「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2012年12月25日 10:32 pm

この冬初めての「柏キムチ」を漬け込みました。これはキムチの元になる乳酸菌HS-1と柏たなか農園のある千葉県柏市で採れた身近な素材を使って、誰でも作れるようにした超簡単キムチのことで、「柏キムチ」とよぶことにしました。

「漬物の素を振りかけるだけ」というほど超簡単ではありませんが、ほとんど失敗なしでそこそこのキムチができます。作り方はまず、ハクサイと乳酸菌HS-110001の割合で混ぜハクサイのHS-1漬けを作ります。気温が10℃前後なら漬け始めから2日くらいで酸性度が4.5くらいになり、一応できあがりです。これとは別にダイコン、ニンジン、ネギ、ニラ、タマネギ、ニンニク、ショウガ、キムチトウガラシ、果物と海産物を混ぜ込んで味付けした具材(「ヤンニョム」と呼ぶ)を作っておきます。最後にハクサイのHS-1漬けにタレを混ぜ合わせれば漬け込みは終了、後は熟成を待ちます。今は一番寒い時期なので熟成に時間がかかりますが、それでも2週間もすれば適度に酸味のあるキムチが漬け上がるはずです。

「柏市でとれた素材を使うこと」を目標にしてはいますが、実際には柏市は海に面していないので海産物は採れませんし、そのほか野菜も季節的な要因でカバーしきれないものがあります。それでも柏地方の素材にこだわろうとするのは、キムチを漬けこんだり、食べたりする人たちに「地産地消」を意識してもらいたいと考えたからです。柏地方の食卓にはいつもキムチが出てきて、そのほとんどが地元野菜を使った自家製のキムチ――という時代が来てほしいとひそかに期待しています。

普及活動の一環として毎年「柏キムチ講習会」を開催しています。今シーズンは2013127日(日)と210日(日)の2回、柏たなか農園の農場のすぐ近くにある集会所・船戸会館で講習会を開催します。キムチを漬け込んだ後は参加者全員でキムチ鍋を味わいます。最後に主力の素材であるハクサイを柏たなか農園の農場で収穫してもらい、持ち帰ってもらいます。参加費は11000円――かなりお得なはずです。(トップページの「お知らせ」参照)

今年のハクサイのできはまずまずです。寒さが早く来たので秋冬野菜は途中から成長が鈍化しましたが、ハクサイはさすがに寒さに強い作物らしく、12月に入っても中がぎゅうぎゅうにつまるくらい堅く結球してくれました。

投稿日:2012年11月11日 7:55 pm

秋も深まり柏地方のあちこちで収穫祭などが盛り上がっています。柏たなか農園は先週、千葉大学柏キャンパスのお祭りに、この週末は直売所「かしわで」の収穫祭に出店しました。千葉大では学生さんらがリアカーの上にものを載せて、お手伝いの子供らといっしょに売り歩く企画があったので、畑に植わっているサツマイモとラッカセイを土ごとそっくりリアカーに載せてもらい来場者に「イモ掘り」、「ラッカセイ掘り」のようなことをしてもらいました。かしわででは「ヤギくんと遊ぼう」コーナーを設けてもらい、子供らに餌の雑草や野菜くずを食べさせて遊んでもらいました。いずれも柏たなか農園の畑に来れば体験できることですが、そういう機会のない人たちには、こちらから出かけて行って疑似体験をしてもらおうという狙いです

 

千葉大のお祭りで学生さんらが考えたのは「ものを売る」というより「リアカーの上に載っているものを使って遊ぶ」ということでした。リアカーにはたっぷり土を入れ、そこにサツマイモとラッカセイを株ごと植え付けておきます。土の中にはあらかじめ色を塗ったラッカセイを埋め込んでおき、掘り出したラッカセイの色によって焼きイモなどの景品が当たるという宝探しゲームです。子供といっしょに来た親たちも普段土と触れる機会が少ないらしく、イモ掘り、ラッカセイ掘りの疑似体験を楽しんでいました。

かしわでの収穫祭では会場と駐車場の間の土のある場所に柏たなか農園の2頭のヤギ(名前はキイロくんとアオくん、両方オス)を連れてゆき、子供らと遊んでもらいました。子供らには角の生えたヤギが珍しく、はじめはこわごわと、次第に慣れてヤギの身体をなでたりしながら、餌の雑草や野菜くずを与えていました。子供だけでなくお父さんお母さんもヤギに食べてもらえる雑草を探すなど結構楽しんでいました。

 


 柏たなか農園では都市住民に畑に来てもらい農業に接する機会を作ろうとイモ掘りなどを開催してきました。それでも畑に来てもらえる人はほんの一握りです。もっと多くの人たちに畑との接点を作ってもらうにはこちらから出かけてゆくことも必要だと考えました。「わざわざ畑まで出かけるのはちょっと」という人たちにも今回は「農」を身近に感じてもらえる契機になったのではないかと期待しています。

投稿日:2012年10月14日 9:18 pm

2頭のヤギくん(両方オス)が柏たなか農園に来て半年経ちました。今ではすっかり農園の人気者。14日は一般市民を集めて「おやこdeイモ掘り」という企画をしたのですが、参加者らもイモ掘りの合間にイモ畑の近くにつないでいたヤギくんに近づき遊んでいました。ヤギくんもこの頃は慣れたもので、近づいてすりすりしたり、ズボンをかじる真似をしたりとお近づきのご挨拶。ときどき小さな子を泣かしてしまう場面も。イモのつるはヤギくんの大好物なので、イモを掘り出した後、ヤギくんらをイモ畑に入れてつるを食べさせてあげました。



