「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2020年2月16日 5:25 pm

 2020年度土の学校の開講が来月初旬に迫り準備に追われています。その中で今年は通常の準備作業に先立ち畑の水はけ対策を進めてきました。


 昨年は秋の台風以降、長雨にたたられ秋冬野菜がかなり苦戦しました。柏たなか農園の畑は全体にゆるい傾斜になっているので大雨が降っても畑の表面に近い雨水は流れてしまうのですが、昨年秋は雨降りの後になかなか晴れがなく、畑の表面が乾くまで行かないうちに次の雨が来るという繰り返しで作物の根がずっと水に浸かった状態になってしまいました。気象異変で今年も同じような天候になるおそれがあり今から準備しておくことにしました。

 

 対策としては畑全体に弾丸暗渠といって30cm程度の深さに縦横に貫く穴を掘りました。トラクターの後ろに溝掘り装置を取り付け、その先に付けた弾丸状の穴掘り器具が畑の深いところに穴を開けて行くという仕組みです。雨降り続きで表面から流しきれず畑の畝間にたまってしまう雨水を地下から流し出そうという試みです。



 畑の水はけ対策を施した後、畑全体に堆肥を散布しました。堆肥は利根川対岸の守谷市にある牧場で大量に作られている牛糞堆肥を搬入。散布量は
10アールあたり3トンとやや多めにしました。この後、何度かトラクターで耕耘した後、土の学校の実習用に区画を作って行きます。2020年度土の学校の第1回講習会は37日・8日、開講に向けて準備大詰めです

投稿日:2019年12月6日 1:01 pm



東京・大森に全国の「食の逸品」が集まるアンテナショップ的なお店「TSUMUGI」が誕生、柏たなか農園の主力作物であるもち麦も置いてもらいました。初めて激戦区・東京に常備店ともいえるお店ができたわけです。全国の食品関係のバイヤーさんとの商談、そして一般消費者への販売も行っているので是非一度足を運んでもらいたいと思います。




TSUMUGIの店頭には全国から集められた「逸品」といわれるだけの質の高い農水産物加工品が並んでいます。北海道の昆布、秋田のいぶりがっこ、山形のフルーツゼリー、茨城の納豆、干いも、静岡の鯖、お茶、愛媛のみかん、屋久島の焼あご・・・などなど。これだけだとお馴染みの地域特産物を並べただけのような気もします。ところが、ここに置かれている商品には一品ずつこだわりがあり、商品化から販売に至る感動の物語があるものばかりです。




たとえば茨城の納豆。納豆といえば水戸納豆がよく知られていますが、この店に置かれているのは「日立の納豆」。第二次世界大戦末期に東京を焼け出されて日立に逃れてきた一家が始めた納豆メーカーで、独自の商品開発を続けた結果が全国コンテストでの農林大臣賞など幾たびかの受賞歴につながったといいます。見ただけでも創意工夫の跡がわかる納豆です。




長野・川中島地区からは衰退する農業の立て直しを目指して地域の企業と農家、小売店、メーカーが協力して開発した果物系の加工食品を出しています。この地区ではかつて「川中島白桃」で知られ、他にもリンゴ、ラ・フランス、ブドウ、アンズなど豊かな果物産地だそうです。




沖縄からは一時途絶えていた伝統の製造技術を復活させて作った黒糖とそれを使った菓子が出ています。鹿児島県の屋久島の焼あごはよく知られていますが、この店に置いてあるのはちょっとしたアイデア商品です。焼あごが入っている細長い瓶の容器で、その中に普通の醤油を入れておくと独特の出汁のきいた極上の醤油になるというものです。




 まだまだ物語のある商品がたくさんあります。話を聞かせてもらうと、なぜこの店に置かれているのかがよく分ります。店を主宰するのは地域資源活用の会という地方産品掘り起こしをめざす団体で、柏たなか農園も以前、千葉市の幕張メッセで開催された日本最大の食品商談会「スーパーマーケットトレードショー」に出展するのにお世話になったことがあります。そして今回、再びお世話になっています。

 柏たなか農園のもち麦は千葉県柏地方ではそこそこ知られるようになってきましたが、首都圏、さらに全国に販路を広げてゆくために東京のアンテナショップにも大いに期待したいところです。TSUMUGIに集う全国の「逸品」の中で柏たなか農園のもち麦が存在感を持ち続けることができるか試されているともいえます。

