「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2015年1月26日 10:46 am



 千葉県柏市で採れたハクサイなど地元野菜を使ってキムチ漬けを作って食べようと言う「柏キムチ講習会」を25日に柏たなか農園のすぐ近くの集会所「船戸会館」で開催しました。韓国キムチから抽出した「HS-1」という発酵バクテリアを増殖させてハクサイ漬けを作り、そこに具材を混ぜて熟成させるという独特の方法でキムチ漬けを作ります。初めからハクサイも具材もいっしょに漬け込む従来の漬け方に比べて、HS-1の増殖を先行させるので、途中で雑菌に負けて腐敗してしまうという失敗が少ないと考えられます。


 キムチ漬けに使う野菜は10種類にも上ります。ベースになるハクサイの他に混ぜこむ具材としてダイコン、ニンジン、長ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、それにキムチトウガラシ。このうちハクサイ、ダイコン、ニンジン、長ネギは柏市の南部で多種類の野菜を栽培している小川翔平さんの作物を使わせていただきました。今回は柏市が全国一の生産量といわれるカブも使ってみました。


 ハクサイを漬け込んだ後、その他の野菜は別々に前処理をします。ダイコンとニンジンは千切りにして塩、砂糖を振りかけてから揉んで軟らかくします。キムチトウガラシは沸騰させただし汁に入れてトウガラシの強さを引き出します。ニンニク、ショウガはすりおろし、長ネギ、ニラは細切り、タマネギ、カブは薄くスライスしておきます。最後に全体を混ぜ込み容器に入れて中の空気を抜き、熟成を待ちます。熟成には1、2週間かかりますから漬け込んだ当日いただくは無理です。参加した皆さんにはプラスチック容器に入れたキムチ漬けをお持ち帰りいただき、ご自宅で熟成してもらうことにしました。


 その後は予め漬け込んでおいたキムチ漬けを使ってキムチ鍋を作り、みんなでいただきました。キムチ鍋は身体の芯から温まり、この時期最高のごちそうです。最後にキムチを作るのに必要なHS-1の粉末と小川さんが作ったハクサイをお土産に、自宅でのキムチづくりを宿題にしました。
 今回は農園の近くの船戸会館を会場にしましたが、2月14日にはJR柏駅前のアミュゼ柏でも同じ内容のキムチ漬け講習会を開催します。今からでも間に合いますのでご関心ある方は柏たなか農園までお申込みください。メール:mochi47mugi@gmail.com 、FAX:050-1385-5303 です。

投稿日:2015年1月22日 3:35 pm

 千葉県の隣りの埼玉県で大麦食品の「大試食会」が21日、大宮駅前の市民ホールで開催され、柏たなか農園も主力のもち麦をアピールしてきました。メタボ対策に効果があることなどから世界的に注目度が急上昇の大麦ですが、首都圏の一般家庭レベルではまだまだ浸透していません。そこで、大麦先進県といわれる埼玉県の中心地・大宮で試食会が企画されたのです。


 イベントの名称は「大麦の魅力発見!市民大試食会」、主催者は埼玉大麦食品普及・食のモデル地域実行協議会と埼玉大学産学官連携協議会大麦研究会という難しそうな名前の団体です。何やら農林水産省の地域農産物振興策の一環のようです。午後2時から始まった試食会ですが、初めの2時間は大学の先生らによる講演などで4時過ぎにやっと試食ができるという時間割で、ちょっと待ち遠しかったです。

 講演は大妻女子大学の青江誠一郎教授の「大麦の健康機能性について」。青江先生は最近テレビなどで大麦が取り上げられると必ずといってよいほど登場する、「健康食品・大麦」のいわば“広告塔”的な存在です。講演では栄養学的にみた大麦の最大の特徴である水溶性食物繊維=βグルカンの含有率が高いことによる健康への効果をていねいに説明してくれました。一番強調されているのは食事で摂取した後の血糖値が上がらず、余った糖分が脂肪にならなくてすむことからメタボ対策に効果があるということです。他にも便通が良くなる、腸内に善玉菌を増やす、適度な満腹感を与えるといった効果があり、しかも1食大麦を使った食品を食べると次の食事の摂食時にも効果が持続されることも紹介されました。

 この欄で何回も紹介したように、柏たなか農園の主力作物は大麦の中のもち種である「もち麦」です。青江先生の講演で「もち麦」の健康機能性について改めて頭の整理をしていただきました。


 肝心の試食会ですが、この日出品されたのは「もち麦」をお米といっしょに炊いた「もち麦ごはん」のほか、雑炊、カレー、スープ、麺、きな粉、パン、ケーキ、ココア、柏たなか農園、クラッカー、かりん糖、あられ、コロッケ、餃子、味噌、粉とじつに多彩。もち麦の注目度が上がると同時に大麦を使った食品が増えてきたことを実感しました。紹介された食品は全部で35にのぼり、そのほとんどを試食できるようになっていました。

 大麦関連食品の試食会、柏たなか農園の地元である千葉県でも開催できるといいのですが、県も地元の大学などももち麦=大麦への関心を持ってもらうには時間がかかりそうです。

カテゴリー: イベント もち麦

投稿日:2015年1月11日 5:37 pm

 2015年の年明けは寒さに加え強風が吹き今年も天気は大荒れかと思いきや、この週末は風もおさまり農園は平穏そのものです。水路を挟んで向かいの林には陽がおだやかな光を注ぎ、空には真綿のような柔らかい雲がゆっくりと動いています。この時期、畑の仕事に追われることもほとんどないので、のんびり過ごしています。改めて農園のまわりをながめて見るとのどかな風景に気持ちが和みます。


