「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2012年5月21日 7:14 pm



サングラスの向こうに輝くオレンジ色のリング、柏たなか農園からもくっきりと見えました。写真はこの日のために200ミリの望遠レンズと受光量を10万分の1に減らすフィルターを用意して、前日にリハーサルまでやった元理科少年の溝井さんが撮影したものです。

早朝の空模様はタイルを張り付けたような雲でおおわれていました。時々タイルとタイルの隙間のような雲の切れ間から日がさしてきます。何と幸運なことでしょう。午前630分過ぎ、まさにその時間帯に雲の切れ間に太陽が来て、写真のようなリングを見ることができました。

土の学校の会員さんらに「農園で金環食を見よう」と呼びかけたものの、集まったのは発案者の白石さんと溝井さん、それに私を入れた3人だけ。考えてみれば平日の朝730分というラッシュの時間帯にのんびりと柏の畑で日食など見ていられる人はそうはいないはずですね。それにしても金環食、見ることができて良かったです。

この日は農園に連れてきて1ヵ月半にもなるヤギくんたちも金環食がよく見える利根川堤防のすぐわきに連れて行ったのですが、太陽の異変には特段の関心も示さず、黙々と雑草を食べていました。



投稿日:2012年4月13日 9:05 pm

子ヤギ2頭、今日つくば市から連れてきました。子ヤギは2頭とも雄で生後4ヵ月の食べざかり。ちょうど農園の雑草が作物より一足早く繁茂しはじめたところで、さっそく畑の雑草処理を始めてもらいました。雄なので扱いが大変そうだと想像していましたが、おとなしくしていました。見た目はとても優しそうで、人に危害を加えるようなことはなさそうです。おくびょうなのか、見知らぬ人が近付くと逃げてしまいます。早く柏たなか農園に慣れさせて、せっせと雑草処理に励んでもらおうと思っています。

2頭のヤギを小屋に入れると外に出たがるので、日中は外に出し杭にひもでつなぎ、自由に畑の雑草を食べさせていました。時々座ったりしながらおとなしく草を食べていたのですが、夕方小屋に入れたらとたんに2頭のオスが角突き合わせて“取っ組み合い”を始めました。人が見ている時だけ“猫を被っている”のかもしれません。

これから毎朝、ヤギを小屋から出し、夕方小屋に戻すのが日課になります。雨の日は雨の日でヤギを外に出せない代わりに小屋の中に干し草を用意しておき、食わせなければなりません。当分休みは取れそうもありません。

この日のために1ヵ月以上も前からヤギ小屋を建て、ようやく今週初めに完成しました。小屋の中はすのこを敷き、小便は床の下に流し、床下では波板で小便を受け水路に流すように設計しました。強風にあおられる南西側はベニヤ板で覆い、北東側だけ観音開きにして、縦の格子の明かりとりを付けました。小屋の外壁には4面すべてに明るく楽しい絵を描きました。周りが純農村の風景一色なので、市道を行く人たちにはカラフルなヤギ小屋がとても印象に見えると思います。ご協力くださった上田さんご夫妻、上田さんのお兄さんご夫妻、柏駅前の飲食店「SHIN」の皆さん、ありがとうございました。

 

投稿日:2012年4月2日 8:09 pm

4月に入りようやく首都圏各地から桜開花情報が出てきました。柏たなか農園の近辺でも枝先が色づき開花寸前です。このブログで何回か紹介した医王寺の桜の木が昨年、切り倒されてしまったのですが、それはそれでさびしいのですが、大きな木がなくなると周りの草花が急に目につくようになりました。柏たなか農園のすぐ裏の農家では離れの前に立つ大きな梅の木が写真のように咲いています。やはりのどかな日本の原風景といった趣です。しかし、こののどかな風景は一昨年までのものと同じではありません。

去年の今頃は東日本大震災の後始末やらで、桜の花をゆっくり眺める余裕がなかったような気がします。その後に来た東京電力の原発事故による放射能汚染が地域の風景を見る目を一変させてしまったのです。放射能汚染は首都圏各地を襲い、特に茨城県南と千葉県北西部がセシウムの飛散量が多い場所として注目されることになりました。地域の農業も大きな打撃を受けました。

