「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2016年12月30日 12:04 am



柏たなか農園の年の暮れは「たき火の会」で締めくくることにしています。今年も29日に開催しました。火をたいて野菜の煮物や焼き芋を作るだけのことですが、参加した土の学校の会員の皆さんもシンプルな野菜料理のおいしさを味わっていました。

 

 まずは畑で採れたハクサイの葉をまるごと使った「はさみ煮」。ハクサイの葉を重ねてその間に豚肉の薄切りを挟んで鍋で煮こみます。豚肉の方に塩コショーを振りかけただけで煮込んだのですが、ハクサイの甘みが効いておいしさいっぱい。

 

 カボチャの煮物も作ってみました。使ったのはつるくびカボチャという鳥のつるの首のように長くて曲がった形のカボチャ。普通のカボチャより皮が柔らかいので包丁で削り落とします。サイコロ状に切り刻んで少し塩を加えて時間をかけて煮込みます。「本当にお砂糖使っていないの?」、甘味料をいっさい使わずに煮込んだスープ状のカボチャを食べてみた参加者らが一応にその甘みに驚いていました。

 

 このブログで何回も紹介している「もみ殻焼き芋」も作りました。もみ殻を焦す時の熱を使って作るサツマイモの焼き芋、温度がとろーりとろとろのあまーい焼き芋を焼くのにちょうど良いようです。

 

 たき火の熱を使っただけのシンプルな野菜料理を味わう「たき火の会」、年末のあわただしさとは別世界のようなのどかな柏たなか農園でした。





カテゴリー: 土の学校 イベント

投稿日:2016年10月2日 10:38 am



今年もイモ掘りやります。8月から続く長雨でイモのできが心配でしたが、試し掘りしてみたところ、まずまずの出来のようです。



 イモ掘りはサツマイモの葉で覆われたイモ畑からイモづる式に掘り出します。今年の栽培品種は甘味が強いベニハルカと安納いも。イモを傷つけないように外側からそっとスコップを入れ、土の中からごっそり掘り出すのが快感です。この楽しさはやってみないと分かりません。お父さん、お母さんもおもわず夢中にさせてしまいます。



収穫の後は柏たなか農園特製のもみ殻を使った美味しい焼き芋を味わっていただきます。もみ殻焼き芋というのは収穫が終わったお米のもみ殻を集めてきて、炭状の「クン炭」というものを作る過程で焦げた状態のもみ殻の中にサツマイモを1時間近く放り込んでおくと自然にやわらかい焼き芋ができるというものです。特に安納イモでつくるもみ殻焼き芋にはねっとりとした甘味があり、比類のない美味しさです。



最後に掘り出したイモをお持ち帰りいただきます。ぜひご家族で、お友達同士で体験してみてください。場所はTX柏たなか駅から車で5分の「柏たなか農園」。昨年、一昨年来てくれた方ももちろん大歓迎です。 (詳細はお知らせ欄参照)



投稿日:2016年9月23日 10:32 pm

 


 悪天候が続く中、雨が止むタイミングをねらってアブラナ科のキャベツ、ブロッコリー、ハクサイなど秋冬野菜の植付けを進めています。毎年、野菜の苗作りは苦戦してきましたが、この夏は苗作りの外部委託という新たな選択をすることでだいぶ楽になりました。委託先は畑の近くにある千葉大学柏キャンパスの育苗施設です。

 

 

 

 秋冬野菜の苗は夏の暑い盛りに種播きして発芽から45週間、暑さ・病害虫と闘いながら育てなければなりませんでした。アブラナ科の主要な害虫といえばチョウやガの仲間=リンシ目の幼虫です。これを防ぐには苗を育てるビニールハウスに親のチョウやガを侵入させなければよいわけですが、真夏にビニールハウスの窓を閉め切るなどあり得ません。昼間はらくに50℃を超え苗がまいってしまいます。遮光のビニールハウスもありますが、日照不足で苗がひょろ長い徒長苗になってしまいます。

 

 

 

これらの課題は千葉大柏キャンパスの育苗施設なら一気に解決してしまいます。ビニールハウスの中の環境管理が完璧で、外部からの害虫の侵入も遮断できるからです。委託料はかかりますが、ホームセンターの野菜苗を買うよりはるかに安価で、しかも自分の判断で品種を自由に選べます。「苗半作」と言われるように野菜作りの中で苗作りは大変重要です。ですが、野菜苗を必ずしも内製する必要はないわけで、今回のように外部委託という選択肢もあったわけです。委託先の千葉大の先生は「これからの野菜作りは苗専業と苗を外部から調達する農家に分かれていきます。その方が合理的でしょう」と言っていました。

 

 

 

千葉大柏キャンパスには植物工場と呼ばれる高度に環境管理された栽培施設が多数建っています。その一角に植物工場とは別に花や野菜の苗を育てる専用施設があります。この施設では作物の種類、品種ごとに異なる発芽適温に合わせて発芽させ、苗の生育条件に合わせて温度、湿度などの生育環境の管理ができます。これまでの柏たなか農園では考えられないような恵まれた施設があり外部委託も受けてくれるのですから使わない手はありません。来年も春先に種播きする春夏野菜の苗作りも外部委託にした方が良いと考えています。

