「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2014年11月25日 5:25 pm

柏たなか農園の主力作物であるもち麦の種播きが大変です。昨年は11月半ばには終わっていたのが今年は11月下旬になってもまだ終わっていないのです。もとはといえば、秋のイベント対応などで畑仕事に集中できなかったことに加えて、今年は冬の寒さが来るのが遅いとみて麦の種播きを少し遅らせて良いと楽観的に考えていたことも影響しています。


 種播きといっても、その前にやらなければならないことがあります。夏の間に雑草だらけになった畑をきれいにして、種を播ける状態にしなければなりません。枯れ草だらけの地上部をトラクターで耕すだけではきれいに整地できそうもない時は先に枯れ草を燃やすなどの処理をしなければなりません。
 その次に堆肥を畑に投入します。堆肥は10アール(約300坪)当たり2トン~3トンになります。今年種播きする面積は約80アールなので少なくとも20トン近く投入しなければなりません。これだけの量の堆肥を利根川の対岸の守谷市の牧場から運びこんでから軽トラに積み替えて畑に散布する作業が大変です。堆肥の山をスコップで崩し軽トラの荷台に投げ込むのですが、荷台をいっぱいにするのに約300回、スコップを上げ下げします。80アールの畑に投入する堆肥を軽トラに積み込むには数千回スコップを使うことになります。一気にやったのでは身体が壊れてしまうので休み休みやることになり、なかなか進みません。


 堆肥を入れた跡を一度トラクターで耕うんしてからようやく種播きです。肥料と混ぜた種をバケツに入れて畑に播いて行きます。種まきした跡を軽く耕運して種麦を土と混ぜます。
 昨年はここまでで一段落だったのですが、今年はこの後除草剤を撒きました。冬を越して麦が育つころになると雑草もいっしょに伸びてきて麦の成長の邪魔をします。もち麦収穫時には雑草の実が不純物として混入し品質が損なわれます。雑草の被害を防ぐため、収穫前に麦畑に入り雑草を手作業で引き抜いていたのですが、この作業があまりに負担が大きいので予め除草剤を撒いておき、収穫前の草取り作業を軽減しようと考えたのです。その分、種播き段階では1工程、作業が増えてしまいました。
 種播きの作業内容が昨年より増えたにもかかわらず作業日程を遅らせたのだから、作業終了時期がずれ込むのは当たり前なのですが、それにしても遅れすぎです。最終段階でまた天気が崩れてしまい種播きの作業が中断しています。昨年に比べ約10日の遅れを来年5月末~6月初めの収穫までに取り戻せるでしょうか?


 利根川に近い方の畑の角には年の最後に咲く花、皇帝ダリアが誇らしげにピンクの花を開いています。
カテゴリー: 生育情報 柏たなか もち麦

投稿日:2014年10月31日 8:59 pm


 柏たなか農園「土の学校」の実習畑の秋冬野菜がなかなか育ってくれません。8月に植え付けたジャガイモはまだピンポン玉くらいにしか育っていません。9月に播いたシュンギクも、10月に入ってから播いたコマツナやカブも成長が遅いです。ハクサイやキャベツは結球が遅れています。理由は簡単、8月下旬に気温が下がったまま9月、10月となかなか回復しなかったからです。

あわてて液肥を購入、ときどき葉の表面に散布して回復を待っています。本来なら畑に撒いた肥料の成分を根から吸収して成長するのですが、それでは間に合わないので、カンフル剤的に葉の表面から肥料成分を吸収させようという作戦です。

 このところ日中は暖かさが戻ったようです。しばらく暖かさが続いてくれると液肥散布の効果もあり、秋冬野菜も成長の遅れを取り戻してくれるのではないかと期待しています。

去年までは残暑が厳しく、9月のお彼岸過ぎても真夏のような暑さが残りました。今年も残暑が厳しいだろうという想定で秋冬野菜の種播き、植付けを12週間遅らせました。秋の1日遅れは春の3日遅れとも1週間遅れとも言います。たとえ残暑が厳しかったとしても「秋の1日遅れ」がもたらす結果について思い描くべきでした。プロの農家としては天候のせいとは言いたくないのですが、読みを誤ったことは事実です。

