「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2015年10月25日 10:23 pm

 イモ掘り体験イベントの第1回目を開催しました。サツマイモは毎年作るのでイモ掘りイベントも毎年やっているのですが、そのたびに改善したいと思うのは焼き芋の作り方です。10個程度なら簡単にできるのですが、イベントとなると多数の参加者に配らなければならず、必要量を焼くにはこれまでの装置では間に合いそうもありません。そこで今年は1回で焼ける芋の数を飛躍的に増やそうと考えました。それが写真の装置です。

 

 

 農園の焼き芋の作り方はもみ殻クン炭を作る時の熱を利用して芋を焼きます。もみ殻クン炭の製造装置はたき火の上に背の高い金属性の煙突を覆いかぶせることで炭焼きと同じような酸素不足状態にします。煙突の中のたき火は酸素が不足気味なので一気に燃え上がるのではなく、ゆっくりと炭化していきます。この炭化の過程で出す熱でもみ殻を焦がすことでクン炭ができて行きます。もみ殻の中にサツマイモを入れたまま放っておけば自然と焼き芋ができます。ただ、大量の芋を焼こうとして装置の外側に大量のもみ殻を積み上げようとするともみ殻を積む時の底面を大きくしなければならず、それだけ大量のもみ殻が必要になります。しかも周りを覆うもみ殻の量を増やせば増やすほど隅々まで熱が回りにくくなります。

 たくさん使わずにもみ殻を積み上げるにはどうするか考えた末、ブリキの囲いを設けてその中にもみ殻を積み上げることにしました。波板状のブリキをカットして何枚かつなぎ合わせて囲いを作りました。やってみると中心に置いたクン炭製造装置からもみ殻への熱の伝わり方が一斉ではないため、早く焼ける場所となかなか焼けない場所ができてしまいました。これでは数十個の焼き芋を一気に焼きあげられないことが分かりました。それでも囲いなしで焼くよりはるかに大量の焼き芋が作れます。焼き具合もトロッとした食感で甘味も強いことが確認できたのでイモ掘りイベントに初登板してもらいました。

 第1回イモ掘りイベントには大人子供合わせて約70人と農園の受け入れ可能数の上限近い人が集まってくれました。イモ掘りは芋から伸び出して隣り同士絡み合った芋のつるをハサミで切り取り畝の外に出すことからはじまります。つるを取り除いたら地下に芋ができていそうなあたりに慎重にスコップを入れ、土を持ち上げながら芋の集まっているところを探し出します。

 

 

 今年植え付けたサツマイモの種類はベニハルカ、安納イモ、シルキースイートの3種類。いずれも甘味が強く、焼き芋に適した品種です。今回収穫してもらったイモはコンテナにして10個以上、軽トラの荷台をいっぱいにするほどの量です。参加者の皆さんには収穫した中から好きなイモを選んでお持ち帰りいただきました。

 

 

 焼き芋も参加者全員に味わってもらいました。収穫してもらったイモを使ったのでは時間的に間に合わないので、予め収穫しておいたイモを早朝から焼き始めました。アルミホイルでイモを包み、そのままもみ殻の中に埋め込んでおきます。焼き上がったイモから順次段ボールに移しました。全部焼き上がるまでに5時間以上かかりました。参加者に待ってもらうわけにいかないので 焼き上がったところから順次食べてもらいました。焼き芋はおおむね好評でした。

 

 

 この秋は農園のイモ掘りイベントの他、周辺のいろいろなイベントに出店する時に焼き芋を販売したいと考えています。イベント会場ではぜひ柏たなか農園のお店を探して、もみ殻で焼いた焼き芋を味わってみてください。

投稿日:2015年9月18日 9:43 pm

今年のサツマイモは気合が入っています。このところ雨降り続きですが、小やみになるタイミングを見てイモ畑の周りの雑草抜き取りやってきました。一昨日までに草取りはほぼ終了、昨年までのイモ畑とは見違えるほど管理の行きとどいた畑になりました(イモ農家なら当たり前なのですが…)。

 

 

サツマイモの品種も全面刷新、安納イモ、シルキースイート、ベニハルカの3種類を植えました。昨年までは作りやすさと収量重視でベニアズマを主力にしていましたが、出来上がったイモが大きすぎるなどから販売しづらいのが悩みでした。そこで小ぶりで甘味があるといわれる3品種に切り替えたのです。

