「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2015年6月11日 5:42 pm

 2015年産もち麦の麦刈りから10日が過ぎてまだ後処理の作業に追われています。もち麦の保管、袋詰め作業と並行してもち麦の刈り取り跡に残された麦ワラの処理がとても重要なのです。

  

畑にはもち麦の麦ワラがたくさん残されています。この麦ワラが夏から秋にかけての野菜作りにとても役に立ってくれます。夏の畑は強い日差しと数週間も続く日照りによる地下水位の低下、さらに病害虫が繁殖するなど作物の生育環境としては過酷な状況が予想されます。そこで、麦ワラを使って夏の畑の厳しさを少しでも緩和しようという狙いです。

 

 

 

麦ワラを回収して体験農園の実習畑の入口に積んでおき、さらに夏から秋に使いう分はビニールハウスの中に保管しておきます。余った麦ワラはスイカ畑の畝間を覆うように並べて、スイカが気持ちよくつるを広げるのを手助けします。さらに畑にすき込んで土壌の改良材として役立ってもらいます。

 

 

 

 麦ワラは束にして作物の株元に並べます。トマト、ナス、ピーマン、シシトウなど。キュウリやゴーヤは株元だけでなく根が広がる範囲を覆うようにたくさんのワラ束を並べます。作物のまわりに並べたもち麦のワラ束は畝の表面からの水分の蒸発を抑え、畝の表面の温度上昇を緩和し、さらにワラ束を厚くして日差しを完全に遮れば雑草の発芽を抑えてくれます。柏たなか農園の野菜作りの中で麦ワラはとても重要な役割を担っているのです。

  

 2015年産もち麦の販売は今月下旬からの予定です。少し先行して14日(日)10時~14時に柏駅前の高島屋で新麦の試食販売を行います。畑に残された麦ワラの処理と販売用のもち麦の袋詰め作業と同時並行で行かなければならず、今が柏たなか農園の一番忙しい時期です。

カテゴリー: 生育情報 土の学校 もち麦

投稿日:2015年4月30日 8:54 pm



GW最初の29日は土の学校の春の集い、「サバイバル体験」をテーマに開催しました。サバイバル体験の内容は、柏たなか農園の農場が大災害時の避難場所になったとしたら、という想定で①農園とその周りに自生している食用になる植物を使って料理をする、②できるだけ少ない水で料理を作る、③保存食を食べる--などです。

農園の隣りには竹林があるので、始めは筍煮を作る体験です。竹林がしばらく手入れしていない林なので筍が生えている場所まで、倒れたままの竹を取り除くなどして通路を作るところから始めました。竹林から掘り出した筍は皮がついたままたき火にくべました。筍に含まれる水分を使って煮てしまおうというねらいです。1時間近く焼いてようやく食べられるだけの軟らかさになりました。



もう一つは農園の一番端で落合さんに作ってもらっている畑の周りに生えているノビルを使ってお好み焼きを作る体験です。採ってきたノビルを細かく切り刻み水で溶いた小麦粉に混ぜてフライパンの上で焼くのです。落合さんは自然農法という、雑草をほとんど取らず農薬も肥料も使わずに野菜を栽培するという難しいやり方に挑戦しています。おかげで野草は好きなだけ繁茂しており、ノビルもたくさん採れました。

春の集いの本番が始まる前に体験農園の実習畑の周りを動物防除ネットで囲む作業をしました。畑の作物を野生の動物から守るためです。畑にはウサギ、タヌキ、イタチ、ハクビシンなどがやって来て畑の野菜、特にトウモロコシなど実物野菜を狙ってきます。カラスやキジなど鳥は空から来るので防ぎきれませんが地上からの攻撃を抑えるだけでも大分違います。



すべての作業が終わってようやくみんなで食事です。たき火で焼いた筍、ノビルのお好み焼きと野菜中心のバーベキューなどあまり手をかけず、たくさんの水も使わない料理ばかりです。この他にこの日の参加者が手作りの料理を差し入れしてくれました。こちらの方がおいしかったかもしれません。最後に保存食としてパックごはんをお湯で温めたのですが、おかずらしいおかずもなくご飯は残ってしまいました。サバイバル体験とはいえ、もう少しおいしく食べられるように工夫すべきだったでしょうか?

春のイベントは4年前の大震災と原発事故の記憶をたどるきっかけにしたいと考え毎年「サバイバル体験」をテーマにしてきました。柏たなか農園のある千葉県北西部は原発事故による放射能汚染とそれに伴う風評被害に苦しめられた地域です。今回使った筍も柏市では昨年まで出荷自粛で、今年からようやく安全性が確認され出荷が解禁になったものです。農作物=食料を作る上で畑を汚染から守ることは極めて重要なことであり、さらに汚染された場合に適切な打開策を打つことが大事です。私たちが身をもって体験した環境汚染問題の記憶を風化させてはならない、そういう思いで今年も春のイベントを開催しました。

投稿日:2015年3月8日 8:46 pm



 体験農園「土の学校」の2015年度が37日、8日にスタートしました。初回は約30㎡の実習畑に長さ約3mの畝を7本立てるところから始めるのですが、あいにくの雨模様の中で畝間の土を畝に移す作業になってしまいました。特に7日は昼前後が雨のピークとなり、この日受講した会員のみなさんはずぶぬれになりながら最初のハードルを突破。お疲れさまでした。


それでも畝を作らないことには始まりません。毎年3月は雨降りの日が多く、時々強い風も吹くので体験農園が平穏無事にスタートできる年は少ないのですが、今年も雨雲につかまってしまいました。来年1月までの11ヵ月間、空模様とにらめっこしながら土の学校での野菜作りを進めて行きます。



