「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ
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投稿日:2020年4月6日 12:30 am
4月4日と5日の土の学校第3回講習会はついに青空教室での開催となりました。コロナ対策で、とにかく閉ざされた会場にたくさんの人を集めて話をすることが危険ということになってしまい、やむなくこれまで会場に使っていたビニールハウスから机と椅子、それにホワイトボードをハウスの前の広場に出して講習会場にしました。
4日は風もなく穏やかに晴れたのでかえって気持ちよいくらいでした。5日は少し冷え込んだので講習はごく短い時間で切り上げて実習畑の区画に分かれての作業に移行しました。正午近くに雨が降り出したので結果的には座学を早めに切り上げたのが正解でした。
今回第3回講習会での主な作業はエダマメとインゲンの種まきでした。3月の第1回、第2回に比べて作業量が少なく、比較的短い時間でできる内容でした。このため、座学の時間も短くすることができたわけです。講師も受講者もマスクを着けての異様な姿ですが、これもやむなしです。
天気さえ良ければ青空教室での講習の方がいいかもしれません。畑で作物を育てること自体、自然環境の中での営みであり、座学も自然環境の中でやれるなら理想的ともいえます。この日畑にきた子どもたちは座学には加わらず畑や周りの草むらで遊びに夢中になっていました。農園のある千葉県柏市も学校はほとんど休みで4月から始まるはずの新学期も開校の見通しが立たない状況で、子供らにとっても自然に触れ身体を動かすいい機会になったようです。
これから気温も上がってゆくので、次回以後も青空でやりたいところです。ただ、やれるかどうかは天気次第です。悪天候で青空教室は無理となった場合どうするのか、それはコロナ問題がどうなるかにかかっているといえます。これまで講習会ごとに作業内容を簡単なメモにして配っていたのですが、もし引き続き厳しいコロナ対策が求められる状況であれば配布していたメモをネットで送り、農園での講習はなしにして実習畑の作業だけという方法も考えられます。
投稿日:2020年3月28日 10:29 pm
毎年3月初めに開講する柏たなか農園の土の学校、今年は世界的なウイルス感染の拡大でといった重苦しい状況の中でしたがとにかく開講し2回目の講習会まで来ました。すでにダイコン、ニンジン、カブ、コマツナ、ミズナ、廿日ダイコン、ホウレンソウ、シュンギクと春の葉ものの種まきを終え、アブラナ科はほとんど発芽しました。
土の学校は年間通して野菜の栽培を楽しむのですが、そのためにはまず畝を立て、元肥を入れ、マルチシートを張り、といった野菜作りのインフラを構築し、その上に種を播かなければ始まりません。世情が落ち着くまでなどと言っていたら何にもできないのでとにかくスタートしたわけです。
学校の授業はビニールハウスでの講習があり、その後実習畑に出て講習の内容に沿って畑仕事をこなしていきます。ビニールハウス内は会員のみなさん、お子さんも含めて40~50人程度の席が満員状態になることもあります。心配したら切りがないのですが、大人数で集まることを控えるようにとのお達しが出されている中でどうしたらよいか、講習会を主宰する側としては気が重くなります。
9年前の2011年を思い出します。この年の土の学校は3月12日、13日にスタートする予定でした。その前日が3.11東北大震災です。この段階でまず柏たなか農園の畑は無事だったのですが、会員のみなさんの多くが帰宅困難などいろいろ課題を抱えており、お互いの連絡もままならない中で、土の学校を開催すべきかどうか判断しなければなりませんでした。あの時は結論として第1回講習会は当初予定通り開催し、その1週間後には補講を行うことにして、すぐに会員のみなさんにお知らせしました。まもなく帰宅困難者も家に戻り、土の学校にも出かけることができるようになりました。
今回は帰宅困難といったことはないのですが、人が集まること自体危険視されている中で講習会を開催しても大丈夫かといった心配はあり得るわけです。いまはただウイルス感染が早く収束してほしいと願うばかりです。
投稿日:2020年2月16日 5:25 pm
2020年度土の学校の開講が来月初旬に迫り準備に追われています。その中で今年は通常の準備作業に先立ち畑の水はけ対策を進めてきました。
昨年は秋の台風以降、長雨にたたられ秋冬野菜がかなり苦戦しました。柏たなか農園の畑は全体にゆるい傾斜になっているので大雨が降っても畑の表面に近い雨水は流れてしまうのですが、昨年秋は雨降りの後になかなか晴れがなく、畑の表面が乾くまで行かないうちに次の雨が来るという繰り返しで作物の根がずっと水に浸かった状態になってしまいました。気象異変で今年も同じような天候になるおそれがあり今から準備しておくことにしました。
対策としては畑全体に弾丸暗渠といって30cm程度の深さに縦横に貫く穴を掘りました。トラクターの後ろに溝掘り装置を取り付け、その先に付けた弾丸状の穴掘り器具が畑の深いところに穴を開けて行くという仕組みです。雨降り続きで表面から流しきれず畑の畝間にたまってしまう雨水を地下から流し出そうという試みです。