毎年10月、11月に開催してきた柏たなか農園の「親子イモ掘り体験」、今年も1025日(日)と111日(日)の2回開催しますとこのホームページで紹介したところ予想以上の申し込みをいただきました。甘い品種に切り替えたのが奏功したのかとも思っています。このまま行くとかなりの混雑が予想されるので開催日をもう1回増やして1115日(日)にもイモ掘りをやることにしました。→「お知らせ」参照

販売方法としては焼き芋を主力にしたいと考えています。今年栽培している安納イモ、シルキースイート、ベニハルカの3品種は小ぶりで甘味あり――。ということは焼き芋にぴったりです。これからの秋のイベントシーズンをねらって柏と周辺の地域のイベントに出店、焼き芋を売りまくろうと皮算用をしています。

 

 

今日、ベニハルカを試し掘りしてみました。いい感じの色合いで大きさもいくらいになってきております。1011月が待ち遠しくなってきました。

投稿日:2015年8月17日 9:25 pm

 17日は雨降りの中、スイカ収穫体験を強行しました。ずぶぬれになるかもしれないと思いつつ、早朝の段階で申し込み者全員にイベントを実施するとの連絡を入れてしまいました。終日雨といっても小やみになることもあるだろうからそのタイミングで畑に出てもらえば良いと都合よく考えていました。

 イベント開始時間の10時を過ぎても雨脚が弱まりそうもなく、ビニールハウスの中で今日のイベントに関係するレクチャーをしながら空模様を見ていました。柏たなか農園のスイカ栽培、今回収穫するスイカの品種、苗の植え付けから収穫までの作業などの話をした後、スイカの収穫のやり方を説明しました。予め作っておいたスイカジュースも味わってもらい時間をつぶしました。そのうちに雨脚が弱くなってきたのでやっと参加者全員、子供らもいっしょにスイカ畑に出てもらいました。雨でぬかるむ畑で雑草の陰に隠れているスイカを探し出す作業は結構大変です。ハサミをギュッと握ってスイカを探すお母さんらの姿は子供より真剣そうに見えました。



 今回収穫したのは枕スイカという長丸の形をして、皮が厚い=ごみに出す部分が多いタイプです。畑に転がっているスイカは全部で100個以上。このうち大きめのものだけ収穫してもらいました。他に遅く植え付けたアジアンという品種のスイカも少し収穫してもらいました。こちらはラグビーボール型で外側の皮の色が濃い緑で中身が黄色です。

 

 

収穫したスイカを軽トラに積んでビニールハウスまで運び、ハウスの中で収穫したスイカの重さを1個ずつ測りました。やはり、今年の早植えスイカは小ぶりで大きなもので6㎏台です。次に糖度計で甘味を測りましたがかなり弱く10度まで届きません。アジアンの方がいくぶん糖度が高く出ましたがそれでも10に届きません。6月から7月にかけての天候がおかしかったのが響いたようです。



 スイカを割ってみんなで試食しました。大人は我慢して食べてくれますが、子供らは正直です。甘味が乗っていないスイカに露骨にまずそうな顔、やむなしです。

 お昼近くになって雨脚がまたひどくなってきました。最後に収穫したスイカをお持ち帰りいただき解散しました。スイカのできはイマイチでしたが、柏市の北部に残る自然環境豊かな畑で雑草をかき分けながらスイカを収穫するワイルドな体験は参加したお母さんや子供らにはとても新鮮に映ったに違いありません。

 前回のブログで今年4月に「都市農業振興基本法」という法律ができたことを取り上げました。その中で都市農業の一形態である体験農園が「市民が農業、農村と触れあう機会を作る」「市民の農業への理解を深める」などの役割を担うと位置づけられていることを紹介しました。今回のイベントも体験農園の活動の一環です。今シーズンのスイカの収穫体験はもう1回、次の日曜、23日の10時から開催します。ご興味のある方は柏たなか農園(メール:mochi47mugi@gmail.com またはFAX 050-1385-5303)までお問合わせ、お申込みください。