毎年のこととはいえ、3月の天気には苦しめられます。今年は講習会当日だけでなく、その前の準備段階でも3月の雨にたたられました。会員の数が今年は1.5倍に増えたので昨年までの実習畑では足りなくなり、新たに利根川に近い麦畑の一部をつぶして実習畑にしました。その分、作業量も増えたのに雨で準備作業がはかどりません。最初に畑に堆肥を入れて耕うんするところから出遅れてしまいました。耕うんした後に約30㎡の同じ形の区画を作り、区画ごとに番号札を立てるなどの一連の準備作業がありますが、これらの作業も遅れ、結局全ての準備が終わったのは開講日の講習開始時間の30分前、まさに滑り込みでした。

 前途多難を思わせる土の学校のスタートでした。今年もお天気対策には相当神経を使わなければならないでしょう。多少の悪天候でも健康でおいしい野菜を収穫するには…、野菜作りの技術向上をめざしてまた挑戦です。

カテゴリー: 土の学校 柏たなか

投稿日:2015年2月28日 10:39 pm



とうとう2015年度の土の学校の開講まで1週間になってしまいました。実習用の畑を作る作業が遅れに遅れています。一昨日、雨降り前と今日の午前中でようやく畑の耕うんが終わりましたが畝の周りに溝を掘るなどの作業はまだ着手できていません。遅れた理由は単にトラクターが壊れてしまったためです。



一昨年の秋に中古で安く購入したトラクターがわずか1年でダメになってしまいました。結果的には安物買いの何とやらになってしまったのですが、いまさら中古をやめて現金正価主義に変える気は毛頭ありません。現代の農業が機械なしでできるとは思えませんが、その機械を現金正価で買っていたのでは機械の代金を払うために農業やっているような結果になることは分かり切っています。とはいえ、新年度の体験農園がスタートするこの時期に新しい中古の(変な表現ですが)トラクターを探す時間もありません。というわけで、今回は畑の近くの農家に耕うんの作業をお願いすることにしました。初めはトラクターをお借りするつもりだったのですが、人に貸すのは心配ということで自分で作業をすることまで引き受けてくれたのです。

土の学校の実習用の畑は去年まで農園を横切る市道のわきだったのですが、新年度は受講者数が増えたのでこれまでの市道わきだけでは実習用の畑が足りず、利根川の堤防に近い場所の麦畑を一部つぶして新しい実習畑を作ることにしました。去年までが約10アールでしたが今年はさらに10アール以上増やすことになりました。



新年度に向けて実習畑の用意以外にも準備しなければならないことがたくさんあります。受講者数が増えれば毎回の講習会の参加者も増えるわけでその分、テーブルやいすも増やさなければならないでしょう。クワやコテなどの作業具も昨年壊れてしまったのを補う以上に用意しておかなければなりません。去年使った農業資材で壊れたりで再利用できないものは清掃工場にもっていかなければなりません。他にもいろいろと見落としているのがあるのではないかと心配です。

明日で新年度土の学校の説明会が終了、いよいよ3月7、8日から2015年度土の学校がスタートします。向こう約1年間(11ヵ月間)天候を見ながら病気やバクテリア、動植物による作物への影響を考え、早めに対策を立てなければなりません。気を抜けない日々が始まります。

 

投稿日:2015年1月26日 10:46 am



 千葉県柏市で採れたハクサイなど地元野菜を使ってキムチ漬けを作って食べようと言う「柏キムチ講習会」を25日に柏たなか農園のすぐ近くの集会所「船戸会館」で開催しました。韓国キムチから抽出した「HS-1」という発酵バクテリアを増殖させてハクサイ漬けを作り、そこに具材を混ぜて熟成させるという独特の方法でキムチ漬けを作ります。初めからハクサイも具材もいっしょに漬け込む従来の漬け方に比べて、HS-1の増殖を先行させるので、途中で雑菌に負けて腐敗してしまうという失敗が少ないと考えられます。


 キムチ漬けに使う野菜は10種類にも上ります。ベースになるハクサイの他に混ぜこむ具材としてダイコン、ニンジン、長ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、それにキムチトウガラシ。このうちハクサイ、ダイコン、ニンジン、長ネギは柏市の南部で多種類の野菜を栽培している小川翔平さんの作物を使わせていただきました。今回は柏市が全国一の生産量といわれるカブも使ってみました。


 ハクサイを漬け込んだ後、その他の野菜は別々に前処理をします。ダイコンとニンジンは千切りにして塩、砂糖を振りかけてから揉んで軟らかくします。キムチトウガラシは沸騰させただし汁に入れてトウガラシの強さを引き出します。ニンニク、ショウガはすりおろし、長ネギ、ニラは細切り、タマネギ、カブは薄くスライスしておきます。最後に全体を混ぜ込み容器に入れて中の空気を抜き、熟成を待ちます。熟成には1、2週間かかりますから漬け込んだ当日いただくは無理です。参加した皆さんにはプラスチック容器に入れたキムチ漬けをお持ち帰りいただき、ご自宅で熟成してもらうことにしました。


 その後は予め漬け込んでおいたキムチ漬けを使ってキムチ鍋を作り、みんなでいただきました。キムチ鍋は身体の芯から温まり、この時期最高のごちそうです。最後にキムチを作るのに必要なHS-1の粉末と小川さんが作ったハクサイをお土産に、自宅でのキムチづくりを宿題にしました。
 今回は農園の近くの船戸会館を会場にしましたが、2月14日にはJR柏駅前のアミュゼ柏でも同じ内容のキムチ漬け講習会を開催します。今からでも間に合いますのでご関心ある方は柏たなか農園までお申込みください。メール:mochi47mugi@gmail.com 、FAX:050-1385-5303 です。

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