「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2019年7月23日 7:58 am

 梅雨が長引き畑の作物たちは深刻な事態になってきました。畑に水がたまったまま乾いてくれず全体に水分過剰です。日照時間が短いため作物は養分を吸い上げることができず、光合成も十分でないため思うような成長ができません。このままだと夏に予定していた収穫イベントも開催できるかどうか心配になってきました。



 いまごろ一番元気なはずのミニトマトですが、今年は6月末あたりから先端の芽が枯れて元気がない木が見られるようになりました。芽が枯れるという現象は初めてで対策の立てようもないまま、広がってしまいました。そのうち、元気だったミニトマトの木も葉の先端から黒変し始め、徐々に広がり気がつくとほぼすべてのミニトマトがやられています。




それでもトマトの青い実が少しずつ赤く色づいてきたので収穫だけはしてきました。そのうち、葉だけでなく茎の部分も黒くなり病気が広がっているのが分かります。やむなく病気でやられた葉や茎を切り落とし、病気が木全体に広がっているものは株ごと抜いてしまいました。




 毎年夏の収穫イベントの定番になっているスイカは6月上旬と下旬の2回に分けて植え付けましたが、早く植えたゴジラスイカが苦戦しています。畑にビニールシートをはり、シートに2メートルおきに穴を開け、穴にスイカの苗を植え付けるというやり方ですが、一部は植え付けた苗がいくらも育たないうちに成長がストップしてしまいました。これは対策の立てようがありません。植え付けた根元の近くの葉の色が黒変するという現象はスイカでも見られます。全体の半分近くがやられているのでとりあえず農薬を散布して病気の広がりを抑えようとしています。




 病気のせいかどうか分らないのですが花の付き方が遅れています。スイカの花はオスとメスがあり雄花の花粉が飛んでいって雌花のめしべに受粉することで実になります。受粉はミツバチにやってもらうのですが、確実にするために人手で授粉の作業を行うこともあります。いずれにしても花が咲かなければ始まらないのです。




 その他トウモロコシ、キュウリ、オクラやシカクマメなども成長が遅れています。少なくとも日照不足が解消され強い日差しが来てくれないことには夏の作物は元気になりません。




 一方ナス、サトイモなどは多少水分が過剰気味でも育つので、いまのところ元気にやっているように見えます。それも日照不足が続くと影響が出てきそうです。ここ数年は見られなかった異例の長梅雨、畑の作物がどこまで耐えられるか心配です。


投稿日:2019年7月1日 7:54 am



この夏は野菜の収穫体験イベントを次々と開催します。ミニトマト、ナス、ピーマン、万願寺トウガラシといったナス科の作物。キュウリ、スイカ、カボチャなどのウリ科作物。さらにマメ科のエダマメ、ラッカセイ、シカクマメ。そのほかトウモロコシ、オクラなどいろいろ植え付け収穫体験に備えてきました。

イベントは夏休み期間に集中的に開催します。自然豊かな千葉県柏市ならでは農産物収穫体験イベント、是非ご参加ください。(おしらせ欄参照)




 柏たなか農園では主力のもち麦(もち種の大麦=品種はダイシモチ)を5月末に刈り取り、乾燥などの作業を経て一段落。麦刈り跡に春先から用意してきた夏野菜の苗の植え付けを進めます。いわばもち麦の裏作のようなもので、広~い畑にゆったりと畝間をとって植え付けてきました。




 これらの作物の一部、収穫がまもなく始まり、7月後半から8月にかけて大収穫期を迎えます。ピーマンはすでに始まりました。続いてナス、エダマメなども採れ時を迎えます。




キュウリは黄色い花を、オクラは花びら白で付け根が赤いかわいい花を咲かせています。ミニトマトもこれから実が赤く色づき収穫期に突入です。




 8月中頃からはスイカです。今年のスイカは最大で1114kgにもなる「ゴジラスイカ」と中くらいの「ラグビーボ-ル型」の2種類。ゴジラスイカというのは巨大な長丸スイカで外はしましま模様。中身は赤く自然の甘みがあり、全体が大きい分だけ果肉もたっぷり、一家で一度に食べきれないほどです。




ラグビーボール型は外皮が暗緑色で中身が「赤」と「黄色」の2タイプを植えました。食べやすい大きさで甘みもかなりです。いずれも黄色い花が咲き始めておりまもなく受粉し実を付けます。1ヶ月あまりで収穫始まります。ほぼ同時期にカボチャもできてきます。マメ科のシカクマメも収穫期です。 

 ラッカセイはさらに遅く9月後半からの収穫となり、その後サツマイモです。もう夏野菜ではなく秋野菜になります。

投稿日:2019年5月21日 5:26 pm

 


 もち麦畑は一面紫色に染まり幻想的な景観を作り出しています。今の季節を表すのに麦秋という言葉があります。麦の収穫の時期だからです。2019年産もち麦、間もなく収穫が始まります。ところで「もち麦」ってどういう麦(大麦)でしょうか?「もち麦」と「そうでない麦」はどのように区別されるのでしょうか? 今回はWhat is MOCHIMUGI? の話です。




 麦関係の業界団体の一つに「全国精麦工業協同組合連合会」(全麦連)というのがあります。ここが今年4月に「もち性大麦(はだか麦を含む)とはもち性遺伝子型を有する大麦と定義する」という「もち性大麦業界基準」を公表しました。