畑の水はけ対策を施した後、畑全体に堆肥を散布しました。堆肥は利根川対岸の守谷市にある牧場で大量に作られている牛糞堆肥を搬入。散布量は10アールあたり3トンとやや多めにしました。この後、何度かトラクターで耕耘した後、土の学校の実習用に区画を作って行きます。2020年度土の学校の第1回講習会は3月7日・8日、開講に向けて準備大詰めです。
投稿日:2019年9月9日 10:46 pm
台風15号、農園始まって以来のものすごい台風でした。以前の台風の被害を全部足し合わせたような被害が引き起こされました。農園の中心部に立っているビニールハウスのわきに作った「夏のすずみ処」はペシャンコにされました。近くの竹林から林の保全をかねて伐りだしてきた竹を組んで作った60㎡ほどの施設ですが、周りに植えたゴーヤ、キュウリ、シカクマメが緑のカーテンになって日陰を作りちょうど良い夏のすずみ処になっていました。枝葉を延ばした分、重さがかかり台風には抵抗できなかったようです。土の学校の講習メニューの一つとして栽培しているシカクマメの方はつるを絡ませるために立てたキュウリ用のアングルが強風でグシャっと曲がってしまいました。
資材の保管庫もやられました。車の通路と並行においてあったはずのユニットハウスが約30度ずれて変な方向を向いています。以前も同じような経験があり、その後少しの風では動かないように周りに鉄の杭を打ったりしていたのですが、到底強風にはかなわなかったようです。利根川側の資材保管用の物置はすぐ下の車の通路に倒れ込み通路を塞ぎました。倒れ方が悪くて天井と床が逆になり床が上を向いた形で、当然中の資材類もひっくり返って中はめちゃめちゃになっているはずです。通路をふさがれては車が通れないので通路の真ん中より端の方へずらしましたが、人の力では全体を動かすのは難しそうなので、抜本対策は少し先にしました。
畑の作物にも大きな影響が出ました。トマトやキュウリ、ゴーヤのために組み立てた支柱はほとんど倒されました。ナス、ピーマン、万願寺トウガラシ、モロヘイヤも軒並み倒されたり斜めに傾いたりしています。ちょうど夏の野菜から秋冬野菜への切り替え時なので、倒されたものは早く撤収して次の秋冬野菜に集中したいです。
秋冬野菜のとっかかりとして今月初めに植え付けたキャベツ、茎ブロッコリーは虫の浸食を防ぐため防虫ネットをかけておいたのですが、ほとんどはがされました。この後植え付ける作物の苗は隣のビニールハウスで育てていたのですが、これもハウスの窓から吹き込む風で傾いたり葉がちぎれたりしていました。
幸い、畑の真ん中に立つ2棟のビニールハウスは無事でした。大きなビニールハウスは「土の学校」の講習会場として使っているので、ちょっとやそっとでは倒れないようにかなりな強度の構造にしています。小さな方のビニールハウスも苗作りなどで使っているのでかなり頑丈な作りにしています。
台風はこのところ毎年のように日本のどこかで大被害をもたらしており、今回はとうとう関東地方に上陸してしまいました。この先も台風が強くなる傾向なら畑の防御態勢も見直さなければならなくなりそうです。
投稿日:2019年7月23日 7:58 am
梅雨が長引き畑の作物たちは深刻な事態になってきました。畑に水がたまったまま乾いてくれず全体に水分過剰です。日照時間が短いため作物は養分を吸い上げることができず、光合成も十分でないため思うような成長ができません。このままだと夏に予定していた収穫イベントも開催できるかどうか心配になってきました。
いまごろ一番元気なはずのミニトマトですが、今年は6月末あたりから先端の芽が枯れて元気がない木が見られるようになりました。芽が枯れるという現象は初めてで対策の立てようもないまま、広がってしまいました。そのうち、元気だったミニトマトの木も葉の先端から黒変し始め、徐々に広がり気がつくとほぼすべてのミニトマトがやられています。
それでもトマトの青い実が少しずつ赤く色づいてきたので収穫だけはしてきました。そのうち、葉だけでなく茎の部分も黒くなり病気が広がっているのが分かります。やむなく病気でやられた葉や茎を切り落とし、病気が木全体に広がっているものは株ごと抜いてしまいました。
毎年夏の収穫イベントの定番になっているスイカは6月上旬と下旬の2回に分けて植え付けましたが、早く植えたゴジラスイカが苦戦しています。畑にビニールシートをはり、シートに2メートルおきに穴を開け、穴にスイカの苗を植え付けるというやり方ですが、一部は植え付けた苗がいくらも育たないうちに成長がストップしてしまいました。これは対策の立てようがありません。植え付けた根元の近くの葉の色が黒変するという現象はスイカでも見られます。全体の半分近くがやられているのでとりあえず農薬を散布して病気の広がりを抑えようとしています。
病気のせいかどうか分らないのですが花の付き方が遅れています。スイカの花はオスとメスがあり雄花の花粉が飛んでいって雌花のめしべに受粉することで実になります。受粉はミツバチにやってもらうのですが、確実にするために人手で授粉の作業を行うこともあります。いずれにしても花が咲かなければ始まらないのです。
その他トウモロコシ、キュウリ、オクラやシカクマメなども成長が遅れています。少なくとも日照不足が解消され強い日差しが来てくれないことには夏の作物は元気になりません。
一方ナス、サトイモなどは多少水分が過剰気味でも育つので、いまのところ元気にやっているように見えます。それも日照不足が続くと影響が出てきそうです。ここ数年は見られなかった異例の長梅雨、畑の作物がどこまで耐えられるか心配です。