半減期の長い放射性物質「セシウム」が農業にどのような影響をもたらすのか、はっきりしない中で、国の対策もいまだに整ってはいません。しかし、手をこまねいているわけにはいかないので、柏たなか農園でも関連情報を集め、出来る限りの対策を施してきました。基本は畑と農作物の放射線量を出来るだけ詳しく計測することです。その結果、放射線量が高い場所の土は取り除くことにしました。また、放射線量が高くない場所では、堆肥を入れる、よく耕すなどにより畑の土壌から農作物にセシウムが移行しにくくする、またセシウムが移行しやすい作物の栽培を避けるといった対策をとってきました。

畑での実習を通じて野菜作りを学ぶ「土の学校」については、会員の皆さんに線量計を貸し出し、各自で畑の放射線量を測ってもらうことにしました。また土壌に含まれる放射線量と収穫物の放射線量も簡易的ではありますが、測定し規制基準をクリアしているか確認することにしています。

農産物は食物として身体の中に取り込まれるので、放射性物質が含まれていればいわゆる「内部被ばく」の原因になります。とはいえ人の体には被ばくに対して防御機能が備わっており、これまで報告されている首都圏での放射線量では「被ばく→ガン発症」の確率は極めて低いともいわれています。ただ、発症のメカニズムや発症の確率などが解明されているわけではありません。自らの手でデータを集め、できるかぎり正確な情報をもとに、放射能問題に向き合っていこうと考えています。

投稿日:2012年3月23日 8:45 pm



先週から畑の一角に小屋を建てています。以前このブログで取り上げたヤギを飼うための小屋です。作業はいつも柏たなか農園の設備作りに協力してくれている上田さんご夫妻とそのお兄さんらに全面的にお願いしました。大きさは間口3m×奥行き2m弱の物置程度なので、ホームセンターで資材を購入すればすぐできると思っていたのですが、意外に大変です。小屋の中が糞尿まみれにならないように床にすのこを並べたり、かなりの強風にも耐えられるように土台から頑丈に作るなどいろいろな要件を満たそうとすると簡単にはできません。3月中に完成するかどうか微妙になってきました。出来上がったらヤギを迎えに行ってきます。

明日から2012年度「土の学校」がスタートします。講習会場に使うビニールハウスの中に置いてある農業資材や備品などの片づけ、実習用の畑への堆肥の投入、区画の整備などやって何とか開講準備も一段落。畑には実習用の区画の四隅に立てたスチールの杭と、両端に立てた少し高い支柱が見えるだけですが、明日から畝を立て、野菜の種をまき、苗を植え付けて1ヵ月そこそこで20種類くらいの野菜が姿を現すでしょう。



去年までは3月前半には講習会を始めていたのですが、今年は体験農園としてはかなり遅いスタートにしました。毎年、3月は強風と砂ぼこり、時折強い雨に見舞われるなど散々な目にあってきたので、出来るだけ悪天候を避けたいと考え、わざと遅くしてみたのです。ところが何と今年は春一番といえるような強い風もなくスタートから読み違えました。とはいえ、3月に入っても例年より寒い日が多く、せっかく早く種まきしても発芽が遅れるなどの影響が出そうです。開講日を少し遅らせたのは正解だったかもしれません。

カテゴリー: 土の学校 お楽しみ

投稿日:2012年3月7日 11:21 pm

2012年度「土の学校」は32526日にスタートします。開講に向けて準備も本格化してきました。6日は柏駅の近くの飲食店「SHIN」の若い皆さんに野菜の種まき、発酵肥料の切り返しなどを手伝ってもらいました。 

 

 

発酵肥料は中心の温度が40度を切るくらいに下がってきたので、後は温度を下げながら水分を減らしてゆきます。とはいえ、どこまでやれば発酵肥料が完成となるのか、判断がつかず毎年適当なところで切り上げています。 

 

種まきはキャベツとブロッコリー、それにスイカもポットに播きました。教室用のビニールハウスの中に置きましたが、まだ気温の低い日もあるでしょうから、なかなか発芽してくれないかもしれません。それでもとにかく種を播かないことには始まりません。というわけでしばらく種まきが続きます。

 

ところで、写真の皆さんの服装見てくださいましたか?全員つなぎ服! 格好良かったです。農作業衣というと汚れても良い服装ということで、暗くて見栄えのしない服をイメージする人もいるかもしれませんが、最近の特に若い世代は見た目も格好の良い服を身につけているような気がします。案外こんなところが日本の農業を元気にする一つの要素になるのかもしれません。

 

カテゴリー: 生育情報 土の学校
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