投稿日:2015年7月10日 10:48 pm



7月に入って雨続きだった空にやっと日差しが戻ってきましたが、この間の低温、日照不足のせいで雌花の実が膨らまないうちに落ちてしまいました。受粉しなかったためです。

スイカのツルはもう畑いっぱいに広がっているのに実がついていない風景はあまりに寂しい。ツルを延ばし歯を広げてせっせと光合成をやっても栄養分の持って行きどころがないのです。

 

 

スイカは柏たなか農園の夏の主役です。以前は5月末に麦刈りした後にスイカの苗を植え付けていました。麦刈りの後畑に残る麦わらを100%活用しようと考えたからですが、これだと収穫はお盆過ぎになり、スイカの旬の時期に間に合わなくなります。このため、昨年からは少し早めて5月中頃に早出しスイカ、麦刈り後の610日頃に遅出しスイカと2回に分けて植え付けるようにしました。本来なら今頃早出しスイカが大きくなり始め、真夏の強い日差しの中で甘さがどんどん増してゆくはずです。ところが早出しスイカは雌花がほとんど受粉失敗です。かろうじて受粉したものもまだ親指大くらいの小さな実しかついていません。このままでは今付いている実が大きくなる前にツルが枯れ上がり、甘いスイカの実にならないうちに終わってしまうかもしれません。

 

 

一方、スイカより早く植え付けたサツマイモは順調にツルを伸ばし始めています。長雨のおかげか、雑草もスイカのツルを凌ぐほどの勢いで伸びてきており、これから雑草取りに追われそうです。それでもスイカのように雌花が受粉するかどうか、スタートのところで心配しなくて済むのがありがたいです。



カテゴリー: 生育情報 お楽しみ もち麦

投稿日:2015年1月26日 10:46 am



 千葉県柏市で採れたハクサイなど地元野菜を使ってキムチ漬けを作って食べようと言う「柏キムチ講習会」を25日に柏たなか農園のすぐ近くの集会所「船戸会館」で開催しました。韓国キムチから抽出した「HS-1」という発酵バクテリアを増殖させてハクサイ漬けを作り、そこに具材を混ぜて熟成させるという独特の方法でキムチ漬けを作ります。初めからハクサイも具材もいっしょに漬け込む従来の漬け方に比べて、HS-1の増殖を先行させるので、途中で雑菌に負けて腐敗してしまうという失敗が少ないと考えられます。


 キムチ漬けに使う野菜は10種類にも上ります。ベースになるハクサイの他に混ぜこむ具材としてダイコン、ニンジン、長ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、それにキムチトウガラシ。このうちハクサイ、ダイコン、ニンジン、長ネギは柏市の南部で多種類の野菜を栽培している小川翔平さんの作物を使わせていただきました。今回は柏市が全国一の生産量といわれるカブも使ってみました。


 ハクサイを漬け込んだ後、その他の野菜は別々に前処理をします。ダイコンとニンジンは千切りにして塩、砂糖を振りかけてから揉んで軟らかくします。キムチトウガラシは沸騰させただし汁に入れてトウガラシの強さを引き出します。ニンニク、ショウガはすりおろし、長ネギ、ニラは細切り、タマネギ、カブは薄くスライスしておきます。最後に全体を混ぜ込み容器に入れて中の空気を抜き、熟成を待ちます。熟成には1、2週間かかりますから漬け込んだ当日いただくは無理です。参加した皆さんにはプラスチック容器に入れたキムチ漬けをお持ち帰りいただき、ご自宅で熟成してもらうことにしました。


 その後は予め漬け込んでおいたキムチ漬けを使ってキムチ鍋を作り、みんなでいただきました。キムチ鍋は身体の芯から温まり、この時期最高のごちそうです。最後にキムチを作るのに必要なHS-1の粉末と小川さんが作ったハクサイをお土産に、自宅でのキムチづくりを宿題にしました。
 今回は農園の近くの船戸会館を会場にしましたが、2月14日にはJR柏駅前のアミュゼ柏でも同じ内容のキムチ漬け講習会を開催します。今からでも間に合いますのでご関心ある方は柏たなか農園までお申込みください。メール:mochi47mugi@gmail.com 、FAX:050-1385-5303 です。

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