 「地球温暖化」というと春夏秋冬、従来より気温が上がるような印象を受けますが、実際は気候の変動が激しくなるということのようです。従来の経験だけで天気を予想して作物を栽培すると失敗が多くなるということかもしれません。対策として考えられるのはその時々の気候の変動に合わせて栽培方法を細かく調整して行くか、それとも気候の変動に影響されにくい作物や品種を選ぶかですが、どちらも簡単ではありません。

 こうなると栽培環境をコントロールできる「植物工場」が異様に魅力的に見えてきます。農業関連のイベントが各地で開かれていますが、その中でも植物工場関連が元気なように見えます。もっとも元気なのは植物工場の製造業者の方で、利用する農家の側は多額の初期投資が必要なので、しっかりした販路を確保できなければ収支を償うのは大変そうです。地球温暖化時代に向かって栽培技術面でのうまい対応策ははたしてあるのだろうか?当分、試行錯誤が続きそうです。

カテゴリー: 生育情報 土の学校

投稿日:2014年8月17日 5:25 pm


 昨日16日はこの夏のスイカ収穫体験の第1回目を開催しました。参加してくれたのは柏市、松戸市から来てくれた親子連れなど4グループ。柏たなか農園のスイカ畑から1人4個程度収穫して畑から運び出し、軽トラックに乗せました。収穫したスイカを1個ずつ、秤にのせ重さを測り、重さ別にグループ分けしてすぐに出荷できるところまでやっていただきました。実際の農家がスイカ畑でスイカを収穫して出荷の準備をするまでをイメージしたのですが、十分に感じ取ってもらえるような体験になったでしょうか?

 柏たなか農園で作っているスイカは枕スイカといって長丸型のスイカです。フツーの丸いスイカに比べて皮の部分が厚くその分、重量もあります。今回のスイカ収穫体験で参加者が畑から採ってきたスイカは平均すると約8kg、一番大きいのは11.8kgもありました。畑でスイカのつるからスイカを切り取るのは簡単ですが、切り取ったスイカを畑から運び出すのが大変です。その後も計量などのためスイカを移動させるたびによっこらしょと重いスイカを持ちあげなければなりません。働き手のお父さんらも汗だくになってスイカ運びをやっていました。

 農作業の後は収穫したスイカを割って試食してもらいました。その後はお茶タイム、といってもスイカの日なので予め家で作ってきたスイカジュースを紙コップに分けて飲みました。お茶受けは柏たなか農園の主力作物であるもち麦を使った焼き菓子(取手市のケーキ屋さんが作ってくれたもの)を出しました。最後に参加者1グループにつき2個ずつ、大きなスイカを持って帰ってもらいました。

 農園で収穫したスイカは重さ別に値付けをして地元のスーパーなどの店頭に並べて販売します。その際、今年は千葉県から「千葉エコ農産物」の認証を受けたので、証明となるシールをスイカに貼りつけます。千葉エコ農産物というのは従来型の農産物の作り方(「慣行農法」と呼んでいる)に比べ農薬や化学肥料の使用量を半分以下に抑えるなど、環境に優しい方法で作った農産物だと千葉県が認証したものです。柏たなか農園の場合、もともと農薬使用量は必要最小限なので問題なかったのですが、化学肥料(主として窒素成分)の使用量を減らすためにちょっと割高なイセキ農機の「有機複合肥料」を去年から使うようにしてきました。「千葉エコ農産物」のシールを貼ってあることを消費者が評価してくれることを期待しております。
 8月もお盆を過ぎてからのスイカの出荷は出足が遅いような気がしますが、柏たなか農園の場合、5月末から6月にかけて主力のもち麦の収穫から出荷までの作業があるので、スイカの作業はどうしても遅くなりがちです。もち麦の作業の合間を縫って植え付けたスイカもつるを延ばすころにはスイカ畑が雑草で覆い尽くされてしまいます。7月からずう~っと雑草を取り続けてようやくスイカを収穫できるところにきました。
 柏たなか農園のスイカ収穫体験は8月30日にもう1回開催します。参加ご希望の方はお名前、参加者数、住所、電話番号を書いて以下のアドレスにお送りください。
 mochi47mugi@gmail.com
なお、参加費は1グループ(1家族程度を想定)につき1000円です(トップページのお知らせ欄参照)。

