「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ
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ついに自社専用もち麦乾燥機を導入
投稿日:2018年3月16日 10:56 am
3月に入り順調に伸びるもち麦、5月の収穫に向けて新たに乾燥施設を導入します。柏たなか農園始まって以来の巨額の投資です。昨年末から建屋の補修、電力線の引き込みなどの準備を進め、今週初めから機械の導入を始めました。
乾燥機本体は高さ6m近く、文字通り見上げるほどの大きさですが、近頃はお米を作ってきた農家が次々とやめて行くのでこれらの農家から出る中古の乾燥機を安く入手することは難しくありません。問題は高さ6m近い機械設備を収容する建屋です。更地をコンクリートで固めてその上に鉄骨の建屋を建てるとなるとそれだけで1000万円近くかかってしまいます。どうしようかと悩んでいたところ、農園の近くでやめた農家が乾燥機を入れるつもりで建てた小屋が放置されており、土地ごと借りられることになりました。昨年秋のことでした。小屋はゴミ捨て場になっており、内装も外回りも大分傷んでいましたが年明けからゴミの山を処分し、何とか使えるところまできました。
今月に入り、昨年から申請していた電気が一部使えるようになり、小屋の修復も仕上げることができました。今週初めにまず、乾燥した麦を一時保管するための巨大なじょうごのような形をしたストッカーという設備を小屋の一番奥に設置しました。
それから乾燥機本体の搬入です。入口のシャッターを開けても高さは3m足らずです。ここに6m近い高さの機械をどうやって搬入するのかと見ていましたところ、乾燥機の底から上部まで麦を吹き上げるエントツ部分を切り離し、乾燥機本体も上下に切り離してシャッターをくぐらせ小屋の中で組み立てました。続いてエントツ部分も斜めにしてシャッターをくぐらせ本体にねじ止めします。後は制御用の装置を取り付け、回転部にベルトをはめ込むなどして乾燥機の設置作業も何とかクリアしました。
この後、3月末までに乾燥済みの麦についているゴミを取り除くための籾摺り、石抜き装置、さらに麦粒の大きさをそろえる選別機を導入して今回の設備計画は完了します。
多額の資金を投じ、たくさんの労力を費やしてまで自前の乾燥設備を持つことにした理由は何でしょうか?それはもち麦の品質向上です。
柏たなか農園のもち麦生産は米農家の設備を使わせてもらうことで成り立ってきました。米農家の設備を使えば自前の設備投資をしなくてすみ、経営的にはとても助かります。ところが、委託での生産量が増え、取り扱うもち麦の総量が大きくなるにつれ米農家依存の問題点も露呈してきました。
米農家の乾燥機を使わせてもらうには乾燥機のお掃除をしなければなりません。しかし、米農家も1年中作業日程が立て込んでおり、もち麦の収穫時期に合わせて乾燥機を掃除するための作業時間を割くことは難しく、大概収穫遅れになり、もち麦の品質低下につながります。さらに丁寧にお掃除してももみ殻付きのお米がもち麦に混入するのを防ぎきることができません。これらの品質低下要因を取り除くために乾燥機の導入という決断をしなければならなかったのです。
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