 体験農園「土の学校」の実習畑ではほとんどの作物が昨年末で収穫が終わりました。防寒対策で頭をわら縄で縛ったハクサイがところどころ残っている程度です。人の出入りも少なくなり、すっかり静かな畑になりました。

 

人気者のヤギくんはかまってくれる人がいなくて少し寂しそう。雑草も少なくなり、枯れ草や木の皮をはがして口に入れたりしています。時々、杉の木立に分け入り、木の枝に首を伸ばして好物の木の葉を食いちぎって食べることもあります。

 

さて、このおだやかな日々はいつまで続くのでしょうか?昨年は暑さ寒さがいつもとは違い野菜作りはずいぶん苦戦しました。今年の天気はこの週末のように平穏無事に行くでしょうか?それとも大荒れになるのでしょうか?肝心なことは天気が予想どおり行かなかった時の対策をどこまで用意しているかということにあります。作物や品種、栽培期間の選び方であり、肥料や農薬、その他の農業資材の使い方です。いろいろ考えているうちに農繁期が来てしまいそうな気がします。

投稿日:2014年12月9日 8:42 pm

 11月末にやっと種を播き終えた柏たなか農園のもち麦が一斉に発芽しました。種まきが遅れたので心配でしたが、とりあえず薄緑色のじゅうたんのような麦畑をみて一安心です。これから収穫まで6カ月近くかかります。柏たなか農園のもち麦は収量がやや少なめで、収量アップが目下最大の課題です。対策も考えてはいますが、結果はどうなるか、来年5月に答えが出ます。

 麦は寒さと乾燥が大好きな作物です。高温多湿を好む米とはまるで正反対です。とはいえ、種播き時期はあまり低温では発芽が悪くなるので本格的な寒さが来る前に種まきして発芽させます。冬の時期は地上部の伸びは抑えて、もっぱら地下の根っこをぐんぐん伸ばしてほしいのです。

先週から寒さが一気に強まり、毎朝見る畑は霜が降りて真っ白です。ハクサイなど冬野菜は寒さで葉がしおれるものもあります。とはいえ、寒さにあたるとかえって甘味が増すものもあり、野菜作りの中で一概に寒さを嫌うわけではありません。寒さ対策をしっかりやって、おいしい冬野菜を収穫したいです。もち麦も寒さの中で根っこをぐんぐん伸ばしてくれると期待しています。

投稿日:2014年11月25日 5:25 pm

柏たなか農園の主力作物であるもち麦の種播きが大変です。昨年は11月半ばには終わっていたのが今年は11月下旬になってもまだ終わっていないのです。もとはといえば、秋のイベント対応などで畑仕事に集中できなかったことに加えて、今年は冬の寒さが来るのが遅いとみて麦の種播きを少し遅らせて良いと楽観的に考えていたことも影響しています。


 種播きといっても、その前にやらなければならないことがあります。夏の間に雑草だらけになった畑をきれいにして、種を播ける状態にしなければなりません。枯れ草だらけの地上部をトラクターで耕すだけではきれいに整地できそうもない時は先に枯れ草を燃やすなどの処理をしなければなりません。
 その次に堆肥を畑に投入します。堆肥は10アール(約300坪)当たり2トン~3トンになります。今年種播きする面積は約80アールなので少なくとも20トン近く投入しなければなりません。これだけの量の堆肥を利根川の対岸の守谷市の牧場から運びこんでから軽トラに積み替えて畑に散布する作業が大変です。堆肥の山をスコップで崩し軽トラの荷台に投げ込むのですが、荷台をいっぱいにするのに約300回、スコップを上げ下げします。80アールの畑に投入する堆肥を軽トラに積み込むには数千回スコップを使うことになります。一気にやったのでは身体が壊れてしまうので休み休みやることになり、なかなか進みません。


 堆肥を入れた跡を一度トラクターで耕うんしてからようやく種播きです。肥料と混ぜた種をバケツに入れて畑に播いて行きます。種まきした跡を軽く耕運して種麦を土と混ぜます。
 昨年はここまでで一段落だったのですが、今年はこの後除草剤を撒きました。冬を越して麦が育つころになると雑草もいっしょに伸びてきて麦の成長の邪魔をします。もち麦収穫時には雑草の実が不純物として混入し品質が損なわれます。雑草の被害を防ぐため、収穫前に麦畑に入り雑草を手作業で引き抜いていたのですが、この作業があまりに負担が大きいので予め除草剤を撒いておき、収穫前の草取り作業を軽減しようと考えたのです。その分、種播き段階では1工程、作業が増えてしまいました。
 種播きの作業内容が昨年より増えたにもかかわらず作業日程を遅らせたのだから、作業終了時期がずれ込むのは当たり前なのですが、それにしても遅れすぎです。最終段階でまた天気が崩れてしまい種播きの作業が中断しています。昨年に比べ約10日の遅れを来年5月末~6月初めの収穫までに取り戻せるでしょうか?


 利根川に近い方の畑の角には年の最後に咲く花、皇帝ダリアが誇らしげにピンクの花を開いています。
カテゴリー: 生育情報 柏たなか もち麦
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