農園の近くで開催されるイベントにもヤギくんが呼ばれることがあり、時々軽自動車に乗せて“出張”してもらいます。今月末は柏たなか駅前で開催される朝市に、11月10日、11日は柏市最大の直売所「かしわで」の収穫祭に出かけることになっています。このブログを読まれたお近くの方はぜひ、柏たなか農園のヤギくんを見にお出かけください。
もとはといえば畑の雑草対策の一環として、ヤギに雑草を食いつくしてもらうつもりでした。ところが、2頭のヤギでは春から夏にかけて伸びまくる雑草の勢いを抑えるのは到底無理。それと柏たなか農園のヤギくん、意外に好ききらいがあって、雑草の中でも好きなものには食いつくものの、嫌いな草は無視してしまいます。それと、同じ草ばかりだと飽きるらしく、気まぐれな食べ方をします。その結果、どうしても雑草をきれいに食べつくすところまでは行きません。結局、大部分は刈払い機や除草剤を使わなければなりませんでした。



ヤギくんのおかげでほとんど休みを取ることができなくなりました。必ず毎朝ヤギを小屋から出し、夕方になると小屋に戻すようにしてきたからです。一晩くらい小屋の外に置いても大丈夫という人もいますが、ヤギはとってもおくびょうなので心配で放置できません。8月に一晩だけ、高校時代の同級生らと泊りがけで出かけたことがあり、その時だけは畑を手伝ってくれている人たちにヤギの世話をお願いしました。朝はなるべく早く小屋から出したいので畑に早く行かなければならず、いつも日の出前には起きなければなりません。いっそ、私もヤギくんの小屋に泊めてもらえば朝の時間、もう少し寝ていられるのになどと考えています。
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投稿日:2012年5月21日 7:14 pm



サングラスの向こうに輝くオレンジ色のリング、柏たなか農園からもくっきりと見えました。写真はこの日のために200ミリの望遠レンズと受光量を10万分の1に減らすフィルターを用意して、前日にリハーサルまでやった元理科少年の溝井さんが撮影したものです。

早朝の空模様はタイルを張り付けたような雲でおおわれていました。時々タイルとタイルの隙間のような雲の切れ間から日がさしてきます。何と幸運なことでしょう。午前630分過ぎ、まさにその時間帯に雲の切れ間に太陽が来て、写真のようなリングを見ることができました。

土の学校の会員さんらに「農園で金環食を見よう」と呼びかけたものの、集まったのは発案者の白石さんと溝井さん、それに私を入れた3人だけ。考えてみれば平日の朝730分というラッシュの時間帯にのんびりと柏の畑で日食など見ていられる人はそうはいないはずですね。それにしても金環食、見ることができて良かったです。

この日は農園に連れてきて1ヵ月半にもなるヤギくんたちも金環食がよく見える利根川堤防のすぐわきに連れて行ったのですが、太陽の異変には特段の関心も示さず、黙々と雑草を食べていました。



投稿日:2012年5月2日 2:52 pm

昨年11月に種まきしたモチ麦、急に伸びてきました。1ヵ月前にはまだ缶コーヒーと背比べをしていたのが、すでに背丈は又の下あたり。この1週間で穂も出そろいました。5月末には収穫できるはずです。昨年は収穫用の機械が途中で壊れ急きょ買い替えたのですが大幅遅れで収量は激減しました。反省すべき点がいろいろあり、今回は種まきから改善を加えています。

昨年は東京電力の原発事故による放射能汚染がモチ麦の販売にも大打撃でした。今年はどうなるのか心配ではありますが、きちんと計測したデータを積み上げ、このままいけばモチ麦1kgあたりどの程度の放射線量になるかを予測し、実際の収穫物の測定結果と突き合わせて確認できるようにするなど、安全性を判断してもらえる取り組みを進めています。結果は今月末の刈り取りによって判明します。

 柏たなか農園にヤギくんが2頭やってきて早くも半月がすぎました。来てから3日目に柏市の南方約20kmの位置にある家畜のサポートセンターのような施設に連れてゆき去勢手術をしてきました。手術も含め、スタート時は大変でしたが、近所の子供たちの人気者になるなど、今では農園全体を明るく楽しくしてくれています。とはいえ、毎日の世話が欠かせないので、私自身の自由時間はほとんどなくなってしまいました。

紹介本にはヤギはどんな草でも食べると書いてありましたが、実際には優先順位があるらしく、ぜんぜん食べてくれない雑草もあり、太い茎の部分を残してしゃぶり尽くす草もあります。畑の春の雑草で一番嫌われているのが「菜の花」ですが、今まで観察した限りでは菜の花はヤギくんらの大好物。時々柏たなか農園の周りの耕作放棄地などに生えている菜の花を見つけてヤギくんらに食べさせてやっています。

いま柏たなか農園の最大の作物はモチ麦です。このモチ麦をヤギに食われたら大変なのでしんぱいしながらでしたが、先端の穂の部分を少しかじる程度で全体の収量を脅かすようなことにはならないようです。

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