投稿日:2016年7月28日 9:20 pm

7月も28日になってようやく梅雨明け、スイカ畑にも真夏の日差しが照りつけています。柏たなか農園の夏の主力作物はスイカ、甘さを決めるのは日照です。ことしは長梅雨のせいで日照が不足気味、何よりスイカのでき具合が心配でした。本来なら8月前半から収穫可能ですが、7月後半の日照不足を計算に入れるとちょっと自信が持てません。やはり8月も後半まで待った方が賢明だと考え、毎年開催してきたスイカの収穫体験イベントも今年は夏休みの終盤へと先送りすることにしました。



 柏たなか農園の春の畑はほとんどがもち麦で占められており、スイカを植え付けるスペースを確保するのが大変です。このため植え付けはほとんどがもち麦を収穫した後の6月に入ってからになりますが、それだとスイカの収穫は8月のお盆の後になってしまいます。どうしてもお盆に間に合わせようとするともち麦の一部をつぶしてスイカを植え付けるしかなくなります。今年も5月中ごろに5アールばかりつぶして(柏たなか農園としては)植え付け時期の早いスイカを作り始めました。ところが長梅雨で日照不足、その上もち麦収穫直後の袋詰め、出荷などの後工程に追われたため、スイカ畑の栽培管理が後手後手に回ってしまいました。




 いま、スイカ畑には何本もの支柱が立っています。受粉した雌花の位置が分かるように支柱を立てておくのです。スイカは雄花の花粉がミツバチによって雌花に運ばれて受粉し実をつけるのですが、確実に受粉させるために雌花が開いているタイミングをねらって人手で雄花の花粉を雌花のてっぺんにこすりつけます(授粉といいます)。この時点ですでにスイカ畑はスイカのつるが延び、つるから延びる葉でほとんど覆い尽くされています。今はまだ小さな実ですが、この先スイカの実が大きくなるとともに畑はますますたくさんの葉が茂りスイカが葉の下に隠れてしまうので今から支柱を立てておくのです。



梅雨が明け、いよいよ強烈な日差しが続くと期待されます。ただ、7月の後半が日照不足だったため8月前半に甘いスイカを大量に収穫するのは難しそうです。早く植え付けたスイカがもたついている間に6月に入ってもち麦の収穫跡に植え付けた遅植えのスイカが急成長して早植えのスイカに追い付きそうになってきました。そこでスイカの収穫体験も当初考えていた8月中ごろの開催をあきらめ、遅スイカの収穫適期にあたる8月27日(土)、28日(日)に開催することにしました。
夏休みのスイカ収穫体験は人気のイベントで、毎年お子さんを連れてこられる方もいます。スイカの収穫は宝探しのような楽しさがあります。広~い畑にスイカがつるを延ばし、その下に大きな実をつけています。見つけたスイカは重さが1個8kgから10kgを超えるものもあり、畑から運び出すのも一苦労。暑さの中、スイカを収穫した後はみんなでスイカを試食して最後に収穫したスイカをお持ち帰りいただきます。親子だけでなくお孫さん、友だち同士などでも参加OKです。参加費は1家族、または1グループ1000円。畑の端に駐車スペースもあります。
すでにメールでの問い合わせをいただいております。今年もたくさんの方のご参加をお待ちしております(2016年のスイカ収穫体験イベントの詳細はトップページのお知らせ欄に掲載)




投稿日:2016年2月27日 9:58 pm

 2016年度土の学校開講まであと1週間、実習畑の区画作りなど準備追い込みです。前年度に実習用に使った畑に堆肥を入れもう一度耕し直してから新年度の受講者のための区画を作ります。



 前年度の実習畑に堆肥を入れてトラクターを走らせただけの平坦な畑に区画の位置決めをします。まず3辺が111.4になるように長いひもを使って大きな直角3角形の定規のようなものを作ります。この巨大3角定規を使って畑の中のタテヨコの方向決めます、そしてタテ9.1m、ヨコ3.5mの長方形の区画をできるだけタテヨコがうまく並ぶように配置します。区画の4隅にスチールの杭を立てて区画の境の目印にします。杭を立てるだけなら簡単なのですが、もう少し踏み込んだ作業をします。第1回講習会の作業にかかる負担を軽減するためのです。

 3月の第1回講習会では長さ2.9mの畝を7本立てる作業をしてもらいます。畝を立てるというのは畝と畝の間=畝間の土を畝に移動させるという作業です。畝と畝間の面積は同じくらいですから区画のほぼ半分の面積の土を残り半分に移動させるのと同じです。かなりの重労働になってしまいます。そこであらかじめ畝間にあたる場所に耕うん機で溝を掘っておきます。溝を掘った分だけ高低差ができているので畝立て作業はその分だけ負担軽減になります。



溝掘りに使うのは手押しの耕うん機です。馬力はあるのですが、何といっても重くて操作が大変。真ん中の車輪から後ろの部分に比べて前の部分が異常に重く、普通に走行しながら耕うんする時でも手元のハンドルを常に下の方に押さえておかなければハンドルごと跳ね上がってしまいます。方向転換などの操作は耕うん機の跳ね上がりを抑えながら左右に回転するための操作をしなければならず、大変な力仕事になります。




 1区画あたり7本の畝を立てるので畝たてのための溝掘りは1区画につき8本。区画と区画の間、実習畑全体の外縁にも溝を掘るので全体では300を超える溝を掘ることになります。1日では到底終わりません。重くて暴れ馬のような耕うん機を数時間動かすと腕も腰も背中も痛くなります。開講準備で最大の難所を乗り越えて来週末には2016年度土の学校がスタートです。

カテゴリー: 土の学校 農業資材
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