 お米にうるち米ともち米があるように穀類にはお米でも麦でもトウモロコシでも、それぞれ「もち」と「うるち」という2つのタイプがあります。食用部分を構成するでんぷんの構造の違いによるもので、その違いは遺伝子によって決定されています。もち性遺伝子型を有する品種が作り出すでんぷんは100%もち性で、もちもちした食感になります。うるち性遺伝子型を持つ品種ではもちもち感は得られません。

 ではどの品種がもち性遺伝子型を有する大麦の品種でしょうか? 全麦連が示したもち性遺伝子型を有する大麦のリストには国産もち麦として10の品種が、外国産としてアメリカ産、カナダ産を合わせて10の品種が掲載されています。柏たなか農園で生産している「ダイシモチ」も国産もち麦の品種の1つとしてリストアップされています。




 ではなぜ全麦連がもち性大麦を他の大麦と区別してリストを公表したのでしょうか?それはもち性大麦ではないけれどもち麦に似た食感が得られるといった判断からもち麦に準ずるものとして販売されている大麦があるからです。このままいくと何が「もち麦」なのかをめぐって混乱を招くおそれもあります。もち性遺伝子型を有するか否かという客観的な判断基準を示すことで混乱を未然に防ぐ狙いがあると思われます。

 スーパーなどで販売されているもち麦は何という品種なのか、印刷された文字が小さくて見づらいかもしれませんが大概表示されています。全麦連が公表したもち麦リストに載った品種です。ただ、外国産のもち麦は品種名まで明示している商品はあまり見かけません。

カテゴリー: 生育情報 柏たなか もち麦

投稿日:2019年4月30日 9:58 pm

 毎年429日に開催してきた土の学校の「春の集い」、今年もやりました。毎年のことですが春のテーマは「サバイバル」、8年前の原発事故と首都圏全体に拡散した放射能汚染という大災害を思い起こし、農園という環境の中で限られた水や食材で煮炊きし、食べる体験をします。



 まずはご飯炊きですが、炊飯用の飯ごう作りから始めました。竹やぶからもうそう竹を伐りだし、縦方向に2つに割り節と節の間にお米と水を入れられるように数十cmにカットします。竹を火にかければ燃えてしまいますが、伐ってすぐなら水分が多く簡単には燃えません。



 竹飯ごうの節と節の間にお米ともち麦と水を入れてブロックとブロックの間に載せ、竹飯ごうの下から炭火で加熱します。この日の参加者は約80人、全員に行き渡らせるにはたくさんの竹飯ごうを載せられるだけのブロックを並べなければなりません。炊飯にかかる時間は約50分、炊けるまでゆっくり待ちます。




 ご飯炊きと平行して味噌汁とバーベキュー用の具材を準備しました。柏の直売所「かしわで」で地元野菜を購入したほか、農園を一回りして食べられる野草を探しました。この日はノビル、コゴミ、フキを見つけてきました。味噌汁の具にしたり味噌を付けて生で食べたりと自然をたっぷり味わいました。




 原発事故からわずか8年しか経っていないのに、時折「風化」という言葉も聞かれます。しかし、この事件はそう簡単に忘れ去られてはいけないことでしょう。それどころか、この先ずっと語り継がれ、再発を防止するにはどうすれば良いのかを考え続けなければならないはずです。「平成」という時代のくくり方(西暦1989年~2019年)が適切かどうかは分りませんが、この30年間では間違いなく最悪の環境汚染事件でした。今なお崩壊した原子力発電所の底にたまっているデブリを撤去できる見通しは立たず、飛散した放射性物質による環境影響がなくなるまでには気の遠くなるほどの時間がかかります。土の学校の春の集いでサバイバルをテーマにするのは、事件の記憶を思い起こす機会にしたいとの思いがあります。

投稿日:2019年3月28日 9:20 am



 もち麦の収穫は例年5月末ですが、これまでは春先には在庫がなくなり半年近いブランクが生じ、「申し訳ありません」ばかり言ってきました。今年は今のところ在庫があり、何とか次のもち麦の収穫までつなぐことができそうです。

2018年産もち麦は栽培面積が増えたことで過去最高の収穫量になりました。一方出荷先も増えましたが、需給がちょうどバランス取れるくらいでした。大口の出荷先は東京の東都生協と柏市内に2カ所ある大型の直売所でしたが、昨年から新たに柏市内の有力スーパー、千葉県北西部から一部埼玉県にも出店している地方スーパーなどとも取引が始まりました。増産と取引先拡大によりもち麦の生産と出荷のバランスが取れる状況になり、とりあえず5月の収穫まで切れ目のない「通年出荷」ができる見通しとなりました。

これまで毎年春先には品切れになり、需要家のみなさまには5月の収穫、6月の出荷開始までお待ちいただくのが常でした。そのため、直売所などでは「お一人様○個まで」といった表示をしてくださっているお店もあります。また生協とは年間どれくらいといった数量をあらかじめ決めさせていただき、途中で在庫状況を見ながら出荷数量を微調整するといったやり方をしてきました。こうした生産と販売のすりあわせによって通年販売ができるようになり、ひとまずほっとしています。




2019年産のもち麦はいままさに草丈が大きく伸びているところで、これから穂が出てきます。昨年11月に種まきしてから平年より気温が高い日が多かったため、成長のペースがかなり早まっています。もち麦の生長もさることながら、雑草も同じく温暖化の影響で伸び始めが早く伸び方もじん常ではありません。畑の草取りが大変です。

この分だと収穫期も早くなりそうですが、そのタイミングを計るのが難しく、当分もち麦畑の生育状況から目が離せません。

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