「都市」と「近くの農業・農村」を結ぶ柏たなか農園のブログ

投稿日:2021年7月19日 1:29 pm



柏たなか農園の主力作物といえばもち麦。その主力作物・もち麦を始めたきっかけから今年のもち麦の収穫まで柏たなか農園のもち麦のすべてを紹介するビデオができあがりました。以下のURLです。→ https://youtu.be/c5Bwk9INYuY




制作してくださったのは柏の野菜ソムリエ・亀岡さんとビデオ・クリエータの荻原さん。5月のもち麦収穫直前に柏市北部の柏たなか農園に来て取材してくださいました。もち麦の魅力をとてもよく伝えてくださっており、視聴する人もいっしょに楽しめる内容になっています。私にはできないプロの“ワザ“と感心しております。




ご覧になって納得いただけたならぜひURL https://youtu.be/c5Bwk9INYuY を拡散してくださるようお願いします。これ以上ない「柏たなか農園のもち麦」の宣伝になります。ネット販売チャネル http://www.farmlabo.com/shop.html もよろしくお願いします。

   柏たなか農園・松本



投稿日:2021年5月22日 11:38 pm

 柏たなか農園の人気者だった雄ヤギのアオくんが先週亡くなりました。私にとっては単に愛玩動物を失ったというより、かけがえのない従業員を一人失ったような気持ちです。いつかくる別れとはいえ、農園の風景もすっかりさびしく感じられ、気持ちが落ち込んでいます。

 あっという間でした。亡くなる2日前は少し動きが鈍くなった程度でした。草を食べさせに移動してもついてきたのですが、翌日は小屋の近くで寝そべったまま動こうとせず、そのうちうめき声を漏らすようになりました。最後の日は土曜でしたが獣医の先生に連絡、診てもらうことにしていました。残念ながら先生の到着を待たずに逝ってしまいました。


 大人のヤギが死ぬと家畜保健衛生所という県の機関にすぐ連絡しなければならないと言われました。休日明けの月曜日に連絡したところ家畜保健衛生所の職員がすぐに農園まで来て、アオくんの遺体を載せて行ってくれました。その後、畑の隅で遺体にかぶせておいたワラコモを焼いてアオくんの冥福を祈りました。


ヒマさえあれば農園の草を食べ、時々胃の中のモノを口に戻してかみ直し(ヤギは反芻動物)をやっていたアオくん。近くの道路に犬の散歩をする人が見えるとじっと動かなくなり犬と人が見えなくなるまで警戒態勢を解かないほどの臆病モノ。瞳孔が横長で一見間抜けな印象を与え、それが見るモノに安心感を与えてくれました。だからアオくんはいつも農園の人気者。アオくんほど人に安心感を与えるような存在は考えられないと、いなくなって改めて思います。


 アオくんのいない農園はさびしい。いつもは朝、農園のゲートを開けるとアオくんが「何かいいことないかなー」というような顔をしてヤギ小屋からこちらを見ています。そこで美味しそうな草のある場所に連れて行き杭でつないでおきます。農園から引き上げるときは一人で小屋の前に立ってこちらを見ていました。そのアオくんの姿はもうどこにも見えません。今になってかけがえのない存在だったと分るのです。

 アオくんは9年前の20124月に農園にやってきました。同じ日に生まれた雄の兄弟で身体が大きい兄貴分の方をキイロくん、少し小さくてやせ形の方をアオくんと呼ぶことにしました。キイロくんは農園の主力作物であるもち麦を食べ過ぎて栄養過剰で早くに死んでしまいました。結果的には兄貴に意地悪されてもち麦を十分食べられなかったアオくんが生き延びました。そのアオくんもいなくなり、9年前の2頭は今はもう1頭もいません。いたずら盛りだった2頭のことを静かに思い出しています。
カテゴリー: 土の学校 イベント

投稿日:2021年5月13日 12:29 pm



柏たなか農園のもち麦畑は今、一面紫色に染まり、幻想的な景観を見せています。今年は春先から気温が高めに推移し農産物全体に早く成長する傾向ですが、もち麦も早まる傾向でこの分だと収穫も5月第3週末から第4週になりそうです。同時に梅雨入りも早まるとの予想なのでこれから空模様を見ながら収穫のタイミングを計ることになります。




 もち麦の穂が色づくのは穂についている麦粒の一つ一つがうす緑から紫に変わってゆくと同時に穂先に伸びるノゲも紫になります。この結果、麦畑全体が紫色に覆われ幻想的といわれる風景が見られるようになるのです。




 麦粒が紫色に見えるのは外側の薄皮の部分がうす緑から紫に変わるからです。薄皮の内側にはデンプンが蓄えられるのですが、今の段階はまだ水分量が多く、デンプンを水に溶かしたようなミルク状になっています。このミルクが美味しいらしく畑の端に植わっている麦の穂はほとんどスズメに食われています。この先麦粒に含まれる水分が徐々に減り麦粒が硬くなってきたら収穫のタイミングです。このため毎日、麦粒の水分量を測ります。
 水分量が少なければその分、収穫したあとの麦粒を乾燥させる手間が少なくて済みます。紫色に色づいた麦の穂は初めは上を向いていますが次第に穂首が下向きにカクンと曲がってきます。ほとんどの穂首が下に向いたあたりが収穫の合図です。このまま畑に置いておくとやがて倒伏といって茎ごと倒れてしまいます。倒れた麦を収穫するには一つ一つ起こさなければなりません。しかも倒れて土にまみれた麦は品質的にもよくありません。




