「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ
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投稿日:2013年6月3日 5:15 pm
昨日6月2日に麦刈り体験ともち麦ごはん試食の会を開催しました。都会の人たちに稲刈りを体験してもらうイベントはよくありますが、麦刈りは珍しいでしょう。親子連れなど多数集まっていただき、刈り残しになっていた麦畑をきれいに刈り取ってもらいました。
麦刈りは普通コンバインという機械を使って刈り取りから脱穀まで一気にやってしまうのですが、それではつまらないのでこの日は鋸カマを使って人手で刈り取りをしてもらいました。刈り取り用に残しておいた畑は雑草が多いところだったので雑草取りといっしょになり、結構大変でした。刈り取った麦を束ねてコンバインで脱穀しました。この後、乾燥させ、ワラなどのゴミを取り除いて袋詰めしますが、イベントでは全部はできないので脱穀までにしました。
作業の後は2013年産新もち麦の試食です。もち麦と白米を1対4の割合で混ぜて炊いたもち麦ごはんをゴマ塩おにぎりにして食べてもらいました。味噌汁の具は柏たなか農園で採れたダイコンとカブを使いました。とてもシンプルな食事でしたが、好評でした。
この日収穫したもち麦をその場でお米と混ぜて炊くわけにはいきません。そこで1週間以上前に刈り取って乾燥させておいたものを前日になってゴミを取り、当日の朝、モチ麦ごはんを炊いておにぎりにしました。かなりきわどいタイミングで試食用の新もち麦を間に合わせることができました。
新もち麦を試食してもらいながら「もち麦のどこが“健康食品”なのか?」についてお話をさせてもらいました。参考にしたのは、4月8日にテレビのNHK総合でもち麦を紹介した番組「ゆうどきネットワーク」、麦製品メーカーのはくばくのホームページなどです。
もち麦は大麦の一種で、食物の中では食物繊維=βグルカンの含有量が特別に大きいことが特徴です。βグルカンは食事を身体に取り込む際の栄養吸収を調節することにより、一度に大量の糖分を血液中に送りこむことを防ぎます。その結果余分な糖分を脂肪にしてため込まずにすみます。しかも、含まれるでんぷんがもち性なので、もち麦ごはんにするとプチプチ、モチモチした食感でとても食べやすいことから、毎日の食生活に取り入れやすいです。日本の場合、主食はごはんが一般的なので、お米にもち麦を混ぜたもち麦ごはんを普段から食べていれば自然にメタボ対策ができてしまいます。また、心臓疾患のほかに排便促進、正常な腸機能の維持などの効果があることも欧米はじめ世界で認められるようになっており、今や「βグルカン効果は世界の常識」となりつつあるようです。
参加者の皆さん、とても関心を持ってくれ、お米ともち麦を混ぜる時の比率、モチ麦の保存方法、お米や他の麦との違いなど次々と質問が出ました。これからはもち麦の「おいしさ」だけでなく、「健康増進効果」についても消費者の皆さんに分かりやすく説明すべきだと感じました。
投稿日:2013年5月28日 9:58 pm
もち麦の麦刈り、やっと始まりました。刈り取り時期のもち麦畑はきれいな紫色に染まり、見ているだけで感動します。しかし、もち麦の畑に見とれている余裕はありません。もち麦の収穫・脱穀の後、乾燥、ゴミ取りといった一連の作業があって、最後に袋詰めして売り物にするまで1袋30kgほどの麦の袋を数十から百袋も扱う重労働が続きます。とくに今年は前年より栽培面積を増やしたので労働量も面積に比例して増大するため、この時期をどう乗り切るかが大きな課題です。ところが、はじめから躓きました。
麦刈りには「コンバイン」という機械を使うのですが、今回はトラブルもあってうまく使いこなせず、もたついている間に3日もロスしてしまいました。そうこうするうちに首都圏は明日にも梅雨入りとか。刈り取ったもち麦はいま、ビニールハウスで乾燥中です。この先、晴れてくれなければもち麦を乾燥することができず、このままでは売り物になりません。こういう事態は予測できたはずですが、具体策まで考えていませんでした。とりあえず、今年の梅雨がカラ梅雨になることを期待するしかありません。
今週末の6月2日(日)と来週8日(土)の2回、もち麦畑で麦刈り体験の会を開催します。麦を刈るだけでは物足りないと思い、新もち麦を白米に混ぜて麦ごはんを炊いて試食してもらう予定です。試食用に間に合わすためにもこの先ずっと雨模様では困るのですが、どうなることでしょうか?
