「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2015年1月11日 5:37 pm

 2015年の年明けは寒さに加え強風が吹き今年も天気は大荒れかと思いきや、この週末は風もおさまり農園は平穏そのものです。水路を挟んで向かいの林には陽がおだやかな光を注ぎ、空には真綿のような柔らかい雲がゆっくりと動いています。この時期、畑の仕事に追われることもほとんどないので、のんびり過ごしています。改めて農園のまわりをながめて見るとのどかな風景に気持ちが和みます。


 体験農園「土の学校」の実習畑ではほとんどの作物が昨年末で収穫が終わりました。防寒対策で頭をわら縄で縛ったハクサイがところどころ残っている程度です。人の出入りも少なくなり、すっかり静かな畑になりました。

 

人気者のヤギくんはかまってくれる人がいなくて少し寂しそう。雑草も少なくなり、枯れ草や木の皮をはがして口に入れたりしています。時々、杉の木立に分け入り、木の枝に首を伸ばして好物の木の葉を食いちぎって食べることもあります。

 

さて、このおだやかな日々はいつまで続くのでしょうか?昨年は暑さ寒さがいつもとは違い野菜作りはずいぶん苦戦しました。今年の天気はこの週末のように平穏無事に行くでしょうか?それとも大荒れになるのでしょうか?肝心なことは天気が予想どおり行かなかった時の対策をどこまで用意しているかということにあります。作物や品種、栽培期間の選び方であり、肥料や農薬、その他の農業資材の使い方です。いろいろ考えているうちに農繁期が来てしまいそうな気がします。

投稿日:2014年12月9日 8:42 pm

 11月末にやっと種を播き終えた柏たなか農園のもち麦が一斉に発芽しました。種まきが遅れたので心配でしたが、とりあえず薄緑色のじゅうたんのような麦畑をみて一安心です。これから収穫まで6カ月近くかかります。柏たなか農園のもち麦は収量がやや少なめで、収量アップが目下最大の課題です。対策も考えてはいますが、結果はどうなるか、来年5月に答えが出ます。

 麦は寒さと乾燥が大好きな作物です。高温多湿を好む米とはまるで正反対です。とはいえ、種播き時期はあまり低温では発芽が悪くなるので本格的な寒さが来る前に種まきして発芽させます。冬の時期は地上部の伸びは抑えて、もっぱら地下の根っこをぐんぐん伸ばしてほしいのです。

先週から寒さが一気に強まり、毎朝見る畑は霜が降りて真っ白です。ハクサイなど冬野菜は寒さで葉がしおれるものもあります。とはいえ、寒さにあたるとかえって甘味が増すものもあり、野菜作りの中で一概に寒さを嫌うわけではありません。寒さ対策をしっかりやって、おいしい冬野菜を収穫したいです。もち麦も寒さの中で根っこをぐんぐん伸ばしてくれると期待しています。

投稿日:2014年10月31日 8:59 pm


 柏たなか農園「土の学校」の実習畑の秋冬野菜がなかなか育ってくれません。8月に植え付けたジャガイモはまだピンポン玉くらいにしか育っていません。9月に播いたシュンギクも、10月に入ってから播いたコマツナやカブも成長が遅いです。ハクサイやキャベツは結球が遅れています。理由は簡単、8月下旬に気温が下がったまま9月、10月となかなか回復しなかったからです。

あわてて液肥を購入、ときどき葉の表面に散布して回復を待っています。本来なら畑に撒いた肥料の成分を根から吸収して成長するのですが、それでは間に合わないので、カンフル剤的に葉の表面から肥料成分を吸収させようという作戦です。

 このところ日中は暖かさが戻ったようです。しばらく暖かさが続いてくれると液肥散布の効果もあり、秋冬野菜も成長の遅れを取り戻してくれるのではないかと期待しています。

去年までは残暑が厳しく、9月のお彼岸過ぎても真夏のような暑さが残りました。今年も残暑が厳しいだろうという想定で秋冬野菜の種播き、植付けを12週間遅らせました。秋の1日遅れは春の3日遅れとも1週間遅れとも言います。たとえ残暑が厳しかったとしても「秋の1日遅れ」がもたらす結果について思い描くべきでした。プロの農家としては天候のせいとは言いたくないのですが、読みを誤ったことは事実です。

 「地球温暖化」というと春夏秋冬、従来より気温が上がるような印象を受けますが、実際は気候の変動が激しくなるということのようです。従来の経験だけで天気を予想して作物を栽培すると失敗が多くなるということかもしれません。対策として考えられるのはその時々の気候の変動に合わせて栽培方法を細かく調整して行くか、それとも気候の変動に影響されにくい作物や品種を選ぶかですが、どちらも簡単ではありません。

