「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

強風、砂ぼこりの中で野菜の種まき

投稿日:2011年3月28日 8:51 pm

 東京電力の原子力発電事故がとんでもない方向に暴走を始めています。原発周辺の広い範囲で農産物の放射能汚染が確認され、風評被害も含め農産物の流通に大きなダメージを引き起こしています。原発事故がこれほどひどい影響をもたらすとは想像していませんでした。東電は原子力の安全神話をアピールすることばかりに気を配り、肝心の安全対策、および事故発生時への対応がおろそかになっていたことが今日の悲劇につながったのだと思います。



 地震とそれにつづく原発事故の混乱の中で、いつの間にか春分が過ぎ、柏の畑に当たる日差しも日に日に強くなってきています。ところが畑の作業はなかなかエンジン全開とはいきません。作付計画がなかなか決まらないからです。今年の課題は売れる野菜を作ること。野菜を作るからには売れる見込みが立たなければなりません。しかし、何が売れるか見通すのは容易でありません。畑の入口ではこの冬、収穫しきれなかったハクサイが黄色い花を咲かせています。畑を明るくしてくれるのは良いのですが、出荷できずに畑に残ってしまったのは農業としては失敗です。



 土の学校の第2回講習会、初日は強風が吹き、最悪のコンディションでした。ホウレンソウ、シュンギク、カブ、ニンジン、ダイコンの種をまいたのですが、まず種まきをする畝をビニールで覆う作業が、ビニールが風にあおられて思うようにできません。野菜の小さい種は手のひらに置いたとたんに風に飛ばされてしまいます。その上、隣の畑から飛んでくる砂埃が作業をしている人たちに容赦なく襲いかかり、目も開けていられません。作業を途中であきらめ、引き揚げてしまった人もいました。翌27日も前日ほどではないにせよ、時折強い風が吹き、種まきは苦戦しました。自然相手なのでやむを得ないところもありますが、前途多難を思わずには居られません。



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