 

カテゴリー: 出荷情報 柏たなか もち麦

投稿日:2019年10月15日 11:37 am



 柏たなか農園の北側にある利根川が増水して堤防の際まで作られていた田畑がすべて水没、反対の茨城県側まで広がる巨大な「利根川湖」になってしまいました。このあたりの利根川は川幅が約2kmあります。堤防に上ってみると川幅いっぱいに増水した水が十数kmも続いているのが見えます。12日の台風19号が、日本最大とされる利根川の流域全体に降らせた大量の雨を利根川下流に送り出しました。下流の利根川の水位は急激に上昇し洪水の危険性が高くなりました。そこで遊水池に水を放流して利根川の水位の上昇を抑えたのです。

 利根川のように大きな川は氾濫を防ぐための「堤防」の他にもう一つ、「越流堤」といって川の水を流す部分と普段は田畑などに使える土地を仕切る堤防を築き、堤防との間を遊水池にしています。そのため、台風の季節になると利根川の水位を抑えるために越流堤の外側に放流して遊水池を田畑もろとも水没させてしまいます。




 遊水池は利根川両岸の茨城県側と千葉県側にあり、利根川の水位の上昇が心配されるとき、まず最初に茨城県側に放流します。それでも間に合わない時に千葉県側にも放流します。今回は茨城県側と千葉県側でほぼ同時に放流されたようです。今回の台風による水位の上昇が早く、それだけ危険性が高かったためでしょう。

 台風が通り過ぎるのを待って13日早朝に茨城県側から千葉県側に利根川の橋を渡ったときは利根川が増水していても遊水池部分には特に変化は見られませんでした。それが午後になると遊水池はみるみる間に水没して行きました。遊水池の真ん中を通る農免道路も田や畑も野菜を栽培するビニールハウスも。水面から上に出ているのは送電線の鉄塔と電信柱だけです。

堤防のわきに立ってみると堤防の高さに迫っているのが分ります。利根川の水は最後は東端の千葉県銚子から太平洋に流れ出ます。時間が経てば利根川の水位も下がりますが、上流からの雨水の流れが収まらないので水位が元に戻るには時間がかかります。その間、水没した田畑の作物は全滅してしまいます。今年の稲刈りは終盤に近かったのですが、11月まで稲刈りを予定していた大規模農家は大きな被害を被ったことでしょう。




 柏たなか農園の畑は堤防より一段高い場所にあるので直接的な被害はありませんでした。それでも畑のわきを通って利根川に向かう水路には利根川の水が逆流して水路の周りまで水没させ、沼のようになってしまいました。地球温暖化のせいで年ごとに台風が大型化しているといわれます。この先、どんな気象になっていくのか心配です。

カテゴリー: 柏たなか 気象異変

投稿日:2019年9月9日 10:46 pm



台風15号、農園始まって以来のものすごい台風でした。以前の台風の被害を全部足し合わせたような被害が引き起こされました。農園の中心部に立っているビニールハウスのわきに作った「夏のすずみ処」はペシャンコにされました。近くの竹林から林の保全をかねて伐りだしてきた竹を組んで作った60㎡ほどの施設ですが、周りに植えたゴーヤ、キュウリ、シカクマメが緑のカーテンになって日陰を作りちょうど良い夏のすずみ処になっていました。枝葉を延ばした分、重さがかかり台風には抵抗できなかったようです。土の学校の講習メニューの一つとして栽培しているシカクマメの方はつるを絡ませるために立てたキュウリ用のアングルが強風でグシャっと曲がってしまいました。



資材の保管庫もやられました。車の通路と並行においてあったはずのユニットハウスが約30度ずれて変な方向を向いています。以前も同じような経験があり、その後少しの風では動かないように周りに鉄の杭を打ったりしていたのですが、到底強風にはかなわなかったようです。利根川側の資材保管用の物置はすぐ下の車の通路に倒れ込み通路を塞ぎました。倒れ方が悪くて天井と床が逆になり床が上を向いた形で、当然中の資材類もひっくり返って中はめちゃめちゃになっているはずです。通路をふさがれては車が通れないので通路の真ん中より端の方へずらしましたが、人の力では全体を動かすのは難しそうなので、抜本対策は少し先にしました。