 こうなると栽培環境をコントロールできる「植物工場」が異様に魅力的に見えてきます。農業関連のイベントが各地で開かれていますが、その中でも植物工場関連が元気なように見えます。もっとも元気なのは植物工場の製造業者の方で、利用する農家の側は多額の初期投資が必要なので、しっかりした販路を確保できなければ収支を償うのは大変そうです。地球温暖化時代に向かって栽培技術面でのうまい対応策ははたしてあるのだろうか?当分、試行錯誤が続きそうです。

カテゴリー: 生育情報 土の学校

投稿日:2014年5月16日 10:33 pm


 昨日、一昨日とスイカ、その前の日はサツマイモ苗をやっと植付けました。畑全体に堆肥と元肥を入れトラクターで耕運した後、幅約70cmの畝を立て畝の上をビニールシートで覆い、シートに穴を開けて苗を植え付けます。この時に使うビニールシートを今年は生分解性にしてみました。
 生分解性のビニールシートはスイカやサツマイモを収穫した後、土の中に残したままでも自然に分解してくれるので、ビニールシートを掘り出す作業をなくすことができ、その上廃棄処分もしなくて済むのでかなりの作業量軽減になりそうです。ただしお値段はこれまで使っていたビニールシートに比べ5倍以上とかなり割高です。それでも柏たなか農園にとっては作業量軽減は魅力的です。

 サツマイモの苗植付けは今週の火曜に体験農園の会員のみなさんに手伝ってもらう予定でしたが、あいにくの雨で中止になってしまいました。翌日、雨の合間にサツマイモを300本近く植え付けました。サツマイモの苗は今週初めにタネ屋さんから購入したもので、あまり長くは置いておけないため植付けを急ぎました。

 木曜も雨が降ったりやんだりでしたが、スイカ苗の植付けを敢行しました。6畝予定していましたが4畝しか作業ができず、残る2畝は今日にずれ込みました。スイカは夏の暑さが続いている間は収穫できるのですが、7月末から8月初めにかけてのイベントに間に合わせたいので、早く植付けたいと焦っていました。順調に行けば7月末には収穫できるはずです。
 スイカは今月下旬に予定している麦刈りの後、もう一度苗を植え付けます。植付けが6月に入ってしまうので収穫は8月のお盆過ぎになりそうです。それでも暑さは続くでしょうから8月後半から9月にかけてもスイカは売れると読んでいます。

投稿日:2014年3月6日 9:12 am


 38日、9日は2014年度土の学校の第1回講習会です。講習会直前ですがいつ、どのような作物を栽培し収穫するか、まだ検討中です。これまでの実績をもとに、新たに取り入れたい作物、品種などを考慮に入れて新年度の春夏から秋にかけての作付図を作るのですが、考える要素が多すぎてなかなかまとまりません。そういいながら実は、あーでもない、こーでもないといろいろ考えている時間が一番楽しいのです。

 3月初めの第1回講習会ではジャガイモを植え付けます。これはまず確定ですが、同じく3月初めにやるべきことが他にないか、確認します。3月下旬の第2回講習会では一気にたくさんの種類の種を播きます。まだ寒さが残っているでしょうから苗の植付けは少ないのですが、それでも暑さを嫌う作物は、少し寒さ対策をしてでも早めに植え付け、夏の暑さの来ないうちに収穫してしまおうと考えます。このようにして第3回、第4回と作業計画を立てて行きます。

 これまでの失敗もいろいろあります。農園での育苗がうまく行かず、受講者全員に配るには苗の数が足りなくなり急きょ、ホームセンターで不足分の数だけ苗を購入したり、農薬の散布を躊躇していたら大量の害虫が発生し、農薬散布のタイミングを過ぎてしまったため、害虫を1匹ずつピンセットでつまみ取らなければならなくなったことなど、数々の失敗をしてきました。失敗の経験を積み重ねてゆくうちに土の学校の作付計画も精度を上げてきてはいます。それでも新たな課題が次々と出てくるため、毎年当初計画が次々変更になります。地球温暖化で天気の荒れ方が以前より激しくなったり、気温の上げ下げの幅が大きくなり暑い日、寒い日の気温の差も拡大するといったことにも対応していかなければなりません。去年は10月が極端な日照不足で秋冬野菜が収穫までたどり着けないものもありました。


 昨5日は夜明け前からほぼ1日中雨でした。畑は雨ですっかりぬかってしまいました。この状況ではトラクターの作業などできるはずがありません。危険を察知して前の日の4日に体験農園に歩行式のトラクターを入れて、実習畑の区画づくりをやりました。もう1日作業を遅らせていたら講習会に間に合わなかったかも知れません。

 例年3月は雨の多い月です。その上、春の嵐もやってきました。多少の悪天候でも作業を進められるようにしておかないと、年間栽培計画は破たんしてしまいます。

カテゴリー: 土の学校 柏たなか
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