が専門家を交えて直接対話の場を設け、打開の道を探って行こうという試みでした。円卓会議の中では参加者が測定データという現実に向き合い、この地域で生きて行くために「どこかで折り合いをつけることが必要」ということを理解し、現実的な解を提示するところまで行きつくことができました。(活動の詳細は『みんなで決めた「安心」のかたち』という本に詳しく載っています)この活動は原発事故という危機的な状況に被害地域はどう立ち向かうべきかという課題への一つの現実的な解であり、国際的にも高く評価されているそうです。
 もっとも、柏地方の放射能汚染は2011年3月の雨だけの一過性でしたが、原発事故周辺地域ではいまだ「安心」と言えるレベルにはほど遠く、折り合いをつけると言っても容易ではないはずです。いまなお炉心溶融を起こした原子炉内でどのような核反応が進んでいるのか、あるいは止まっているのかも確認できない状況の中で政府だけが「アンダーコントロール」と強がりを言い続けるのは却って不信感を募らすばかりのような気がします。
 円卓会議のことは以前このブログ欄でも紹介したのですが、そういう私はこの時、畑の放射線量を測ってもらい基準値を超える畑の土を取り除く作業をやってもらうだけで、自分から積極的に動き出すことはできませんでした。今になって円卓会議に集まった人たちが示してくれた柏地方の知性の高さに敬意を表するばかりです。

投稿日:2016年2月27日 9:58 pm

 2016年度土の学校開講まであと1週間、実習畑の区画作りなど準備追い込みです。前年度に実習用に使った畑に堆肥を入れもう一度耕し直してから新年度の受講者のための区画を作ります。



 前年度の実習畑に堆肥を入れてトラクターを走らせただけの平坦な畑に区画の位置決めをします。まず3辺が111.4になるように長いひもを使って大きな直角3角形の定規のようなものを作ります。この巨大3角定規を使って畑の中のタテヨコの方向決めます、そしてタテ9.1m、ヨコ3.5mの長方形の区画をできるだけタテヨコがうまく並ぶように配置します。区画の4隅にスチールの杭を立てて区画の境の目印にします。杭を立てるだけなら簡単なのですが、もう少し踏み込んだ作業をします。第1回講習会の作業にかかる負担を軽減するためのです。

 3月の第1回講習会では長さ2.9mの畝を7本立てる作業をしてもらいます。畝を立てるというのは畝と畝の間=畝間の土を畝に移動させるという作業です。畝と畝間の面積は同じくらいですから区画のほぼ半分の面積の土を残り半分に移動させるのと同じです。かなりの重労働になってしまいます。そこであらかじめ畝間にあたる場所に耕うん機で溝を掘っておきます。溝を掘った分だけ高低差ができているので畝立て作業はその分だけ負担軽減になります。



溝掘りに使うのは手押しの耕うん機です。馬力はあるのですが、何といっても重くて操作が大変。真ん中の車輪から後ろの部分に比べて前の部分が異常に重く、普通に走行しながら耕うんする時でも手元のハンドルを常に下の方に押さえておかなければハンドルごと跳ね上がってしまいます。方向転換などの操作は耕うん機の跳ね上がりを抑えながら左右に回転するための操作をしなければならず、大変な力仕事になります。




 1区画あたり7本の畝を立てるので畝たてのための溝掘りは1区画につき8本。区画と区画の間、実習畑全体の外縁にも溝を掘るので全体では300を超える溝を掘ることになります。1日では到底終わりません。重くて暴れ馬のような耕うん機を数時間動かすと腕も腰も背中も痛くなります。開講準備で最大の難所を乗り越えて来週末には2016年度土の学校がスタートです。

カテゴリー: 土の学校 農業資材
« < 2 - 3 - 4 - 5 - 6 > »