投稿日:2014年7月5日 11:29 am


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月末に刈り取ったもち麦の刈り跡に残した麦わらが大活躍です。スイカとカボチャ畑では畝と畝の間にワラを敷きつめました。体験農園ではナス、サトイモ、キュウリなどの根元に敷いてわらマルチにしました。麦農家でなければできない栽培法だと自慢しています。


スイカは苗を
5月中ごろに80本植え付けました。この時はまだ麦刈り前だったので麦わらなしでスタートしました。麦刈り直後に麦畑から麦わらをスイカ畑に移動して、スイカのつるが伸びている下にわらを敷きました。6月中ごろにはスイカの第2弾として麦刈り跡に4160本のスイカ苗を植え付けました。こちらは麦刈り跡に植え付けたので、すでに麦わらが刈り倒されており、わらを敷く作業は簡単です。

スイカと前後してカボチャ苗も植え付けました。カボチャ畑は同じウリ科のスイカと交雑させないように道路を挟んで反対側にしました。こちらも麦刈り跡で、刈り倒された麦わらをそのまま広げてわらマルチにしました。

 

こうしておくとスイカのつるが麦わらの上に伸び、雨が降っても葉が泥まみれにならずにすみます。やがてスイカの実が大きくなった時にはわらの上なので直接地面に接することなく、湿気や害虫の被害を軽減できると考えています。

体験農園では梅雨前線が居座るこの時期が全体の折り返し点にあたり、トマト、ナス、キュウリといった実もの野菜が収穫期を迎えます。この先、梅雨が明けると連日の暑さに加え、日照りが続くかもしれません。その時に野菜の根元に麦わらを敷いてわらマルチにしておくと水分の確保、病害虫被害の軽減につながります。もっとも、麦わらが害虫の隠れ家になることもあるので時々は麦わらの陰に害虫が潜んでいるか点検も必要です。

 

今年の麦刈りは531日に終了しました。6月に入ったとたんに大雨となり、そのまま長い梅雨が続いています。今思い返すと、5月末に収穫を終えておいて助かりました。ここ数年とは比べ物にならないくらい良く降ります。この先、日照が少なく気温が低いとスイカのできが心配です。なかなか明けない梅雨に気をもんでいます。

投稿日:2014年5月29日 11:11 pm

もち麦の収穫始めました。明日までに柏たなか農園のもち麦、大部分を収穫します。ごく一部は今週末に開催のイベント「もち麦収穫体験」で刈り取ります。

   畑はもち麦の紫色一色に染まりました。その畑にコンバインを入れてどんどん刈り取って行きます。今日は市道と県道に挟まれた場所にある畑(H14と呼んでいる)の7割くらいを収穫しました。一部、雑草がひどくコンバインでの収穫作業も難航しましたが、息子に手伝ってもらい、何とか作業を進めることができました。明日は利根川の堤防の手前の畑を全て刈り取ります。

刈り取った麦は乾燥・調整といって水分量を下げてゴミを取り除き保存性を良くしてから一部を袋詰めし、残りを低温の倉庫で保管します。

今日も新年度のもち麦の販売予定のお問合わせをいただきました。このまま順調に行けば6月第3週から柏市内の直売所などの店頭に置かせていただきます。柏たなか農園のおひざ元、つくばエクスプレス柏たなか駅前でも去年からの継続でスーパー・カスミストアのお米・雑穀コーナーに置いていただくことになっています。

今週末の土日はもち麦の麦刈り体験イベントです。麦刈り用のカマを使って麦刈りを体験してもらいます。その後、2014年産もち麦で炊いたもち麦ごはんを試食していただきます。

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