「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2014年2月15日 2:08 am


またまた土曜日の大雪です。予定していた2014年度土の学校のオリエンテーション(説明会)は中止です。先週土曜日の大雪で柏キムチ講習会ができなくなり、2週連続のイベント中止となってしまいました。畑も雪の下に埋もれ、雪が溶ければぬかるむので当分は畑の作業もできなくなりました。


週末に悪天候が予想されていたので一昨日、茨城県守谷市の牧場から柏の農場まで堆肥を運んできました。ダンプで5往復して運んだ量は約12トン。これをまず3月から始まる体験農園「土の学校」の土づくりに使います。3月8、9日が第1回講習会なのでその前に堆肥を撒いて、畑を耕し、歩行式のトラクターで溝を掘る作業をしておかなければなりません。その準備作業も再びの大雪で手をつけることができず焦っています。
先週降った雪は1週間たっても溶けきれず、畑はごく一部、土が見える程度でした。昼間も気温が上がらず雪がなかなか溶けてくれなかったのです。今度の雪はどうなることでしょう。向こう1週間の予報では日中は10℃近くまで上がるそうなので、予報通りに行けば雪解けも早まるかもしれません。来週23日の日曜日にも土の学校の説明会を予定しています。それまでに雪が溶けて畑の作業にかかれるようになってほしいとお天気頼みになっています。
地球温暖化による気候変動といわれますが、去年も天候異変の影響に苦しみました。去年の夏は異常な暑さで秋冬野菜の種まきがうまく行かず、10月には異常な日照不足で散々な結果になってしまいました。今年も天候異変に苦しめられるような予感がします。
天候異変が予想されるのであれば、条件が悪くても作れる作物、品種を選択するべきでしょう。日々の気象データを見て栽培計画の軌道修正もかけるべきでしょう。それがプロというものだとは思うのですが、この大雪ではそもそも農作業ができないのですから、プロの農家もお手上げです。

カテゴリー: 土の学校 イベント

投稿日:2014年1月21日 12:03 am

冬は漬けもの作りの季節です。私は10年近く前からキムチを作ってきました。5年前に柏たなか農園を始めてからは「柏キムチ」と称して、なるべく多くの柏の野菜を使ったキムチ漬けを作ってきました。さらに、柏キムチを普及させるため、1月~2月に柏キムチ講習会を開催します。
地元の野菜としては主力となるハクサイを始めダイコン、ニンジン、ネギ、ショウガなどが使えます。もっとも、夏に収穫するタマネギやニンニクなどを冬の季節までもたせるのが難しく、リンゴはもっと寒い地方のものを使うしかありません。なので「すべて」ではなく「なるべく」地元野菜を使おうということになるのです。
キムチを作るようになったきっかけは、茨城県の工業技術センターで「HS-1」というキムチの元になる乳酸菌を純粋培養することに成功したことです。HS-1を使えばだれでも簡単にキムチ漬けを作ることができます。従来のキムチはいわば多種多様なバクテリアが自然界で競争する中で、HS-1が繁殖しやすい環境を与えることによってHS-1が圧倒的に優勢な漬けもの=キムチ漬けを作ってきたと考えられます。そこには勘と経験が求められ、本場韓国では家のお母さんらの腕の見せ所だったのでしょう。
キムチの元はHS-1という乳酸菌だということが分かっているなら、はじめからキムチのベースになるハクサイに増殖させたHS-1を混ぜ込み、いわばハクサイのHS-1漬けを作っておき、その状態からキムチトウガラシやその他の野菜、海産物などを加えてキムチを作れば、自然界の競争にさらすよりはるかに失敗のないキムチづくりができると考えられます。実際にやってみると意外に簡単にキムチ漬けができました。というわけで、今年も1月25日と2月8日(いずれも土曜日)、柏たなか農園の近くの船戸会館で柏キムチ講習会を開催します。



お手軽に作れるとはいっても、最初にハクサイのHS-1漬けを作るのに1-2日はかかります。さらにキムチトウガラシ(日本のトウガラシは辛すぎて使えません)その他の具材を混ぜ込んでキムチ漬けにするには4-5日必要です。本当はもっと時間をかけて漬け込むのが良いかもしれません。つまり、1日数時間の講習会で素材の野菜を切り刻むところから始めて、キムチ漬けの出来上がりまで行くのは無理なわけです。


実際の講習会ではハクサイのHS-1漬けを作りますが、次の工程では漬け上がったハクサイのHS-1漬けを予め用意しておいてキムチ漬けを作ります。さらに漬け上がったキムチ漬けを予め用意しておいてキムチ鍋を作り、みんなでいただきます。最後に宿題として、HS-1とハクサイをお持ち帰りいただき、講習会で習った通りにできるかどうか試してもらうことにしています。(写真は2012年の講習会風景)
キムチがお手軽にできるといっても、やはり漬けものには奥深いところがあります。自然な甘みをつけるにはどうするか?長期保存するにはどうするか? 課題はいろいろあります。近い将来、柏キムチ・コンテストができるくらい普及してほしいと思っています。