  もち麦の収穫時期はだいたい梅雨入りの直前になります。梅雨に入ると麦の穂が乾かず収穫作業がやりにくくなります。今年は九州で早くも梅雨入りとのことで、首都圏の梅雨入りも例年より大幅に早まるとの予想です。梅雨の晴れ間に麦刈りのタイミングがうまく合えばよいのですが。収穫に必要な機械設備の準備も急がなければなりません。

カテゴリー: 生育情報 もち麦 気象異変

投稿日:2021年3月21日 9:59 pm

柏たなか農園にとっての321日は特別の日です。10年前のこの日、東京電力福島原子力発電所が吐き出す放射性物質を大量に含む雨雲が首都圏へと南下、東京の手前の千葉県北西部・東葛地方に大量の放射能の雨を降らせ、この地に住む者、事業を営む者の多くが環境汚染とそれに伴う風評被害に苦しむことになったからです。原子力発電所がある限り同じような事故は日本のどこでも起こりうるわけで、直接体験した者として伝え続けなければならないと思います。

 

あの日から半年?1年くらい?でしょうか、東葛地方の中心都市である柏市は放射線量の多い「ホットスポット」としてテレビなどで繰り返し報道されました。その結果、柏市内の地価が下がり、農産物が出荷できなくなるなど大変なことになりました。

 

柏たなか農園も一般市民向けの野菜作り教室「土の学校」がピンチに陥りました。会員が農園で作った野菜を家に持って帰っても食べてもらえない、孫に食べさせようとするとその子の母親から拒否されるといったことも起きていました。翌年、新会員を募集するもほとんど集まりません。前年の2010年に生産を始めたばかりのもち麦は放射線量が規制値ぎりぎりのため全量廃棄しなければなりませんでした。

 

柏市内の放射線の測定値は徐々に下がって行ったのですが、問題は「風評」でした。柏の米や野菜は放射線量を測り規制値を下回るものだけを出荷していたにも関わらず食品スーパーなどでも敬遠されるようになりました。住民の中には他所の街へと逃げ出す人が相次ぎました。住める土地に住めず、食べられる作物も食べられず、このままでは地域社会が崩壊してしまいます。

 

事態の打開に向けて市民が動き出しました。柏市内の農産物生産者と消費者、それと有識者が集まり「安全・安心の柏産柏消」円卓会議というのを立ち上げました。ここでどうしたら柏の農産物を安心して食べられるようになるかを議論しました。その中で一つの試案をまとめました。それが「食品1kgあたり20ベクレル」という基準です。基準内であれば安心して食べられますよという柏地方の基準です。この基準を柏市内の食品スーパーや食品店、飲食店などが受け入れました。これが契機となって柏市内から首都圏へ、全国へと柏の農産物が受け入れられるようになりました。

 

あれからちょうど10年、あの時全量廃棄した柏たなか農園のもち麦はその後の健康食ブームもあり自社の畑だけでは生産が追いつかず近くの農家に委託生産をお願いして生産量を確保するまでになりました。土の学校も鉄道(つくばエクスプレス)沿線に移り住む“新住民”を中心に子育て世代が集まってきて、原発事故当時には想像できないくらいにぎわっています。

 

いまでは柏や近郊の人々も柏が10年前にホットスポットといわれて大変なことになっていたことなど記憶のかなたに消え去ったかのようです。しかし、原発暴走事故によるすさまじい環境汚染とそれに伴う風評被害のことは忘れるわけには行きません。さらにこれらを克服するための市民の行動が危機に陥った地域社会を救ったということを忘れてはなりません。

投稿日:2020年12月25日 11:26 pm



 毎年今ごろになると土の学校の実習畑はさびしくなるのですが、今年は少しでも賑わいを残しておきたいと頑張りました。これから正月に向けて鍋ものなどに使えるハクサイ、長ネギなどが残っていますが、さらにホウレンソウ(チヂミホウレンソウ)、コマツナも種まきを遅らせて何とかここまで引っ張ってきました。

 土の学校の秋は畝いっぱいに種まき、植付けをして収穫の秋を迎えることができました。カブ、ホウレンソウ、シュンギク、ミズナ、キャベツ、レタス、ロメインレタスなどの定番野菜に加えてサトイモ、ラッカセイなども栽培しました。実習畑の他に広い麦畑の刈り取り跡を使ってサツマイモも栽培しました。これらの作物はほぼ11月までに終わりました。




あとに残るのはハクサイと長ネギ、ニンジン。それに寒さ対策として畑の土に埋めたダイコンなど、だんだんさびしくなります。

これまではこの程度でしたが、正月を前に畑がさびしくみえるのが気がかりでした。土の学校は基本、露地栽培なので冬に向かって加温するなどは大変です。それでも冬に収穫できる野菜の種類をもう少し増やせないだろうか考えて来ました。その結果、今年試みたのは葉もので寒さに強い野菜を少し時期を遅らせて種まきすることでした。その一つがチヂミホウレンソウで種まきは10月後半でした。さらにコマツナをタネからではなく苗を育てておいて畑に植付けるという試みを11月中旬にやりました。




 チヂミホウレンソウ、コマツナとも頑張れ頑張れと応援のかけ声だけでしたが、12月の後半には収穫できる大きさに育ちました。肥料を与えるタイミングなどもう少し工夫すべき点はありますが、とにかく真冬に収穫できる葉もの野菜の種類を増やすということでは第一歩を踏み出しました。




これから正月に向けて鍋物などで身体の芯から温まりたい時期です。冬の野菜の種類を増やしてこの時期の料理にもっと彩りをくわえたいと考えています。

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