投稿日:2013年5月6日 7:08 pm
今年は作物の成長早いです。柏たなか農園の主力作物である「もち麦」は前年より1週間以上早いペースで成長しています。昨年は収穫開始が6月4日でしたが、今年は5月中に収穫を始められそうです。
これに伴い、もち麦の「麦刈り体験」は6月2日(日)と8日(土)に開催することにしました。柏たなか農園のもち麦ファンの皆様にお集まりいただき、モチ麦の麦刈りを体験していただこうという企画です。日程は麦の成長を見て決めようと考えていたのですが、思ったより早かったので日程も繰り上げました。
この麦刈り体験、昨年秋から募集してきた「麦畑オーナー」の皆さまは無料ご招待です。それ以外は1グループ1000円の参加費で体験できます。麦刈りした後はもち麦ごはんを召し上がっていただきます。稲刈り体験はよく見かけますが、麦はあまりないでしょう。麦刈り体験のいい機会です。ご関心ある方はぜひお申し込みください。
麦だけでなく春野菜全般に成長のペース早いです。野菜作り教室「土の学校」でも植え付ける苗がどんどん育ってしまうので、予め決めておいた作付スケジュールを前倒ししなければならなくなっています。
投稿日:2012年12月25日 10:32 pm
この冬初めての「柏キムチ」を漬け込みました。これはキムチの元になる乳酸菌HS-1と柏たなか農園のある千葉県柏市で採れた身近な素材を使って、誰でも作れるようにした超簡単キムチのことで、「柏キムチ」とよぶことにしました。
「漬物の素を振りかけるだけ」というほど超簡単ではありませんが、ほとんど失敗なしでそこそこのキムチができます。作り方はまず、ハクサイと乳酸菌HS-1を1000対1の割合で混ぜハクサイのHS-1漬けを作ります。気温が10℃前後なら漬け始めから2日くらいで酸性度が4.5くらいになり、一応できあがりです。これとは別にダイコン、ニンジン、ネギ、ニラ、タマネギ、ニンニク、ショウガ、キムチトウガラシ、果物と海産物を混ぜ込んで味付けした具材(「ヤンニョム」と呼ぶ)を作っておきます。最後にハクサイのHS-1漬けにタレを混ぜ合わせれば漬け込みは終了、後は熟成を待ちます。今は一番寒い時期なので熟成に時間がかかりますが、それでも2週間もすれば適度に酸味のあるキムチが漬け上がるはずです。
「柏市でとれた素材を使うこと」を目標にしてはいますが、実際には柏市は海に面していないので海産物は採れませんし、そのほか野菜も季節的な要因でカバーしきれないものがあります。それでも柏地方の素材にこだわろうとするのは、キムチを漬けこんだり、食べたりする人たちに「地産地消」を意識してもらいたいと考えたからです。柏地方の食卓にはいつもキムチが出てきて、そのほとんどが地元野菜を使った自家製のキムチ――という時代が来てほしいとひそかに期待しています。
普及活動の一環として毎年「柏キムチ講習会」を開催しています。今シーズンは2013年1月27日(日)と2月10日(日)の2回、柏たなか農園の農場のすぐ近くにある集会所・船戸会館で講習会を開催します。キムチを漬け込んだ後は参加者全員でキムチ鍋を味わいます。最後に主力の素材であるハクサイを柏たなか農園の農場で収穫してもらい、持ち帰ってもらいます。参加費は1人1000円――かなりお得なはずです。(トップページの「お知らせ」参照)
今年のハクサイのできはまずまずです。寒さが早く来たので秋冬野菜は途中から成長が鈍化しましたが、ハクサイはさすがに寒さに強い作物らしく、12月に入っても中がぎゅうぎゅうにつまるくらい堅く結球してくれました。
投稿日:2012年11月24日 9:55 pm
柏たなか農園の主力作物であるもち麦、来年春の収穫に向けて種播きを急いでいます。少しでも早く種を播いて早く収穫したいと思うからです。どんなに頑張っても収穫は5月下旬以降なのですが、今月早々に今年のもち麦が売り切れてしまい愛用してくださったお客さんに半年以上も待たせることになってしまったことから「1日でも早く収穫したてのもち麦を届けたい」と焦ってしまうのです。収穫の秋、農園のイモ掘りや「土の学校」の収穫祭の他に、つくばエクスプレス沿線の駅前の青空市などのイベントにも次々と参加したため、もち麦の作業に時間を割くことができず、相当追い込まれました。
ちょうど1ヵ月前の10月下旬、利根川の対岸、茨城県守谷市の畜産団地から柏市の農園まで牛フン堆肥をダンプ車で運んできました。1日6往復では足りなくて11月の初めにもう一度運搬作業をしました。堆肥の量は2回分合わせて30トン近くになりました。運んできた堆肥を軽トラに積み替えて麦畑に運び、スコップで畑に撒きます。軽トラに積み替えるためにショベルカーを借りなければならないのですが、今年はいつも借りている先の都合がつかなかったため、急きょ畑の近くの土建屋さんに頼み込み土木作業用のショベルカーを貸してもらいました。以前借りた農作業用のショベルカーに比べ桁違いに大きく、それはそれで扱いが大変でした。
さらに10月下旬から雨の日が多く、1回あたりの降雨量も多かったので畑がぬかってしまい堆肥を撒布したくても畑に入れない日が続きました。何とか堆肥を散布できたところから麦の種播きを始め、あと一息というところまで来ました。
今年のもち麦は先々週で売り切れてしまい、せっかく買いに来てくれた皆さまのがっかりされる顔を見るたびに申し訳ない気持ちになりました。収穫した農産物が売れなくて困るのはいつものことですが、売れすぎて困るというのは初めの経験です。
「すみません、来年までお待ちください」というと「来年のいつ頃?」と聞かれて「5月末に刈り取って6月に販売を開始します」と答えると「半年以上も待つの?」と絶句されてしまいます。1年に1回しか収穫できないので、来年春まで待ってもらうしかありません。「来年のもち麦の予約をしてくださるといろいろ特典がついてきます」といって「麦畑オーナー」(トップページの「お知らせ欄」に詳細のせています)への契約を勧めるしかありません。品切れになるのがこれほどつらいとは知りませんでした。