投稿日:2013年12月30日 6:31 pm

2013年も残すところ1日あまり。柏たなか農園の1年の締めくくりはたき火を焚いて鍋ものと焼き芋で身体を温める「たき火の会」、昨日やりました。

畑のわきにある杉の木立の下にある木の枝や倒木を拾ってきて適当な大きさに伐って薪にします。風が少しあったので、大がかりなたき火は止めて、かまどだけにしました。

鍋物はハクサイと肉のはさみ煮。ハクサイの葉の間に豚ロースの薄切り肉を挟んでいきます。何枚か重ねて幅6-7㎝に切り、鍋の底に立て懸けるようにして並べます。上から塩コショウを振りかけ、最後に料理酒を注ぎます。鍋ごとかまどの火にかけて煮込みます。料理法は極めてシンプルですが、ハクサイの甘味が生きていてとてもおいしいです。奥さんに帰りの車を運転してもらえる人は何人か、おいしそうにお酒やビールを飲んでいました。

年末から年始にかけてのこの時期の農園はとても静かで、「年の瀬のあわただしさ」とは無縁の世界に見えます。ヤギくんらはあいかわらず好物の草を見つけてはむしゃむしゃと食んでいます。時々横になって食べた草を口に戻して噛み直したりしています。

11月下旬にすじ播きしたもち麦が芽を出し畑に緑の縞模様を描いています。地上は本格的な冬に近づき、毎朝霜が降り、時に強い風が吹きますが、地下では麦がしっかりと根を伸ばしています。この時期にしっかり根を張っておくことが、春先の急成長の力の元になっているようです。来年が楽しみです。

投稿日:2013年9月30日 10:14 am

29日の午後、雑草だらけになっていた柏たなか農園のカボチャ畑で「カボチャの収穫体験」を開催しました。今回のイベントには近くの東大柏キャンパスの学生さんらが主催する「balloon」というグループが子供らを連れてきて盛り上げてくれました。

 カボチャの苗を畑に植え付けたのは6月下旬でした。カボチャの品種は6種類。一番多く植えたのは「みやこ」というとても作りやすいカボチャです。表面が白い「伯爵」というカボチャも植えました。栗カボチャ、小さな坊ちゃんカボチャなど。これらは普通のカボチャの形をしていますが、これとは異なる首の長~いツルくびカボチャも4株ほど植えました。それから3ヵ月でカボチャのつるも伸びましたが、それ以上に雑草が繁茂してしまいました。

 夏はスイカの草取り、収穫、出荷に追われていたのでカボチャまで手が回りませんでした。9月に入ってカボチャ畑を見てみると畑とは言えないほど雑草に覆われ、草取りもどこから手をつけていいのか分からないような状態でした。放置しておくわけにもいかず、刈払い機で背の高い草を刈り倒し、カボチャの苗を植え付けた根元の部分に入り込んでいる雑草は引き抜くなど少し手を入れたところで「収穫体験」をしました。9月15日に収穫体験を開催する予定でしたが当日、台風が上陸したので29日に延期しました。その間にさらに雑草が伸びました。

 畑の外から見えるカボチャはほんのわずかです。ところが、収穫を始めてみると、雑草の下から出てくるわ出てくるわ、わずか6アールほどの畑ですが100個以上は採れたでしょう。大きさは、普通のカボチャで大きいのが1.4~1.5㎏でしたが、ツルくびカボチャはケタ違いで4~6㎏もありました。収穫の後は、料理の先生に作ってらった「カボチャのチーズケーキ」をみんなで食べました。
 この日参加してくれたballoonの皆さんには、10月5日に柏の葉キャンパス駅前で開催される青空市「マルシェコロール」で今回収穫したカボチャを販売してもらうことにしました。カボチャの収穫体験に参加してくださったみなさん、お疲れさまでした。

投稿日:2013年6月23日 9:56 pm


 今日は土の学校でスイカ植付け講座を開催しました。あらかじめ元肥を入れた畝に20mずつビニールマルチを張り、2mおきに植え穴を開け、ポットで育てたスイカを植え付けていきます。トラクターで耕すなどの下準備はしたのですが、それでも長ーい畝にビニールを張る作業は大変です。苗を植付け、最後に麦刈り跡の麦ワラを畝のわきにびっしりと敷き詰めて本日の実習を終了しました。梅雨時のはっきりしない空模様の下、雨に降られなかったのが何よりでした。

 これまで柏たなか農園のスイカは麦刈りの後に苗を植え付けていました。ところが、今年は5月半ばに第1期の植付けをしました。スイカの需要期は暑い盛りです。7月の後半には販売できるようにしたいところです。となると麦刈りの後では遅すぎるのです。というわけで5月に植え付けたのですが、そのかわり第1期のスイカは麦ワラなしでした。麦刈りの後に急きょ麦ワラを敷きましたが、すでにかなり成長してしまったのでどれほど効果があるかは分かりません。第1期のスイカはすでに実も肥大し始め、大きいもので運動靴くらいの大きさになりました。早くも実の表面にくちばしでつついた跡、爪でひっかいた傷跡がついています。カラスや動物たちが狙っているのです。防護策としてあわてて袋状のネットをかけました。

 いま、実を着け始めたスイカは7月後半に収穫期になります。あちこちで夏祭りが開かれるタイミングに何とか間に合わせようとしています。今回、麦刈り跡に植えたスイカはさらに1ヵ月後の8月後半から9月にかけて収穫します。これまでは10月初めくらいまでは暑い日が続いたのでスイカも何とか売れました。暑い日が続けばスイカも甘くなります。今年の暑さはいつまで続くでしょうか?スイカ生産者としては暑さは歓迎です。お天気頼みのようなことばかり書いていますが、スイカの当たり外れはお天気次第のところがあります。

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