畑の作物にも大きな影響が出ました。トマトやキュウリ、ゴーヤのために組み立てた支柱はほとんど倒されました。ナス、ピーマン、万願寺トウガラシ、モロヘイヤも軒並み倒されたり斜めに傾いたりしています。ちょうど夏の野菜から秋冬野菜への切り替え時なので、倒されたものは早く撤収して次の秋冬野菜に集中したいです。



秋冬野菜のとっかかりとして今月初めに植え付けたキャベツ、茎ブロッコリーは虫の浸食を防ぐため防虫ネットをかけておいたのですが、ほとんどはがされました。この後植え付ける作物の苗は隣のビニールハウスで育てていたのですが、これもハウスの窓から吹き込む風で傾いたり葉がちぎれたりしていました。




幸い、畑の真ん中に立つ2棟のビニールハウスは無事でした。大きなビニールハウスは「土の学校」の講習会場として使っているので、ちょっとやそっとでは倒れないようにかなりな強度の構造にしています。小さな方のビニールハウスも苗作りなどで使っているのでかなり頑丈な作りにしています。

台風はこのところ毎年のように日本のどこかで大被害をもたらしており、今回はとうとう関東地方に上陸してしまいました。この先も台風が強くなる傾向なら畑の防御態勢も見直さなければならなくなりそうです。

投稿日:2019年8月5日 7:08 pm

 毎夏開催してきたスイカ収獲イベントを今年も818日と24日、25日の3回開催することにしました。7月のブログで紹介したようにスイカが一部出遅れており、イベントの日程に間に合うかどうか心配です。




 今年のスイカ畑は道路を挟んで利根川側と県道側の2カ所に分けました。利根川側の畑には重さが
8kg12kgにもなるゴジラスイカを植えました。県道側は3kg5kg程度のラグビーボール型のスイカです。こちらは果肉が黄色い「アジアン」という品種を北側に、果肉が赤い「コンガ」という品種を南側に植え付けました。異なる品種のスイカを近くに植えると交雑してしまうことがあるのでできるだけ離れた場所に植え付けるようにしているのです。



 生育が遅れて心配というのは利根川側の畑に植え付けたゴジラスイカです。梅雨が長びく間に病気が広がり、初期の生育はきわめて不順でした。それでも病気の症状がひどくなかったものはつるが伸び、畑はスイカの葉で覆われるほどになり、黄色い花も咲きだしました。ところが咲く花は雄花ばかりで雌花がなかなか咲きません。雌花が咲かなければスイカができません。



7月末に梅雨が明けると同時に強い日差しと高温でスイカの樹勢は一気に回復したように見えました。雌花もちらほら顔をのぞかせています。あわてて雄花の花粉を雌花の柱頭に振りかける授粉作業をやっています。スイカが収穫できるのはだいたい授粉から35日程度といわれています。ということは今頃授粉しても818日から始まる収穫体験イベントには間に合わないということです。



 一方、県道側の畑に植え付けたラグビーボール型のスイカは梅雨空の下でも少しずつ授粉作業を進めることができました。梅雨明け宣言が出た729日ごろには一部、動物に食い荒らされ、カラスに突かれるなどの事件も起きたので急きょ、少し育ち始めたスイカすべてに袋掛けをして彼らが触れることができないようにしました。


授粉作業をしたスイカの雌花のわきには目印になるように長さ90cmの支柱を立てるようにしているのですが、今は雌花からできた実が育ったところで袋掛けをして支柱を抜くという作業を毎朝やっています。動物による食害を防いだので、このまま猛暑日が続けばスイカ収穫イベントに間に合いそうです。

 スイカ収穫体験の本番まであと2週間足らずになりました。畑のある柏たなか駅を中心に周辺の住宅街に宣伝用のチラシを撒いたり、柏市の広報紙にお知らせを掲載したりして集客をしてきました。その結果予想を上回る申し込みが殺到したため、受付は締め切ってしまいました。それでもものすごい数の参加者が柏たなか農園のスイカ畑に来られます。あと1週間梅雨明けが早かったならずい分安心だったと思います。いまはひたすら強烈な日差しと高温がこのまま続けば良いと願っています。

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